- NVIDIAが2026年6月、Computex 2026で新型チップ「RTX Spark」を発表しました
- 128GBの統合メモリで、1200億パラメータの巨大AIを手元のPCだけで動かせます
- Microsoftと組み、Windowsを「自分専用AIエージェントが動くOS」に作り替えます
- ASUS・Dell・HP・Lenovo・Surfaceなどから2026年秋に発売予定です
- クラウドに頼らないので、プライバシーを守りやすく通信費もかかりません
「AIを使うと、自分の情報がどこかのサーバーに送られていそうで不安」。そう思ったことはありませんか?NVIDIAの新型チップ「RTX Spark」は、その不安に答える一台です。巨大なAIを、ネットにつながず手元のPCの中だけで動かせます。この記事では、RTX Sparkが何をどう変えるのかを、やさしく解説します。
RTX Sparkとは?Computex 2026で何が発表された
RTX Sparkは、NVIDIAが2026年6月の「Computex 2026」(台湾で開かれる世界最大級のPC見本市)で発表した新しいスーパーチップです。
ねらいはひとつ。クラウドに頼らず、手元のWindows PCだけで強力なAIを動かすことです。
これまで、ChatGPTのような高性能なAIは、遠くにある巨大なデータセンターで動いていました。私たちはネット越しにお願いをしていたわけです。
RTX Sparkは、その「頭脳」をノートPCやコンパクトなデスクトップの中に丸ごと入れてしまおう、という発想です。
何がそんなにすごいのか
1200億パラメータのAIがPCで動く
いちばんの目玉は、128GBの統合メモリです。
統合メモリとは、CPUとGPU(画像やAI計算が得意な部品)が同じ大きなメモリを共有する仕組みのことです。
この大容量のおかげで、1200億パラメータ(AIの賢さを決める部品の数)という巨大なAIモデルを、PC1台で動かせます。
さらに、約100万トークン(AIが一度に読み書きできる文章の量)という長い文脈も扱えます。本でいえば数冊分を一度に覚えていられるイメージです。
中身はArm CPUとBlackwell GPUの合体
RTX Sparkの中身は、20コアのArm系CPUと、NVIDIAの最新「Blackwell」世代のGPUを1つにまとめたものです。
AIの計算力は最大1ペタフロップス(1秒間に1000兆回の計算)。これだけの力を、ノートPCに収まるサイズと省電力で実現した点が画期的です。
難しい話を一言でまとめると、「データセンター級の力を、机の上やひざの上に持ってきた」ということです。
Windowsが「エージェント型AI OS」に変わる
RTX Sparkは、ただ速いだけのチップではありません。MicrosoftがWindows自体を作り替える点が重要です。
めざすのは「エージェント型AI OS」。エージェントとは、指示を待つだけでなく、自分で考えて複数の作業を進めてくれるAIのことです。
たとえば「来週の出張の準備をして」とお願いすると、メールを読み、予定を整理し、資料を作る。そんな働き方を、PCの中のAIが担います。
安全に動かす「OpenShell」
AIが勝手に動くと聞くと、少し怖いかもしれません。そこで用意されたのがNVIDIA OpenShellという仕組みです。
OpenShellは、AIエージェントに「できること・できないこと」のルールを決められます。
さらに、プライバシーに関わる質問はPC内のAIだけで処理し、どうしてもクラウドを使うときは個人情報を隠して送る、といった配慮もできます。
従来のAI PCやクラウドと何が違う?
似たような言葉が多くて混乱しやすいので、ここで整理します。
クラウドAI(ChatGPTなど)との違い
クラウドAIは、ネット越しに使うため通信が必要で、情報が外部に送られます。RTX SparkはPCの中だけで完結するので、ネットが無くても動き、データも外に出ません。
DGX Sparkとの違い
NVIDIAには「DGX Spark」という似た名前の製品もあります。こちらはLinuxで動く開発者向けの小型AIワークステーションです。
一方のRTX SparkはWindowsで動く一般ユーザー向け。同じ128GBメモリでも、ねらう相手がちがいます。
Copilot+ PCとの関係
RTX Spark搭載機は、Microsoftの「Copilot+ PC」の仲間にもなります。ただし、重いAI処理はNPUではなくGPUが主役になる点が特徴です。
日本のユーザー・企業への影響
RTX Spark搭載PCは、ASUS・Dell・HP・Lenovo・Microsoft Surface・MSIなどから2026年秋に発売予定です。AcerやGIGABYTEも後に続きます。これらは日本でも広く売られているメーカーばかりです。
日本の利用者にとって、メリットは大きいです。
まずプライバシー。顧客名簿や社内資料をクラウドに上げずにAIで処理できるため、情報管理に厳しい企業でも導入しやすくなります。
次にコスト。クラウドAIは使うほど料金がかさみますが、ローカルなら電気代だけで動かし放題に近づきます。
ある地方の会計事務所を想像してみてください。顧客の決算書を外部に出せないため、これまでAI導入を見送っていました。RTX Sparkなら、所内のPCだけでAIに下調べを任せられます。
個人でも、動画編集や3D制作、長文の要約などをネット環境に左右されずにこなせるようになります。
よくある質問(FAQ)
Q. RTX Sparkは日本でも買えますか?
はい。搭載するメーカーがDellやLenovo、Surfaceなど日本でおなじみの各社なので、2026年秋以降に国内でも順次手に入ると見られます。
Q. 値段はいくらくらいですか?
発表時点で正式な価格は公開されていません。高性能なAI向けチップのため、一般的なノートPCよりは高めになると予想されます。
Q. ふつうのパソコン作業にも使えますか?
もちろん使えます。Windowsがそのまま動くので、ネット閲覧や文書作成はこれまで通り。そこにAIエージェントの力が加わるイメージです。
Q. 専門知識がないと使いこなせませんか?
いいえ。AIエージェントへの指示は、ふだんの言葉でお願いするだけです。難しい設定は、OpenShellなどがうしろで支えてくれます。
まとめ
RTX Sparkのポイントを振り返ります。
- NVIDIAが2026年6月、Computex 2026で発表した新型スーパーチップ
- 128GB統合メモリで、1200億パラメータのAIをPC単体で実行できる
- MicrosoftとWindowsを「エージェント型AI OS」に作り替える
- OpenShellで、AIを安全かつプライバシーに配慮して動かせる
- 2026年秋に各メーカーから発売予定で、日本でも入手できる見込み
まずは秋の各社の発表をチェックし、自分の使い方に合うモデルがあるか見比べてみましょう。

