無料で写真の不要物を消すAI「Erase」登場|使い方は?

伊東雄歩
監修者 伊東 雄歩

株式会社ウォーカー CEO。東北大学卒。MENSA会員、JDLA認定講師、健全AI教育協会理事。生成AI×教育・学習科学を専門とし、2億円超のシステム開発プロジェクトを統括。

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  • Black Forest Labsが画像から不要物を消すAI「Erase」を公開した
  • 無料デモ「flux-tools.bfl.ai/erase」で誰でも登録なしで試せる
  • 消したい部分を塗るだけで、物・影・反射までまとめて消える
  • 「消す」と「描き直す」を1つのAIモデルで処理する新しい仕組み
  • 日本でおなじみの「消しゴムマジック」より自然な仕上がりが期待できる

旅行で撮った写真に、知らない人が大きく写り込んでいた。そんな経験はありませんか?画像から不要なものを消すAI「Erase」が登場しました。無料で試せて、操作は消したい部分を塗るだけです。この記事では使い方と仕組み、他のツールとの違いまで、やさしく解説します。

「Erase」とは?FLUX開発元が公開した不要物消去AI

2026年5月21日、AI企業のBlack Forest Labs(ブラックフォレストラボ)が新しいツール「Erase(イレース)」を発表しました。

Eraseは、写真の中のいらないものを消すAIです。

人物や物だけでなく、看板の文字、さらには影や水面の反射まで消せます。

消したあとは、AIが背景を自然に描き直してくれます。つまり、最初からそこに何もなかったような写真に仕上がります。

テックメディアのGIGAZINEは、5月22日にこのニュースを報じました。

Black Forest Labsは、画像生成AI「FLUX(フラックス)」を作った会社として知られています。そのFLUXの技術を「消す」ことに特化させたのがEraseです。

何が消せるの?

公式の説明によると、Eraseは次のようなものを消せます。

  • 写真に写り込んだ知らない人
  • 風景写真の電線や電柱
  • 商品写真の背景にある散らかった物
  • 看板やロゴなどの文字
  • 物の影や、水面・ガラスへの反射

Eraseの使い方|無料デモを3ステップで試す

Eraseのうれしいポイントは、無料のデモアプリが公開されていることです。

アプリのURLは「flux-tools.bfl.ai/erase」です。アカウント登録なしで、ブラウザからすぐに使えます。

3ステップで完成

  1. 消したいものが写った画像をドラッグ&ドロップする
  2. 消したい部分を、指でなぞるように塗りつぶす
  3. 「ERASE」ボタンを押す

処理が終わると、消す前と後をスライダーで見比べられます。気に入ったら、PNG形式でダウンロードできます。

こんな場面で役に立つ

具体的な場面を想像してみましょう。

たとえば、京都で撮った紅葉の写真。せっかくの一枚に、知らない観光客が大きく写り込んでいます。Eraseなら、その人を塗って消すだけで、紅葉だけのきれいな写真になります。

フリマアプリに服を出品したい人も使えます。商品の後ろに散らかった部屋が写っていると、生活感が出て売れにくくなります。背景の不要な物を消せば、すっきりした商品写真に変わります。

料理をSNSに載せるときも便利です。テーブルの端に置いたリモコンや郵便物。これらを消せば、料理だけが主役の一枚になります。

Eraseの技術的なすごさ|「消して再構成」を1つのAIで

Eraseのすごさは、見た目だけではありません。AIの仕組みそのものが新しいのです。

これまでの不要物消去AIは、2つの作業を別々に行うことが多くありました。

1つ目は「いらないものを消す」作業。2つ目は「消したあとの空白を埋める」作業です。

この方式だと、つなぎ目が不自然になったり、変な模様が生まれたりしがちでした。

Eraseは違います。「消す」と「描き直す」を1つのAIモデルで同時に学習しています。

Black Forest Labsは「クリーンで一貫性のある結果が得られる」と説明しています。消した部分とまわりの景色が、ちぐはぐにならないということです。

しかもEraseは、消したい物の影や反射も一緒に処理します。人を消したのに足元の影だけ残る、という失敗が起きにくいのです。

消しゴムマジックや他ツールとの違いは?

「写真から物を消すAI」は、実はEraseが初めてではありません。

日本でも「消しゴムマジック」という名前で広く使われています。では、Eraseは何が違うのでしょうか。

主な不要物消去ツールの比較

  • Google 消しゴムマジック:Googleフォトの機能。ワンクリックで手軽ですが、大きな物の消去は苦手で、細かい調整がしにくいです。
  • Adobe Photoshop(生成塗りつぶし):プロ向けで、仕上がりは最高クラスです。ただし有料で、操作も本格的です。
  • Cleanup.pictures:無料で使えますが、無料版は720pまでの解像度に制限されます。
  • Black Forest Labs「Erase」:無料デモで高品質を試せます。影や反射までまとめて消せるのが強みです。

Eraseの強みは、無料で高い品質を体験できる点です。

多くのツールは、高画質や追加機能を使うのにお金がかかります。Eraseはデモの段階から、影や反射という難しい処理に対応しています。

ただし注意点もあります。Eraseの料金やデモの利用回数の制限は、現時点で公表されていません。

本格的に使いたい企業は、API(プログラムから呼び出す仕組み)経由での利用になります。

開発元Black Forest Labsはどんな会社?

Eraseを作ったBlack Forest Labsは、ドイツのAIスタートアップです。

創業メンバーには、有名な画像生成AI「Stable Diffusion」を作った技術者がいます。

2024年8月に、ステルスモード(非公開の開発期間)から表に出てきました。

この会社は、お金の集め方でも注目されています。

2024年の最初の資金調達では、約48億円(3100万ドル)を集めました。

さらに2025年12月には、約460億円(3億ドル)を追加で調達しています。

このときの企業価値は、約5000億円(32.5億ドル)と評価されました。

短い期間でこれだけの資金と評価を得たのは、画像AIの分野で大きく期待されている証拠です。Eraseは、その期待にこたえる新しい一手と言えます。

日本のユーザーにとってどう関係する?

Eraseは海外のサービスですが、日本のユーザーにも関係があります。

デモアプリはブラウザで動くため、日本からでもそのまま使えます。操作は画像を塗るだけなので、英語の画面でも迷いません。

日本では「消しゴムマジック」がすでに身近な機能です。

GoogleのPixelスマホをきっかけに、写真から物を消す加工は当たり前になりました。Eraseの登場で、その選択肢がさらに増えることになります。

仕事で使う人にもメリットがあります。

ネットショップを運営する人は、商品写真をきれいに整えられます。不動産や旅行の会社は、風景写真から電線や人を消して、魅力的に見せられます。

一方で、注意したいこともあります。

写真から物を消す技術は、事実を変えてしまう力も持っています。報道写真や証拠写真など、加工してはいけない場面では使わないことが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q1. Eraseは本当に無料で使えますか?

無料のデモアプリが公開されています。ブラウザから登録なしで試せます。ただし、利用回数の制限や有料プランの詳細は、現時点で公表されていません。

Q2. スマホからでも使えますか?

デモアプリはブラウザで動くため、スマホのブラウザからもアクセスできます。画像をアップロードして塗る操作は、スマホでも基本的に同じです。

Q3. 消しゴムマジックとどちらが高品質ですか?

Eraseは「消す」と「描き直す」を1つのAIで学習しており、影や反射まで自然に処理できるのが強みです。仕上がりは画像によって変わるため、無料デモで見比べるのがおすすめです。

Q4. 消した写真を仕事で使ってもいいですか?

商品写真や宣伝用の画像なら問題になりにくいです。ただし、報道や証拠など事実を正確に伝えるべき写真の加工は避けるべきです。商用利用の細かい条件は、公式情報の確認が必要です。

Q5. 日本語に対応していますか?

デモアプリの画面は英語が中心です。ただし操作は画像を塗るだけなので、英語が苦手でも直感的に使えます。

まとめ

写真から不要物を消すAI「Erase」について見てきました。最後に要点を振り返ります。

  • Black Forest Labsが2026年5月、不要物消去AI「Erase」を公開した
  • 無料デモ「flux-tools.bfl.ai/erase」で誰でも登録なしで試せる
  • 消したい部分を塗るだけで、物・影・反射までまとめて消える
  • 「消す」と「描き直す」を1つのAIで行う新しい仕組み
  • 日本からも利用でき、商品写真や風景写真の加工に役立つ

まずは手元の写真を1枚、無料デモにアップロードして、その消去のなめらかさを自分の目で確かめてみてください。

参考文献

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