ChatGPTがパワポ内で動く|スライド作成はどう変わる?

伊東雄歩
監修者 伊東 雄歩

株式会社ウォーカー CEO。東北大学卒。MENSA会員、JDLA認定講師、健全AI教育協会理事。生成AI×教育・学習科学を専門とし、2億円超のシステム開発プロジェクトを統括。

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  • ChatGPT for PowerPointは、PowerPointの画面内で直接スライドを作れる新しいアドインです
  • 2026年5月21日にOpenAIが発表し、現在はベータ版として公開されています
  • 話しかけるように指示するだけで、スライドの新規作成・編集・構成チェックができます
  • Microsoft Storeから無料で追加でき、ChatGPTの契約があればすぐ使えます
  • 曖昧な指示だと内容を消してしまうリスクもあり、使い方には少し注意が必要です

プレゼン資料づくりに、毎回何時間もかけていませんか?OpenAIが発表した「ChatGPT for PowerPoint」を使えば、PowerPointを開いたまま、話しかけるだけでスライドが形になります。この記事では、新機能でできること、使い方、料金、そして使う前に知っておきたい注意点まで、やさしく解説します。

ChatGPT for PowerPointとは?

ChatGPT for PowerPointは、Microsoftのプレゼンソフト「PowerPoint」の中で、ChatGPTを直接使えるようにする新しい機能です。

OpenAIが2026年5月21日に、自社のXアカウントで発表しました。翌22日には、国内外のメディアが一斉にこのニュースを報じています。

現在はベータ版です。ベータ版とは、正式公開の前に多くの人へ試してもらう「お試し段階」のことを指します。

これまでとの違い

これまでも、ChatGPTにプレゼンの案を考えてもらうことはできました。

ただし、その内容をコピーして、自分でPowerPointに貼り付ける手間がありました。アプリを行ったり来たりする、二度手間だったのです。

今回の新機能では、ChatGPTがPowerPointの「アドイン」として動きます。アドインとは、ソフトに後から追加できる小さな拡張プログラムのことです。

PowerPointの画面の右側に、チャット欄が表示されます。そこに指示を書くだけで、スライドが目の前で組み上がっていきます。

ChatGPT for PowerPointで何ができる?

この機能でできることは、大きく4つあります。順番に見ていきます。

1. ゼロからスライドを作る

「新商品の提案資料を10枚で作って」のように指示すると、ChatGPTが構成を考えてスライドを生成します。

作られたスライドは、ふつうのPowerPointファイルとして編集できます。文字や図を、あとから自由に直せます。

2. すでにある資料を直す

新規作成だけではありません。手元にある既存のスライドを編集することもできます。

「3枚目の文章をもっと短くして」「全体の言い回しをやわらかくして」といった指示が通ります。

3. プレゼンの「弱点」を教えてくれる

これが特にユニークな機能です。ChatGPTがプレゼン全体の流れを読み取り、論理が弱い部分を指摘してくれます。

「この資料は結局なにを伝えたいのか」「役員からどんな質問が飛んできそうか」も予測してくれます。発表前の最終チェック役として頼れる存在です。

4. メールや文書から資料を作る

ChatGPT for PowerPointは、GmailやOutlook、SharePointと連携できます。

メモ、文書、表計算データ、画像、既存の資料を読み込ませて、整理されたスライドへ作り変えることも可能です。

つまり、バラバラの情報をかき集めて1枚ずつスライドにしていた作業を、まとめてお願いできるようになります。

使い方と料金|どうやって始める?

インストールの手順

使い始めるのは、かんたんです。PowerPointの「アドイン」または「ストア」から追加します。

  • PowerPointを開き、上部メニューからアドインのストアを選ぶ
  • 検索窓に「ChatGPT」と入力する
  • 「ChatGPT for PowerPoint」を見つけて追加する
  • 画面右側に表示されるチャット欄から、ChatGPTにログインする

追加が終わると、チャット欄に指示を書くだけで使えるようになります。特別な設定はほとんど必要ありません。

料金はかかる?

アドイン自体は追加料金なしで使えます。Microsoft Storeから無料で追加できます。

必要なのは、ChatGPTのアカウントだけです。対応プランはとても幅広く、無料プランから法人向けまで、ほぼすべてが対象になっています。

具体的には、Free、Go、Plus、Pro、Business、Enterprise、教育向けプランなどが含まれます。

ただし、注意点があります。使える機能や回数は、契約プランや会社の管理者設定によって変わります。無料プランでは、使える範囲がかぎられる場合もあります。

CopilotやGammaと何が違う?

AIでスライドを作るツールは、ほかにもあります。代表的なものと比べてみます。

ツール特徴料金の目安
ChatGPT for PowerPointPowerPointの中で直接動く。使い慣れたファイルをそのまま使えるアドインは無料(ChatGPT契約は別途)
Microsoft CopilotOffice製品全体に統合。WordやExcelとも連携できるMicrosoft 365の有料契約が必要
Gamma海外製のWebツール。デザイン性が高い無料プランあり・有料は月額制
イルシル日本製。日本語テンプレートが3,000種類以上無料プランあり・有料は月額制

Microsoft Copilotとの違い

Microsoftにも、PowerPointに組み込まれた「Copilot」というAIがあります。

Copilotは、最初からOffice製品に深く組み込まれている点が強みです。WordやExcel、Outlookとまとめて連携します。

一方で、Copilotを使うにはMicrosoft 365の有料契約が必要です。ChatGPT for PowerPointは、ChatGPTのアカウントさえあれば、後から無料で追加できます。

ちなみに、CopilotもChatGPTも、中身は同じOpenAIのモデルを使っています。スライドの質そのものより、「どう使えるか」が選ぶときのポイントになります。

Gammaやイルシルとの違い:PowerPointをそのまま使える

GammaやイルシルといったAIスライドツールは、おもにWeb上で動きます。

これらは見た目のととのったスライドを得意としますが、PowerPointファイルとして使うには書き出し(エクスポート)の手間がかかります。

ChatGPT for PowerPointの強みは、いつも使っているPowerPointを、そのまま使い続けられる点にあります。提出形式がPowerPoint指定の職場では、この差が効いてきます。

日本のユーザー・企業にどう関係する?

この新機能は、日本のユーザーにとっても関係の深いニュースです。

ChatGPT for PowerPointは、Microsoftのアドイン配布サイトで日本語のページが用意されています。つまり、日本からでも利用できます。

日本語で使うときのコツ

日本語のスライドを作りたいときは、指示文の中で「日本語で作成して」とはっきり伝えるのがコツです。

また、日本語が読みやすいフォントをPowerPoint側で選んでおくと、仕上がりがきれいになります。

「パワポ文化」の日本企業に効く

日本の企業では、社内の報告や提案にPowerPointを使う場面がとても多いです。

ある営業担当者の1日を考えてみます。午前は顧客への提案資料、午後は上司への進捗報告と、何枚もスライドを作ります。この下準備をAIに任せられれば、空いた時間を顧客との対話に回せます。

新入社員の研修資料づくりや、毎週くり返す定例会議の資料更新など、定型作業との相性も良さそうです。

たとえば、議事録のテキストを読み込ませて「報告用スライド5枚に」と頼めば、ゼロから組む手間が大きく減ります。

国産ツールとの使い分け

日本には「イルシル」のような国産のスライド生成AIもあります。日本語テンプレートの豊富さが魅力です。

使い慣れたPowerPointをそのまま使いたいならChatGPT for PowerPoint、デザインのととのったテンプレートから選びたいなら国産ツール、という使い分けが現実的でしょう。

使う前に知っておきたい注意点

便利な機能ですが、気をつけたい点もあります。

曖昧な指示は内容を消すことがある

OpenAI自身も、AIが間違える可能性を認めています。指示が曖昧だと、必要なスライドの内容を勝手に書き換えたり、消したりすることがあります。

これを防ぐため、大きな変更の前には「本当に実行しますか?」という確認メッセージが出ます。

それでも、大事なファイルは作業前にコピーを取っておくと安心です。

まだできないこともある

ベータ版のため、対応していない機能もあります。

  • こまかい書式の設定
  • テンプレートの管理
  • フォントの細かい指定

こうした仕上げの作業は、今のところ自分の手で行う必要があります。

機密情報の扱いに注意

会社の資料には、社外に出せない情報が含まれることもあります。

AIに読み込ませる前に、自社のルールや管理者の設定を確認しておくことが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q. 無料で使えますか?

A. アドインの追加自体は無料です。ChatGPTの無料プランでも利用できますが、使える機能や回数はプランによって変わります。たくさん使う場合は、有料プランが向いています。

Q. Macでも使えますか?

A. PowerPointのアドインとして動くため、アドインに対応したバージョンのPowerPointであれば利用できる見込みです。ベータ版のため、最新の対応状況は公式の案内を確認してください。

Q. 作ったスライドはあとから編集できますか?

A. はい。生成されたスライドは、ふつうのPowerPointファイルです。文字や図、レイアウトを自由に直せます。

Q. Copilotとどちらを使えばいいですか?

A. Microsoft 365を会社全体で使っているならCopilotが便利です。すでにChatGPTを使っていて、PowerPointだけAIで効率化したいなら、ChatGPT for PowerPointが手軽です。

Q. 日本語のスライドもきれいに作れますか?

A. 作れます。指示文で「日本語で作成」と伝え、読みやすい日本語フォントを選んでおくと、仕上がりが安定します。

まとめ

ChatGPT for PowerPointのポイントを振り返ります。

  • PowerPointの中で直接ChatGPTを使える、新しいアドイン
  • 2026年5月21日にOpenAIが発表、現在はベータ版
  • スライドの新規作成・編集・構成チェック・資料の作り変えができる
  • Microsoft Storeから無料で追加でき、ChatGPTの契約があれば使える
  • 曖昧な指示で内容が消えることがあるため、大事なファイルはコピーを取っておく

まずは練習用のファイルで、かんたんな指示から試してみるのがおすすめです。

参考文献

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