- GLM-5.2は、中国のZ.aiが2026年6月に公開した最新AIです。プログラム作成(コーディング)がとても得意です。
- 一部のテストでGPT-5.5を上回り、最強クラスのClaude Opus 4.8とほぼ互角の成績を出しました。
- 使う料金は、GPT-5.5のおよそ6分の1。定額プランは月12.6ドル(約1,900円)からです。
- 「オープンウェイト」なので、AIの中身を無料でダウンロードして、自分のパソコンでも動かせます。
- 100万トークンという長い記憶を持ち、大きなプログラムを丸ごと読み込めます。
「高性能なAIは、海外の高い有料サービスしか選べない」とあきらめていませんか?
今、その常識が大きく変わろうとしています。中国発のAI「GLM-5.2」が、世界トップのAIに迫る性能を、なんと約6分の1の値段で出してきました。しかも中身は無料で公開されています。この記事を読めば、その実力と日本での使い方が、やさしくわかります。
GLM-5.2とは?中国発のオープンAIモデル
GLM-5.2(ジーエルエム・ゴーテンニー)は、中国の会社「Z.ai」が作ったAIです。
Z.aiは、もともと「智譜(ちふ)AI」という名前でした。2019年に、中国の名門・清華大学から生まれたチームが立ち上げた会社です。
公開されたのは2026年6月13日です。AIの世界では、ほんの少し前の出来事です。
このAIがとくに得意なのは「コーディング」です。コーディングとは、コンピューターを動かすためのプログラムを書く作業のことです。
GLM-5.2の中身は、とても大きな仕組みでできています。全体で7530億個もの「パラメータ(AIが学んだ知識のつまみ)」を持っています。
ただし、質問のたびに全部を使うわけではありません。必要な部分だけを選んで動かす「MoE(必要な専門家だけ呼ぶ仕組み)」を採用しています。だから、大きいのにムダなく速く動きます。
GPT-5.5やClaudeとの実力を比較
「中国製の安いAIなら、性能はそこそこでしょ?」と思うかもしれません。ところが、その予想は大きく外れます。
コーディングのテストで上位の成績
AIの実力をはかる「ベンチマーク(共通のテスト)」という試験があります。
そのうちの1つ「FrontierSWE」というコーディングの試験では、こんな結果が出ました。
- GLM-5.2:74.4点
- GPT-5.5:72.6点
- Claude Opus 4.8:75.1点
つまり、GLM-5.2はGPT-5.5に勝ちました。そして、最強クラスと言われるClaude Opus 4.8とも、ほぼ並んでいます。
別の試験「SWE-bench Pro」でも、GLM-5.2は62.1点。GPT-5.5の58.6点を上回りました。
「無料で配るAI」の中ではトップ級
AIには、中身を公開する「オープン」なものと、公開しない「クローズド」なものがあります。
GLM-5.2は中身を公開するタイプです。その仲間の中では、世界トップクラスの成績を出しています。
あるランキングでは、コーディング性能で世界2位になり、Claudeの一部のモデルすら上回りました。
一番の衝撃は「価格」だった
性能の高さも驚きですが、もっと注目されているのは料金です。
GLM-5.2をZ.aiのサービス経由で使うと、料金はこうなります。
- 文章を入れる側(入力):100万トークンあたり1.40ドル(約210円)
- 答えが返る側(出力):100万トークンあたり4.40ドル(約660円)
※トークンとは、AIが文章を数える単位です。日本語だと、ざっくり1文字が1〜2トークンくらいです。
この料金は、ライバルと比べると一目でわかります。
GPT-5.5とくらべると、出力の料金はおよそ7分の1。Claude Opus 4.8とくらべても、5分の1ほどの安さです。
全体でならすと、GPT-5.5の「約6分の1の値段」で同じような仕事ができる計算になります。
「毎月決まった額で使いたい」という人向けには、定額プランもあります。月12.6ドル(約1,900円)から始められます。
たとえば、毎日プログラムを書く副業エンジニアを考えてみましょう。これまで月に何万円もAI代を払っていた人が、その作業の多くを月2,000円弱に置きかえられる可能性があります。
ライバルのオープンAIとの違い
中身を公開するAIは、GLM-5.2だけではありません。中国勢を中心に、激しい競争が起きています。
代表的なライバルが、同じ中国の「DeepSeek(ディープシーク)」と「Kimi(キミ)」です。
- GLM-5.2:コーディングの総合力が高く、長文の処理も得意。バランス型。
- DeepSeek V4 Pro:料金がさらに安い。特定のコード試験では全AI中トップの成績を出す場面も。
- Kimi K2.7:考える手数を約3割減らし、効率を高めた新しいモデル。
多くの共通テストでは、GLM-5.2がDeepSeekをリードしています。ただし、DeepSeekは値段の安さが武器です。
つまり、用途やお財布に合わせて選べる時代になった、ということです。少し前まで、これほどの性能は高い海外サービスの独占でした。
日本のユーザーや企業にどう関係する?
「中国のAIなんて、自分には関係ない」と感じる人もいるかもしれません。でも、日本にも関係は大ありです。
GLM-5.2は、すでに日本からでもインターネット経由で使えます。Z.aiにアカウントを作れば、その日から試せます。
とくに大きいのは、開発のコストを下げられる点です。AI代が安くなれば、その分を商品の値下げや新しい挑戦に回せます。
もう1つの利点が「自分のパソコンの中で動かせる」ことです。
GLM-5.2は中身が公開されているので、会社の中だけで動かせます。そうすれば、社外秘の情報を外のサービスに送らずに済みます。情報漏れを心配する日本企業にとっては、安心材料になります。
ある中小企業の開発チームを想像してみてください。お客様の大切なデータは外に出したくない。でもAIの力は借りたい。GLM-5.2なら、その両方を同時にかなえられる可能性があります。
GLM-5.2の使い方(3ステップ)
むずかしそうに見えますが、基本は3つの手順だけです。
- APIキーを発行する:Z.aiに登録し、AIを呼び出すための「合いカギ(APIキー)」をもらいます。
- ツールに設定する:「Claude Code」や「Cline」など、普段使うコーディング道具にGLM-5.2を選びます。
- 考える深さを選ぶ:じっくり考える「Max」か、ほどほどの「High」を選びます。
このように、いつものツールにつなぐだけで使えます。今まで使っていた環境をガラッと変える必要はありません。
もっと本格的に使いたい人は、中身をダウンロードして自分のパソコンで動かす方法もあります。ただし、こちらは高性能なパソコンが必要なので、最初はインターネット経由がおすすめです。
よくある質問(FAQ)
Q. GLM-5.2は完全に無料で使えますか?
中身(モデル)のダウンロードは無料です。ただし、Z.aiのサービス経由で使う場合は、使った分の料金がかかります。安く済むのが特徴です。
Q. 日本語でもちゃんと使えますか?
はい。日本語での指示や会話にも対応しています。プログラム作成だけでなく、文章のやりとりにも使えます。
Q. GPT-5.5やClaudeから乗りかえる価値はありますか?
コストを重視するなら、十分に検討する価値があります。とくにコーディング用途では、性能と値段のバランスが大きな魅力です。
Q. 中国のAIだと、安全性が心配です。
気になる場合は、中身を自分のパソコンで動かす方法があります。これなら、データを外に送らずに使えます。用途に応じて選びましょう。
Q. プログラミングをしない人でも使えますか?
使えます。質問への回答や文章の作成など、ふつうのAIチャットとしても利用できます。
まとめ
GLM-5.2は、AIの「高い・遠い」という常識をくつがえす1台です。最後に要点を振り返ります。
- 中国のZ.aiが2026年6月に公開した、コーディングが得意な最新AI。
- 一部のテストでGPT-5.5に勝ち、Claude Opus 4.8とほぼ互角の実力。
- 料金はGPT-5.5の約6分の1。定額なら月1,900円ほどから。
- 中身が公開されており、自分のパソコンでも動かせるので情報漏れに強い。
- 日本からも今すぐ利用でき、開発コストを下げる選択肢になる。
まずはZ.aiの無料登録で、今のAIとの違いを実際に試してみてはいかがでしょうか。
参考文献
- VentureBeat – Z.ai’s open-weights GLM-5.2 beats GPT-5.5 for 1/6th the cost
- MarkTechPost – Z.ai Launches GLM-5.2 With a Usable 1M-Token Context
- DataCamp – GLM-5.2: Features, Setup, Benchmarks, and Model Switching Guide
- GIGAZINE – Chinese model GLM-5.2 surpassing Claude Opus 4.7 announced
- AI総合研究所 – GLM-5.2とは?その性能や使い方、料金を徹底解説

