- Mastercardの2026年調査で、AIに課金する人は宿泊費の割合が非課金者の約2倍とわかりました
- AI課金ユーザーは「穴場(ダブ)」を選ぶ傾向が強く、混雑の少ない街に人気が集まっています
- 日本でも2025年夏の旅行で32.6%が生成AIを計画に使い、84.1%が「新しい発見」を体験しました
- AIで旅行を計画する一番の理由は「節約」で、世界平均73%にのぼります
- AVA TravelやWanderlogなど、日本語対応の旅行AIツールも比較して紹介します
「旅行の計画、ぜんぶAIにまかせたら楽そう」と思ったことはありませんか。
実は今、AIを使う人と使わない人で、旅のお金の使い方が大きく変わり始めています。クレジットカード大手のMastercard(マスターカード)が、その変化を数字で明らかにしました。この記事では、AIが旅行をどう変えたのか、日本ではどうなのかを、やさしく解説します。
AIで旅行はどう変わった?Mastercard調査の衝撃
2026年、Mastercardの調査機関「Mastercard Economics Institute」が、旅行とお金に関する大きなレポートを公開しました。
このレポートで注目されたのが、AIプラットフォームに課金している人(有料契約者)の消費行動です。
ここでいうAIプラットフォームとは、ChatGPTのような対話型AIの有料プランを指します。月額を払って、より高機能なAIを使っている人たちのことです。
調査では、こうしたAI課金ユーザーが、旅行のお金の使い方で非課金者とはっきり違う動きを見せていました。
世界全体で見ると、AIで旅行のアドバイスを求める一番の目的は「節約」でした。その割合は世界平均で73%。米国で75%、オーストラリアで81%、インドで81%と、どの国でも高い数字が出ています。
「課金ユーザーは宿泊費2倍」の本当の意味
今回の調査でいちばん話題になったのが、宿泊費に関するデータです。
AI課金ユーザーは、支出全体に占める宿泊費の割合が、非契約者の約2倍に達していました。
ここで大事なのは「金額」ではなく「割合」だという点です。お財布の中で、宿泊にどれくらいの比率を回すか、という意味になります。
Mastercardの分析では、AIを使う人の宿泊費の割合は、支出全体の0.5%〜2.75%の範囲でした。非契約者よりも、この比率がぐっと高かったのです。
つまりAIを使う人ほど、「どこに泊まるか」を旅の中心に置いている、と読み取れます。
なぜでしょうか。AIに相談すると、自分の興味に合った宿や体験を提案してくれます。だから「ただ寝るだけの宿」ではなく、「泊まること自体が目的になる宿」を選びやすくなるのです。
レポートでは、AI課金ユーザーが歴史的な名所、新しく注目されるワイン産地、ウェルネス(健康や癒やし)に特化したリゾートなどを選ぶ傾向も指摘されています。
AIが見つける「穴場(ダブ)」とは
もうひとつの大きな発見が、「穴場(ダブ・デスティネーション)」への注目です。
ダブ・デスティネーションとは、有名な観光地と似た体験ができて、もっと手頃で、混雑も少ない街のことです。英語の「dupe(そっくりさん)」が語源になっています。
AIは膨大な情報の中から、こうした穴場をすばやく見つけ出します。だから人気が一部の有名都市に集中せず、いろんな街に分散し始めているのです。
わかりやすい例が、ドイツのライプツィヒという街です。
ライプツィヒは、首都ベルリンよりも手頃で、混雑が少ない穴場として知られています。この街では、米国人旅行者の支出の31%が、AI課金ユーザーによるものでした。
有名な大都市ではなく、こうした「知る人ぞ知る街」に、AIを使う人のお金が流れ込んでいるわけです。
ビジネス出張の動きにも変化が出ています。出張と観光の勢いを比べる「Business vs Leisure Momentum Index」では、上位10都市のうち5都市をアジア太平洋地域が占めました。
特にインドの存在感が大きく、ハイデラバードが3位、ベンガルールが4位、ニューデリーが6位、ムンバイが7位にランクインしています。
日本人の3人に1人がAIで旅行計画(日本市場への影響)
「海外の話でしょ」と思うかもしれません。でも日本でも、同じ流れが始まっています。
国内の調査では、2025年夏の旅行で、32.6%の人が生成AIを旅行計画に使ったとわかりました。およそ3人に1人の計算です。
さらに2026年1月、国内旅行の計画で実際に生成AIを使った630人を対象にした調査も行われました。その結果がとても興味深いものでした。
AIの提案で「新しい発見があった」と答えた人は、84.1%(530人)にのぼります。
しかも、ただ知っただけでは終わりません。AIが提案した場所を実際に訪れた人は54.6%(344人)。候補として検討した人まで含めると、採用率は84.8%に達しました。
具体的に何を発見したのかも見てみましょう。飲食店や観光スポットが50.0%、宿泊施設が40.0%、目的地のエリアそのものが39.8%でした。
年代別では若い世代の利用が目立ちます。週1回以上AIを使う人のうち、旅行でも使った経験がある人は77.8%。女性20代では89.3%、男性30代では85.7%という高さです。
ある会社員が週末旅行を計画する場面を想像してみてください。これまでは旅行サイトを何時間も見比べていました。今はAIに「2泊3日、温泉とおいしい魚、予算は控えめで」と伝えるだけで、候補がすぐ並びます。こうした体験が、日本でも当たり前になりつつあるのです。
AI旅行ツール徹底比較
では、旅行に使えるAIツールにはどんなものがあるのでしょうか。代表的なものを整理します。
ChatGPTは、いちばん手軽な選択肢です。行き先・日数・予算・目的を伝えるだけで、旅程の下書きを作ってくれます。自由度が高い反面、最新情報や正確さには注意が必要です。
AVA Travel(エヴァ・トラベル)は、日本語に対応した旅行特化型のAIです。日本国内の旅行を計画したい人に向いています。
Wanderlog(ワンダーログ)は、旅程の管理とAI提案を組み合わせたツールです。複数人での旅行や、細かいスケジュール管理が得意です。
Layla(レイラ)は、チャットで会話しながら旅行プランを固めていくタイプです。相談しながら決めたい人に合っています。
このほか、Googleマップに搭載されたAI機能も実用的です。地図と提案がひとつになっているので、現地での移動までスムーズに進みます。
選び方のコツは、ざっくり案を出すなら汎用のChatGPT、日本国内の細かい計画なら日本語特化ツール、と使い分けることです。
AIで旅行を計画するときの3つの注意点
便利なAIですが、丸投げは危険です。日本の調査からも、AI任せの弱点が見えてきました。
第一に、情報が古い、または間違っていることがあります。AIは時々、存在しない店や閉店した宿を平気で提案します。これを「ハルシネーション(AIのもっともらしい作り話)」と呼びます。
第二に、クチコミや写真が足りず、不安が残る点です。実際、AIが提案した宿を採用しなかった226人の理由を見ると、「クチコミ・レビューが不安」が35.4%、「情報不足」が26.1%、「写真・動画が足りない」が17.3%でした。
第三に、最終確認は自分でする必要があることです。調査でも、AIの提案のあとにネット検索で確認した人が48.1%、Googleマップで確認した人が46.7%いました。
つまり、AIで大枠のプランを作り、公式サイトやクチコミで裏取りをする。この「ハイブリッドな使い方」が、いちばん失敗しにくい方法です。
よくある質問(FAQ)
Q. AIに課金しないと旅行で使えませんか?
いいえ。ChatGPTの無料版やGoogleマップのAI機能でも十分に旅行計画は作れます。課金ユーザーの消費が目立つのは、あくまで調査で出た傾向です。
Q. なぜAIを使う人は宿泊費の割合が高いのですか?
AIが興味に合った宿や体験を提案するため、「泊まること自体を楽しむ旅」を選びやすくなるからだと考えられています。
Q. 「穴場(ダブ)」って具体的にどんな場所ですか?
有名観光地と似た体験ができて、もっと手頃で混雑が少ない街のことです。ドイツのライプツィヒなどが代表例として挙げられています。
Q. AIの提案をそのまま信じて大丈夫ですか?
そのままは危険です。古い情報や事実と違う提案が混じることがあります。必ず公式サイトやクチコミで最終確認をしましょう。
Q. 日本語でちゃんと使えるAI旅行ツールはありますか?
あります。AVA Travelは日本語対応の旅行特化AIです。ChatGPTやGoogleマップのAI機能も日本語で使えます。
まとめ
今回のポイントを振り返ります。
- Mastercard調査で、AI課金ユーザーは宿泊費の割合が非契約者の約2倍とわかった
- AIは「穴場(ダブ)」を見つけ、人気が有名都市から分散し始めている
- AIで旅行を計画する一番の理由は「節約」で、世界平均73%
- 日本でも2025年夏に32.6%が利用、84.1%が新しい発見を体験
- AI任せは危険。大枠はAI、最終確認は自分で、が失敗しないコツ
次の旅行では、まずAIに「行き先・日数・予算・目的」を伝えてプランの下書きを作らせ、気になった宿や店を公式サイトで確かめてみてください。

