- OpenAIが上場に向けた申請書類を「極秘」で当局に提出したことがわかりました
- 会社の値段は約137兆円(8520億ドル)で、上場すれば米国史上でも5本の指に入る規模です
- 上場時期は「2026年9月」観測から「2027年に延期か」へと揺れています
- ライバルのAnthropicも同時期に上場準備を進め、AI企業の上場レースが始まりました
- 日本のソフトバンクグループが約13%の株を持ち、値上がり益は7兆円規模とされます
ChatGPTを作ったOpenAIが、ついに株式市場に上場する準備を始めました。しかもその値段は約137兆円。トヨタ自動車の時価総額を大きく上回る金額です。「上場っていつ?」「日本にも関係あるの?」という疑問に、この記事でわかりやすくお答えします。
OpenAIが「極秘」でIPOを申請したって本当?
2026年6月、OpenAIがアメリカの証券取引委員会(SEC=日本の証券取引等監視委員会にあたる役所)に、上場のための書類を提出したと報じられました。
これはIPO(新規株式公開)と呼ばれる手続きです。会社の株を一般の投資家が買えるようにすることを指します。
今回のポイントは、書類の中身が「極秘」で出された点です。
アメリカには、一定規模までは申請内容を非公開にできる制度があります。ライバルに手の内を見せずに、上場の準備だけ進められるのです。
この上場を手伝う証券会社は、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーという世界最大級の顔ぶれ。それだけ大きな案件だという証拠です。
評価額137兆円は何がすごいの?
OpenAIの会社としての値段(評価額)は、直近で約8520億ドル(約137兆円)とされています。
これは2026年3月に完了した、約1220億ドル(約19兆円)の資金調達で決まった金額です。
どのくらいすごいのか、身近な数字と比べてみましょう。
- 日本を代表するトヨタ自動車の時価総額(約40兆円台)の、3倍以上
- もし上場すれば、アメリカの歴史上でも「5本の指に入る大型上場」になる見込み
- 専門家の中には「初日に時価総額1兆ドル(約161兆円)を超える」と予想する人もいます
売上も急成長しています。OpenAIは毎月およそ20億ドル(約3200億円)を売り上げていると報じられました。年間に直すと数兆円規模です。
しかも売上の40%以上が、個人ではなく企業向け。ビジネスの土台がしっかりしてきた証拠と言えます。
上場は2026年9月?それとも2027年に延期?
ここが今いちばん揺れているところです。
当初は「早ければ2026年9月に上場」という観測が流れていました。ところが2026年6月、ニューヨーク・タイムズが「上場を2027年に延ばすことを検討している」と報じたのです。
理由は主に2つあります。
1つ目は、株式市場の空気が不安定なこと。同じく巨大企業のSpaceXが上場したあと、株価が202ドルから153ドルへ下がりました。投資家がAI企業の稼ぐ力に厳しい目を向け始めたのです。
2つ目は、OpenAI自身の赤字です。2025年の売上は約130億ドルでしたが、純損失は約210億ドル(約3.4兆円)にのぼります。2030年までにコンピューター設備などへ約6000億ドルを使う計画もあり、お金の出ていく勢いが激しいのです。
ただし、アルトマンCEOは強気です。「1兆ドルより低い評価額で上場するのは論外だ」と述べたと伝えられています。
つまり「安売りするくらいなら待つ」という姿勢。上場の時期は、この綱引きしだいで動きそうです。
ライバルAnthropicとの上場レースが始まった
実は上場を狙っているのはOpenAIだけではありません。
ChatGPTの最大のライバル、Anthropic(アンソロピック)も動いています。Anthropicは対話AI「Claude(クロード)」を作る会社です。
2026年6月1日、AnthropicはOpenAIより一足早く、上場の書類をSECに提出しました。2社の状況を並べてみましょう。
- 評価額:Anthropic 約9650億ドル / OpenAI 約8520億ドル
- 年間の売上ペース:Anthropic 約300億ドル / OpenAI 約250億ドル
- 上場先と時期:Anthropicは10月ごろのナスダック上場を目標
意外なことに、評価額ではAnthropicのほうが少し上をいっています。急成長のスピードも速いと報じられています。
2大AI企業が、同じ2026年後半に相次いで上場を狙う。これはウォール街にとっても歴史的な出来事です。どちらが先に、いくらで上場するのか。世界中が注目しています。
日本のソフトバンクにはどんな影響がある?
「アメリカの話でしょ?」と思うかもしれません。でも、日本には大きな当事者がいます。ソフトバンクグループです。
ソフトバンクはOpenAIに巨額を投じてきました。累計の出資額は約646億ドル(約10兆円)にのぼり、株の約13%を保有する見通しです。
評価額が8520億ドルまで上がったことで、ソフトバンクの含み益(まだ売っていないが出ている利益)は約450億ドル(約7兆円)になるとされます。投資額に対して129%のリターンという計算です。
ただし、話はうまい方向ばかりではありません。
OpenAIの上場延期観測が流れると、ソフトバンクの株価は1株6000円の節目を割り込んで急落しました。OpenAIの浮き沈みが、そのまま日本の株価に響いているのです。
ある個人投資家の視点で考えてみましょう。ソフトバンク株を持っている人にとって、OpenAIの上場は「保有株が値上がりするかもしれない大イベント」。だからこそ、遠いアメリカのニュースを毎朝チェックする人も増えています。
そもそもIPOって私たちに関係あるの?
「上場されても、自分には関係ない」と感じる方もいるでしょう。でも、意外と身近な話です。
まず、上場するとOpenAIの経営情報が公開されます。売上や利益がガラス張りになり、ChatGPTがどれだけ稼いでいるかが誰でも見られるようになります。
次に、上場でOpenAIに大量の資金が入れば、ChatGPTの機能強化や値下げにつながる可能性があります。私たちが使うサービスの進化に、直接つながるわけです。
さらに、日本の証券会社を通じて、いずれOpenAI株を買える日が来るかもしれません。応援している企業の株を持つ、という選択肢が増えるのです。
よくある質問(FAQ)
Q1. OpenAIの株はいつ買えるようになりますか?
正式な上場日はまだ決まっていません。2026年9月説と2027年延期説があり、状況しだいで変わります。上場後は証券会社を通じて売買できるようになる見込みです。
Q2. 「極秘で申請」とは、あやしい意味ですか?
いいえ。アメリカの正式な制度で、一定規模までは申請内容を非公開にできます。準備段階でライバルに情報を見せないための、ごく普通の手続きです。
Q3. 評価額137兆円は本当に妥当なのですか?
賛否があります。売上は急成長中ですが、年間で約3.4兆円もの赤字を出しているのも事実です。「高すぎる」という声と「将来性を考えれば安い」という声が対立しています。
Q4. OpenAIとAnthropic、どちらが先に上場しますか?
書類の提出はAnthropicが数日早く、上場目標も10月ごろとされます。ただし両社とも時期は流動的で、今後入れ替わる可能性もあります。
Q5. 日本人でもOpenAI株は買えますか?
上場すれば、米国株を扱う日本の証券会社を通じて買える可能性が高いです。ただし為替や手数料には注意が必要です。
まとめ
今回のポイントを振り返ります。
- OpenAIが上場のための書類を「極秘」でSECに提出した
- 会社の値段は約137兆円で、米国史上でも屈指の大型上場になる見込み
- 上場時期は「2026年9月」から「2027年延期か」へと揺れている
- ライバルAnthropicも同時期に上場を狙い、AI企業の上場レースが本格化
- 日本のソフトバンクは約13%を保有し、値上がり益も株価下落リスクも抱える
まずはニュースで「OpenAIの上場がいつ・いくらで決まるか」を追いかけてみてください。AI業界の未来を占う、大きな分かれ道になりそうです。
参考文献
- CNBC「OpenAI confidentially files for IPO, prepping Wall Street for mega AI debut」
- Fortune「A $7 billion horse race: Goldman Sachs and Morgan Stanley battle to lead OpenAI and Anthropic IPOs」
- 日本経済新聞「OpenAI、上場時期『年内から27年に延期検討』米紙報道」
- Fortune「Anthropic confidentially files for IPO at a $965 billion valuation」
- 日本経済新聞「ソフトバンクG、OpenAIに1.6兆円払い込み 追加出資第2弾」

