GIMP 3.2完全解説|Link Layersで非破壊編集が変わるオープンソース画像編集

伊東雄歩
監修者 伊東 雄歩

株式会社ウォーカー CEO。東北大学卒。MENSA会員、JDLA認定講師、健全AI教育協会理事。生成AI×教育・学習科学を専門とし、2億円超のシステム開発プロジェクトを統括。

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  • GIMP 3.2は2026年3月にリリースされた最新メジャーバージョン。Link Layers、Vector Layers、SVG エクスポートが目玉
  • Link Layersで外部画像を埋め込み、Inkscape等で編集すると自動で反映される非破壊ワークフローを実現
  • MyPaint Brushツールが進化。20種類の新ブラシを追加、キャンバスのズーム・回転に動的に対応
  • OSのテーマと自動連動する新「System」カラースキーマを搭載。UIの細かな改善も多数
  • Linux、Windows、macOSすべてに対応。完全無料・オープンソースのプロ画像編集ツール

「Photoshopは高すぎるけど、本格的な画像編集をしたい」——そんなニーズに応えてきたGIMPが、2026年3月にバージョン3.2をリリースしました。

最大の目玉は、Photoshopのスマートオブジェクトに相当するLink Layers。

外部のSVGロゴをInkscapeで編集すると、GIMP側の合成画像にも自動で反映される非破壊ワークフローが実現しました。

完全無料・オープンソースで、Photoshopの月額料金を気にせず本格作業ができます。

GIMP 3.2とは?|オープンソース画像編集の最新版

GIMP(GNU Image Manipulation Program)は、20年以上の歴史を持つオープンソースの画像編集ソフトです。

  • 完全無料 — ライセンス料・サブスクリプション一切不要。商用利用も可能
  • マルチプラットフォーム — Linux、Windows、macOSすべてに対応
  • 3.2の主な新機能 — Link Layers、Vector Layers、SVG エクスポート、MyPaint Brush強化、UI改善
  • 3.2.2リリース — 2026年3月28日に安定性向上版もリリース

たとえるなら、GIMPは「画像編集界のオープンソースの巨人」。

Photoshopが「業界標準のプロ用ソフト」だとすれば、GIMPは「無料で誰でもプロ並みの作業ができる選択肢」。

3.2のアップデートで、Photoshopとの機能差がさらに縮まりました。

Link Layers|非破壊で外部画像を埋め込む

  • 外部画像の埋め込み — SVG、PNG、JPGなど外部画像をリンク参照として配置
  • 非破壊編集 — 拡大・縮小・回転・変形しても元画像の品質を維持
  • 自動更新 — 元画像を別エディタ(例:InkscapeでSVGを編集)で変更すると、GIMPの合成画像にも自動反映
  • Photoshopのスマートオブジェクト相当 — プロのワークフローで重要な機能がついに無料ソフトに

たとえるなら、Link Layersは「写真をデジタルフレームに飾る」感覚。フレームの中の写真を差し替えると、フレームに映る景色が自動で変わる——「コピペ」ではなく「リンク」でつながっています。

Vector Layers|パスからベクターを即生成

  • パスからベクターレイヤー作成 — 描画したパスをワンクリックでベクターレイヤーに変換
  • SVGエクスポート — ベクターレイヤーはSVG形式で書き出し可能。Webデザインやイラスト制作に活用
  • PDFエクスポート強化 — PDFへの書き出し時もベクター情報を保持
  • ロスレスなスケーリング — ベクター形式のため、どれだけ拡大してもギザギザにならない

MyPaint Brushの進化

  • 20種類の新ブラシ — 鉛筆、水彩、油絵、エアブラシなど多彩な表現力を追加
  • 動的調整 — キャンバスをズームしたり回転したりすると、ブラシの挙動も自動調整
  • ペンタブレット最適化 — Wacomなどのペンタブレットでの描き心地が大幅改善
  • テーマ色対応のサムネイル — ブラシのプレビューがテーマ色に合わせて表示される設定

UI/UX改善|細かいけど嬉しい変更

  • Systemカラースキーマ — OSのダーク/ライトモード切替にGIMPのテーマも自動追従
  • ドラッグ&ドロップ — 画像タブに直接ファイルをドロップして開ける
  • キーボードショートカット拡充 — Shear(傾斜)ツールやFlip(反転)ツールにショートカット追加
  • ブラシサムネイル — テーマ色を使ったプレビュー表示オプション

競合画像編集ソフトとの比較

  • Adobe Photoshop — 業界標準。機能・エコシステムは最強だが、月額2,728円〜のサブスクリプション必須
  • Affinity Photo — 買い切り型のPhotoshop代替。1回の購入で永続利用。約8,000円程度
  • Krita — イラスト・デジタル絵画特化のオープンソース。ペイント機能では強いが写真編集はGIMPが優位
  • Pixlr — Webブラウザベースの画像編集。手軽だが本格作業には不向き
  • GIMP 3.2 — 完全無料+本格機能+Link LayersでPhotoshopとの機能差が縮小

活用シーン

  • Webデザイン — SVGロゴをLink Layerで配置し、Inkscapeで編集して即反映
  • 写真レタッチ — RAW現像から色補正、修正まで一通りの作業をGIMPで完結
  • イラスト制作 — 強化されたMyPaint Brushで、デジタル絵画制作にも対応
  • 印刷物デザイン — Vector LayersとPDFエクスポートで、印刷向け制作も可能

よくある質問(FAQ)

Q. 日本語対応していますか?

はい。

日本語UIに対応しています。

インストール時に言語を選択するか、設定画面から日本語に切り替えできます。

Q. PSDファイル(Photoshopファイル)は開けますか?

基本的なPSDファイルは開けますが、Photoshop独自の高度な機能(一部のレイヤー効果、調整レイヤー等)は完全に再現されない場合があります。

Q. CMYKに対応していますか?

GIMP 3.2ではCMYKカラーモードの基本的な対応はありますが、Photoshopほどの完全なCMYKワークフローには至っていません。本格的な印刷向け制作にはScribus(DTPソフト)との併用が推奨されます。

Q. AI機能はありますか?

GIMP本体にはAI機能は組み込まれていませんが、プラグインとしてStable Diffusion等のAI画像生成と連携させることが可能です。コミュニティから様々なAIプラグインが配布されています。

まとめ

この記事のポイントを振り返りましょう。

  • GIMP 3.2はLink Layers、Vector Layers、SVGエクスポートを新搭載
  • Link Layersで外部画像をリンク参照。元画像を編集すると自動で反映
  • MyPaint Brushに20種類の新ブラシとキャンバス連動機能
  • OSのダーク/ライトモードに自動追従するSystemテーマ
  • Linux、Windows、macOS対応の完全無料・オープンソース画像編集ソフト

GIMP 3.2は、「無料ソフトはプロ用には使えない」という常識を覆すアップデートです。

Link LayersとVector Layersにより、Photoshopとの機能差は確実に縮まっています。

サブスクリプションに頼らず、自分のペースで本格的な画像編集を楽しみたい方にとって、最有力の選択肢です。

参考文献

  • GIMP. (2026). GIMP 3.2 Released. GIMP
  • GIMP. (2026). GIMP 3.2 Release Notes. GIMP
  • OMG! Ubuntu. (2026). GIMP 3.2 released with Link Layers, SVG export + more. OMG! Ubuntu
  • CG Channel. (2026). GIMP team releases GIMP 3.2 with new vector and link layers. CG Channel
  • UbuntuHandbook. (2026). GIMP 3.2 Released! Link & Vector Layers, SVG Export. UbuntuHandbook