- OpenAIが2026年6月25日に公開した報告書で、社員の約98%がAIエージェント「Codex」を使っていることが判明
- 社内のエンジニアの利用は2025年8月から4倍、非エンジニアはなんと12倍に急増
- 法務・財務・採用などの部門が、エンジニアより後発なのに今では多数派に
- すべて自己申告データで、第三者の検証がないという批判もある
- 日本企業が「成果を出せていない」と言われる中、OpenAIの使い方から学べることを整理
「AIは結局、エンジニアの道具でしょ?」そう思っていませんか。ところがAIを作っている当のOpenAIでは、法務や経理の担当者までAIエージェントを毎日使っているそうです。社員の98%が使う「Codex(コーデックス)」とは何か、私たちの働き方に何を示すのか、やさしく解説します。
OpenAIが公開した「衝撃の社内データ」
2026年6月25日、OpenAIが1本の報告書を公開しました。
タイトルは「The Shift to Agentic AI(エージェント型AIへの移行)」です。
この中で最も注目されたのが、OpenAI社員の約98%がCodexを使っているという数字です。
2025年8月の時点では、使っていた社員はわずか10%ほどでした。
それが1年もたたずに、ほぼ全員が使う「当たり前の道具」になったのです。
Codex(コーデックス)ってそもそも何?
Codexは、OpenAIが作っているAIエージェントです。
AIエージェント(人の代わりに作業を進めてくれるAI)と考えてください。
もともとはプログラムを書くための道具でした。
でも今は、パソコンを自動で操作したり、資料を作ったりもできます。
つまり、ただ質問に答えるだけでなく、実際の仕事を肩代わりしてくれるのが特徴です。
非エンジニアの利用が「12倍」に急増
今回の報告書で本当に面白いのは、エンジニア以外の伸びです。
OpenAI社内では、2025年8月とくらべて利用がこう増えました。
- エンジニア:4倍
- 非エンジニア:12倍
エンジニアより、それ以外の人たちの伸びが大きいのです。
社外のデータはもっと極端です。
個人ユーザーの非エンジニアは137倍、企業ユーザーは189倍に増えました。
経理も法務も「AIが主役」の部門に
部門ごとに見ると、利用率の高さがよくわかります。
- エンジニアリング:99%
- 財務(経理):91%
- 採用:89%
- 法務:88%
法務・財務・採用の3部門は、2026年4月ごろに「過半数が使う」ラインを超えました。
エンジニアより導入は遅かったのに、あとから一気に追いついたのです。
今では弁護士や採用担当者が出すAIの成果の85%以上が、Codex経由だといいます。
具体的にどんな仕事に使っている?
「エンジニアじゃないのに、何に使うの?」と思いますよね。
身近な場面を3つ想像してみてください。
ある経理担当者は、毎月末に数百件の数字をまとめて報告書を作っていました。
今はCodexに頼めば、データの集計から文章作成まで一気に進みます。
採用担当者は、応募者の情報を整理して比較表を作る作業を任せています。
マーケティング担当者は、広告の文案を何パターンも一度に作らせています。
報告書によると、知識労働者がCodexで作る成果物の72%が、レポートや契約書、資料などの「アウトプット」だそうです。
「30分以上の仕事」を任せる人が8割
2026年5月の調査では、ある数字が出ています。
個人ユーザーの80.6%が、人間なら30分以上かかる作業をCodexに1回は頼んでいました。
ちょっとした質問ではなく、本格的な仕事を任せ始めているということです。
ライバルと比べてどう違う? Codex vs Claude Code
AIエージェントはOpenAIだけのものではありません。
最大のライバルが、Anthropic(アンスロピック)の「Claude Code(クロードコード)」です。
2026年のAIエージェント競争は、この2つの戦いと言われています。
- Codex:素早く試して、後から直す「スピード重視」型
- Claude Code:時間をかけて正確に仕上げる「丁寧さ重視」型
どちらが良いというより、性格の違いです。
ちなみに企業の初めてのAI支出では、Anthropicが73%以上を占めたという調査もあります。
OpenAIは利用者数、Anthropicは企業の支持と、それぞれ強みが分かれています。
「6つの業務プラグイン」で誰でも使える形に
OpenAIは2026年6月2日に、Codexを誰でも使いやすくする発表をしました。
営業やデータ分析など、6つの職種向けプラグイン(追加機能)を用意したのです。
これらは62種類のビジネスアプリとつながり、110の作業を最初から自動でこなせます。
専門知識がなくても、チャットに話しかけるだけで業務を進められる狙いです。
この数字、うのみにして大丈夫?
とても景気のいい話ですが、冷静な見方も必要です。
最大の注意点は、すべてOpenAI自身が出した自己申告データだということです。
OpenAIはCodexを売る会社です。
つまり「よく使われている」と見せたい動機があります。
独立した第三者による検証は、まだ行われていません。
「使った量」と「成果」は別物
専門家が指摘するのは、もう1つ大事な点です。
今回の数字は「どれだけ使ったか」を示すだけです。
「それで本当に成果が上がったか」までは示していません。
たくさん使っても、仕事の質や完成スピードが上がらなければ意味がありません。
大事なのは入力量ではなく、生み出された価値だ、というわけです。
日本企業への影響と学べること
この話は、日本で働く私たちにも関係します。
PwCの6カ国比較では、日本企業は生成AIで「成果を出せている」割合が最下位でした。
全社で生成AIを活用できている日本企業は、わずか29.7%という調査もあります。
道具はあるのに、使いこなせていないのが現状です。
OpenAIの事例が示すヒントは、シンプルです。
エンジニア以外の部門こそ、AIで大きく変わる余地があるということです。
経理や法務、採用といった「定型の事務作業」が多い部門ほど、効果が出やすいのです。
Codex自体は日本からも利用できますが、まずは自社の地道な作業から試すのが現実的です。
よくある質問(FAQ)
Q1. Codexは無料で使えますか?
基本的にはChatGPTの有料プランなどを通じて使う形です。本格的な業務利用には企業向けの契約が必要になります。
Q2. プログラミングを知らなくても使えますか?
はい。6つの業務プラグインのように、チャットで話しかけるだけで使える形が広がっています。非エンジニアの利用が急増しているのがその証拠です。
Q3. 98%という数字は信じていいですか?
OpenAIの自己申告データなので、参考程度に見るのが安全です。第三者の検証はまだありません。
Q4. 日本語の業務にも使えますか?
Codexは日本語にも対応しています。ただし社内データとの連携など、本格導入には準備が必要です。
Q5. ライバルのClaude Codeとどちらがいいですか?
スピード重視ならCodex、正確さ重視ならClaude Codeと言われます。用途によって選ぶのがおすすめです。
まとめ
今回のポイントを振り返ります。
- OpenAI社員の約98%がAIエージェント「Codex」を使用(2025年8月は約10%)
- 社内の非エンジニア利用は12倍、社外では137倍に急増
- 法務・財務・採用など事務系部門が後発から多数派に
- すべて自己申告データで、成果の検証はこれから
- 日本企業も「事務系部門×AI」に大きな伸びしろがある
まずは身近な定型作業を1つ選び、AIに任せられないか試してみましょう。

