Cline(クライン)vs Cursor|どちらを選ぶべきか徹底比較 2026

Cline(クライン)のイメージイラスト

伊東雄歩
監修者 伊東 雄歩

株式会社ウォーカー CEO。東北大学卒。MENSA会員、JDLA認定講師、健全AI教育協会理事。生成AI×教育・学習科学を専門とし、2億円超のシステム開発プロジェクトを統括。

taolis.net X note Voicy YouTube

VSCode で使える AI コーディングツールとして、Cline(クライン)と Cursor が注目を集めています。どちらも開発作業を AI に任せられる便利なツールですが、料金も使い方も大きく違います。この記事では、2026年最新の情報をもとに、あなたに合ったツールを選ぶポイントを解説します。

この記事でわかること

  • Cline と Cursor の基本的な違いと特徴
  • 機能・料金・使い勝手の比較ポイント
  • どんな人にどちらのツールが向いているか
  • 2026年6月時点の最新アップデート情報
  • 実際の開発現場での使用感の違い

Cline(クライン)とCursorの基本情報

Cline は、VSCode の拡張機能として動く無料のオープンソース AI エージェントです。Apache 2.0 ライセンスで公開されており、GitHub で 63,600 以上のスターを獲得し、すでに 800 万回以上インストールされています。自分の API キー(AI を使うための鍵のようなもの)を用意すれば、ツール自体の料金はかかりません。

一方 Cursor は、VSCode をベースに作り直した独立型の AI エディタ(コードを書くためのアプリ)です。2023年に登場し、現在 50 万人以上が使っています。エディタと AI が最初から一体化しており、すぐに使い始められる点が魅力です。

最大の違いは「自由度」と「手軽さ」のバランスです。Cline は自分で AI モデル(Claude や GPT など)を選べるため、コストや性能を細かく調整できます。Cursor は設定がシンプルで、インストールすればすぐに高速な AI 補完が使えます。

機能比較表

項目ClineCursor
タイプVSCode 拡張機能独立型エディタ
AI モデル選択12種類以上(Claude、GPT、Gemini など)専用モデル + 一部選択可
タブ自動補完なしあり(非常に高速)
ファイル自動編集あり(Plan/Actモード)あり(Agent モード)
ターミナル操作ありあり
コードベース検索基本機能高度なインデックス機能
カスタムツール作成MCP 対応限定的
対応エディタVSCode、JetBrains、Zed など複数Cursor のみ

Cursor は「すぐ使える高機能エディタ」、Cline は「自由にカスタマイズできる拡張機能」という位置づけです。タブ補完(コードを書いている途中で AI が次の行を予測して提案してくれる機能)が欲しい人には Cursor が向いています。

料金・プラン比較

Cline の本体は完全無料ですが、AI を動かすために OpenAI や Anthropic などのサービスに月額 5〜50 ドル程度を支払います。使った分だけ課金されるので、週末だけ使う人なら月 5 ドル以下で済むこともあります。オプションで ClinePass(月 9.99 ドル)を使うと、一部のモデルが定額で使い放題になります。

Cursor は、エディタと AI がセットになった月額制プランです。無料プランもありますが、本格的に使うには有料プラン(月 20 ドル前後)が必要です。料金にはエディタのアップデートやチーム管理機能も含まれており、追加で API キーを用意する手間はありません。

コストを抑えたい人や、AI の使用量が少ない人には Cline が有利です。一方で「設定を考えるのが面倒」「毎日たくさん使いたい」という人には、定額制の Cursor が安心です。Cline なら DeepSeek など格安モデルを選んで月 3 ドル以下に抑えることも可能です。

得意なユースケースの違い

Cursor が得意なのは、日常的なコーディング作業のスピードアップです。タブ補完が非常に速く、関数名や変数を打ち込んでいる途中で AI が正しいコードを提案してくれます。大規模なプロジェクトでも、コードベース全体を AI が把握してくれるため、的確なアドバイスが得られます。

Cline が力を発揮するのは、じっくり考えてタスク全体を AI に任せたいときです。「このファイルとあのファイルを修正して、テストも書いて」といった複数ステップの作業を、Plan/Act モード(計画を立ててから実行するモード)で段階的に進められます。また MCP(モデルコンテキストプロトコル)を使えば、独自のツールを作って AI に組み込むこともできます。

簡単に言えば、Cursor は「速く書きたい人」向け、Cline は「細かく制御したい人」向けです。どちらも併用できるので、Cursor のエディタ内で Cline 拡張を動かして、両方のいいところ取りをする開発者も増えています。

実際の使用感の違い

Cursor を使うと、エディタを開いた瞬間から AI が動いている感覚があります。コードを書き始めるとすぐにタブ補完が走り、まるで AI がペアプログラミング(一緒にコードを書いてくれる相手)をしてくれているような体験です。初期設定もほとんど不要で、インストール後 5 分で本格的に使い始められます。

Cline の場合、サイドバーに AI エージェントが表示され、会話しながら作業を進めます。「このバグを直して」と指示すると、まず Cline が調査計画を立て、承認を求めてから実行します。自動補完はないので、自分で考えながらコードを書きたい人には邪魔になりません。

開発者レビューでは、Cursor は「磨かれた UX(使いやすさ)」、Cline は「柔軟性と長期的な拡張性」で高く評価されています。2026年6月の最新版では、Cline に CLI ツール(コマンドラインで使える版)が追加され、ターミナルだけで AI エージェントを動かせるようになりました。

結論:あなたが選ぶべきはどっち?

Cursor を選ぶべき人:

  • 毎日コードを書く仕事をしている
  • タブ補完で作業をどんどん進めたい
  • 設定に時間をかけたくない
  • 定額料金で安心して使いたい
  • チームで同じツールを統一したい

Cline を選ぶべき人:

  • AI の使用量が少なめで、コストを抑えたい
  • 好きな AI モデル(Claude、GPT など)を自由に選びたい
  • 今使っている VSCode や JetBrains をそのまま使い続けたい
  • オープンソースのツールを好む
  • カスタムツールや独自の自動化を作りたい

どちらも優れたツールですが、方向性が違います。「すぐ使えて速い」を求めるなら Cursor、「自由に調整できて経済的」を求めるなら Cline です。迷ったら、まず無料の Cline を試してみて、物足りなければ Cursor を検討するのがおすすめです。実際、両方を併用している開発者も多く、プロジェクトや作業内容に応じて使い分けるのも賢い選択と言えるでしょう。

まとめ

  • Cline は無料の VSCode 拡張機能、Cursor は有料の独立型エディタ
  • Cursor はタブ補完が速く初心者向き、Cline は自由度が高く上級者向き
  • 料金は Cline が従量課金(月 5〜50 ドル)、Cursor が定額制(月 20 ドル前後)
  • Cursor は日常作業の高速化、Cline は複雑なタスクの自動化が得意
  • どちらも 2026年に大型アップデートがあり、機能が進化中
  • 併用も可能なので、用途に応じて使い分けるのがベスト