- ChatGPT for PowerPointは、PowerPointの画面内で直接スライドを作れる新しいアドインです
- 2026年5月21日にOpenAIが発表し、現在はベータ版として公開されています
- 話しかけるように指示するだけで、スライドの新規作成・編集・構成チェックができます
- Microsoft Storeから無料で追加でき、ChatGPTの契約があればすぐ使えます
- 曖昧な指示だと内容を消してしまうリスクもあり、使い方には少し注意が必要です
プレゼン資料づくりに、毎回何時間もかけていませんか?OpenAIが発表した「ChatGPT for PowerPoint」を使えば、PowerPointを開いたまま、話しかけるだけでスライドが形になります。この記事では、新機能でできること、使い方、料金、そして使う前に知っておきたい注意点まで、やさしく解説します。
ChatGPT for PowerPointとは?
ChatGPT for PowerPointは、Microsoftのプレゼンソフト「PowerPoint」の中で、ChatGPTを直接使えるようにする新しい機能です。
OpenAIが2026年5月21日に、自社のXアカウントで発表しました。翌22日には、国内外のメディアが一斉にこのニュースを報じています。
現在はベータ版です。ベータ版とは、正式公開の前に多くの人へ試してもらう「お試し段階」のことを指します。
これまでとの違い
これまでも、ChatGPTにプレゼンの案を考えてもらうことはできました。
ただし、その内容をコピーして、自分でPowerPointに貼り付ける手間がありました。アプリを行ったり来たりする、二度手間だったのです。
今回の新機能では、ChatGPTがPowerPointの「アドイン」として動きます。アドインとは、ソフトに後から追加できる小さな拡張プログラムのことです。
PowerPointの画面の右側に、チャット欄が表示されます。そこに指示を書くだけで、スライドが目の前で組み上がっていきます。
ChatGPT for PowerPointで何ができる?
この機能でできることは、大きく4つあります。順番に見ていきます。
1. ゼロからスライドを作る
「新商品の提案資料を10枚で作って」のように指示すると、ChatGPTが構成を考えてスライドを生成します。
作られたスライドは、ふつうのPowerPointファイルとして編集できます。文字や図を、あとから自由に直せます。
2. すでにある資料を直す
新規作成だけではありません。手元にある既存のスライドを編集することもできます。
「3枚目の文章をもっと短くして」「全体の言い回しをやわらかくして」といった指示が通ります。
3. プレゼンの「弱点」を教えてくれる
これが特にユニークな機能です。ChatGPTがプレゼン全体の流れを読み取り、論理が弱い部分を指摘してくれます。
「この資料は結局なにを伝えたいのか」「役員からどんな質問が飛んできそうか」も予測してくれます。発表前の最終チェック役として頼れる存在です。
4. メールや文書から資料を作る
ChatGPT for PowerPointは、GmailやOutlook、SharePointと連携できます。
メモ、文書、表計算データ、画像、既存の資料を読み込ませて、整理されたスライドへ作り変えることも可能です。
つまり、バラバラの情報をかき集めて1枚ずつスライドにしていた作業を、まとめてお願いできるようになります。
使い方と料金|どうやって始める?
インストールの手順
使い始めるのは、かんたんです。PowerPointの「アドイン」または「ストア」から追加します。
- PowerPointを開き、上部メニューからアドインのストアを選ぶ
- 検索窓に「ChatGPT」と入力する
- 「ChatGPT for PowerPoint」を見つけて追加する
- 画面右側に表示されるチャット欄から、ChatGPTにログインする
追加が終わると、チャット欄に指示を書くだけで使えるようになります。特別な設定はほとんど必要ありません。
料金はかかる?
アドイン自体は追加料金なしで使えます。Microsoft Storeから無料で追加できます。
必要なのは、ChatGPTのアカウントだけです。対応プランはとても幅広く、無料プランから法人向けまで、ほぼすべてが対象になっています。
具体的には、Free、Go、Plus、Pro、Business、Enterprise、教育向けプランなどが含まれます。
ただし、注意点があります。使える機能や回数は、契約プランや会社の管理者設定によって変わります。無料プランでは、使える範囲がかぎられる場合もあります。
CopilotやGammaと何が違う?
AIでスライドを作るツールは、ほかにもあります。代表的なものと比べてみます。
| ツール | 特徴 | 料金の目安 |
|---|---|---|
| ChatGPT for PowerPoint | PowerPointの中で直接動く。使い慣れたファイルをそのまま使える | アドインは無料(ChatGPT契約は別途) |
| Microsoft Copilot | Office製品全体に統合。WordやExcelとも連携できる | Microsoft 365の有料契約が必要 |
| Gamma | 海外製のWebツール。デザイン性が高い | 無料プランあり・有料は月額制 |
| イルシル | 日本製。日本語テンプレートが3,000種類以上 | 無料プランあり・有料は月額制 |
Microsoft Copilotとの違い
Microsoftにも、PowerPointに組み込まれた「Copilot」というAIがあります。
Copilotは、最初からOffice製品に深く組み込まれている点が強みです。WordやExcel、Outlookとまとめて連携します。
一方で、Copilotを使うにはMicrosoft 365の有料契約が必要です。ChatGPT for PowerPointは、ChatGPTのアカウントさえあれば、後から無料で追加できます。
ちなみに、CopilotもChatGPTも、中身は同じOpenAIのモデルを使っています。スライドの質そのものより、「どう使えるか」が選ぶときのポイントになります。
Gammaやイルシルとの違い:PowerPointをそのまま使える
GammaやイルシルといったAIスライドツールは、おもにWeb上で動きます。
これらは見た目のととのったスライドを得意としますが、PowerPointファイルとして使うには書き出し(エクスポート)の手間がかかります。
ChatGPT for PowerPointの強みは、いつも使っているPowerPointを、そのまま使い続けられる点にあります。提出形式がPowerPoint指定の職場では、この差が効いてきます。
日本のユーザー・企業にどう関係する?
この新機能は、日本のユーザーにとっても関係の深いニュースです。
ChatGPT for PowerPointは、Microsoftのアドイン配布サイトで日本語のページが用意されています。つまり、日本からでも利用できます。
日本語で使うときのコツ
日本語のスライドを作りたいときは、指示文の中で「日本語で作成して」とはっきり伝えるのがコツです。
また、日本語が読みやすいフォントをPowerPoint側で選んでおくと、仕上がりがきれいになります。
「パワポ文化」の日本企業に効く
日本の企業では、社内の報告や提案にPowerPointを使う場面がとても多いです。
ある営業担当者の1日を考えてみます。午前は顧客への提案資料、午後は上司への進捗報告と、何枚もスライドを作ります。この下準備をAIに任せられれば、空いた時間を顧客との対話に回せます。
新入社員の研修資料づくりや、毎週くり返す定例会議の資料更新など、定型作業との相性も良さそうです。
たとえば、議事録のテキストを読み込ませて「報告用スライド5枚に」と頼めば、ゼロから組む手間が大きく減ります。
国産ツールとの使い分け
日本には「イルシル」のような国産のスライド生成AIもあります。日本語テンプレートの豊富さが魅力です。
使い慣れたPowerPointをそのまま使いたいならChatGPT for PowerPoint、デザインのととのったテンプレートから選びたいなら国産ツール、という使い分けが現実的でしょう。
使う前に知っておきたい注意点
便利な機能ですが、気をつけたい点もあります。
曖昧な指示は内容を消すことがある
OpenAI自身も、AIが間違える可能性を認めています。指示が曖昧だと、必要なスライドの内容を勝手に書き換えたり、消したりすることがあります。
これを防ぐため、大きな変更の前には「本当に実行しますか?」という確認メッセージが出ます。
それでも、大事なファイルは作業前にコピーを取っておくと安心です。
まだできないこともある
ベータ版のため、対応していない機能もあります。
- こまかい書式の設定
- テンプレートの管理
- フォントの細かい指定
こうした仕上げの作業は、今のところ自分の手で行う必要があります。
機密情報の扱いに注意
会社の資料には、社外に出せない情報が含まれることもあります。
AIに読み込ませる前に、自社のルールや管理者の設定を確認しておくことが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q. 無料で使えますか?
A. アドインの追加自体は無料です。ChatGPTの無料プランでも利用できますが、使える機能や回数はプランによって変わります。たくさん使う場合は、有料プランが向いています。
Q. Macでも使えますか?
A. PowerPointのアドインとして動くため、アドインに対応したバージョンのPowerPointであれば利用できる見込みです。ベータ版のため、最新の対応状況は公式の案内を確認してください。
Q. 作ったスライドはあとから編集できますか?
A. はい。生成されたスライドは、ふつうのPowerPointファイルです。文字や図、レイアウトを自由に直せます。
Q. Copilotとどちらを使えばいいですか?
A. Microsoft 365を会社全体で使っているならCopilotが便利です。すでにChatGPTを使っていて、PowerPointだけAIで効率化したいなら、ChatGPT for PowerPointが手軽です。
Q. 日本語のスライドもきれいに作れますか?
A. 作れます。指示文で「日本語で作成」と伝え、読みやすい日本語フォントを選んでおくと、仕上がりが安定します。
まとめ
ChatGPT for PowerPointのポイントを振り返ります。
- PowerPointの中で直接ChatGPTを使える、新しいアドイン
- 2026年5月21日にOpenAIが発表、現在はベータ版
- スライドの新規作成・編集・構成チェック・資料の作り変えができる
- Microsoft Storeから無料で追加でき、ChatGPTの契約があれば使える
- 曖昧な指示で内容が消えることがあるため、大事なファイルはコピーを取っておく
まずは練習用のファイルで、かんたんな指示から試してみるのがおすすめです。
参考文献
- GIGAZINE「ChatGPTがPowerPointを直接操作してスライドを作成・編集できる『ChatGPT for PowerPoint』が登場」
- Engadget「You can now add ChatGPT to PowerPoint」
- Dataconomy「OpenAI Brings ChatGPT Directly Into Microsoft PowerPoint」
- TechBriefly「ChatGPT launches in PowerPoint for slide creation and editing」
- Microsoft AppSource「ChatGPT for PowerPoint」

