会議が終わったあと、議事録をまとめるのに何時間もかかっていませんか? Phi(ファイ)は Microsoft が開発した小型の AI で、長い会議の記録をかんたんに要約できます。この記事では、AI 初心者でも 3 ステップで議事録要約を自動化する方法をご紹介します。
この記事でわかること
- Phi(ファイ)とは何か、なぜ議事録要約に向いているのか
- Phi を使い始めるための準備と設定方法
- 実際に議事録を要約する具体的な手順
- つまずきやすいポイントと解決策
- 議事録以外の活用アイデア
なぜ議事録要約を Phi(ファイ)で自動化するのか
Phi(ファイ)は Microsoft が 2024 年にリリースした SLM(スモール・ランゲージ・モデル=小型の文章 AI)です。最新版の Phi-4 は、大きな AI に匹敵する性能を持ちながら、軽くて速いのが特徴です。特に Phi-4-mini は 128,000 文字(約 8 万語)の長文を一度に読み込めるため、1 時間を超える会議の文字起こしデータも丸ごと処理できます。従来は人間が 2〜3 時間かけていた議事録作成が、数秒で終わるのです。さらに MIT ライセンスで無料公開されており、企業でも個人でも商用利用が可能です。
ステップ1: 準備(アカウント作成と初期設定)
まず、Phi を使うための環境を整えます。Phi は Azure AI、Hugging Face、Ollama など複数のプラットフォームで動きますが、初心者には Ollama(オラマ)がおすすめです。公式サイト(ollama.com)から自分のパソコン用のアプリをダウンロードし、インストールしてください。Windows、Mac、Linux すべてに対応しています。インストールが完了したら、ターミナル(Mac)またはコマンドプロンプト(Windows)を開き、「ollama pull phi3.5」と入力して Enter を押します。これで Phi のモデルファイルがダウンロードされます。数 GB あるため、Wi-Fi 環境で 5〜10 分ほどかかる場合があります。ダウンロードが終われば準備完了です。
ステップ2: 設定(具体的な操作手順)
議事録の文字起こしテキストを用意します。Zoom や Teams の自動文字起こし機能、または外部の文字起こしサービスで作成したテキストファイルを準備してください。次に、ターミナルで「ollama run phi3.5」と入力して Phi を起動します。画面に「>>>」というプロンプトが表示されたら、「以下の会議の議事録を 5 つの要点にまとめてください:」と入力し、そのあとに議事録の本文をコピー&ペーストします。長い場合は複数回に分けても構いません。最後に Enter を 2 回押すと、Phi が要約を開始します。数秒〜数十秒で、箇条書きの要約が画面に表示されます。出力された要約は、そのままコピーして Word や Notion に貼り付けて保存できます。
ステップ3: 実行と検証(結果を確認する)
要約結果が出たら、元の議事録と照らし合わせて内容が正確か確認しましょう。Phi は非常に高性能ですが、専門用語や固有名詞を誤解することがあります。特に、数字(予算や日付)や決定事項(誰が何をいつまでに行うか)は必ず人間の目でチェックしてください。もし要約が長すぎる、または短すぎる場合は、プロンプト(指示文)を調整します。例えば「3 つの要点に絞ってください」「各項目を 50 文字以内で」のように具体的に指示すると、希望の形式に近づきます。要約の質に問題がなければ、そのまま上司やチームに共有できます。これで議事録作成の時間を 90% 以上削減できるはずです。
つまずきポイントと対策
初心者がつまずきやすいポイントを 3 つ紹介します。1 つ目は「モデルのダウンロードに失敗する」。ネットワークが不安定だと途中で止まることがあります。その場合は再度「ollama pull phi3.5」を実行すれば、途中から再開されます。2 つ目は「要約が英語で出てくる」。Phi は多言語対応ですが、プロンプトを英語で書くと英語で返答します。必ず日本語で「〜してください」と指示しましょう。3 つ目は「長すぎる議事録が処理できない」。無料版では一度に処理できる文字数に上限がある場合があります。その際は議事録を前半・後半に分けて、それぞれ要約したあとで統合する方法が有効です。これらを押さえておけば、スムーズに作業できます。
応用テクニック
慣れてきたら、議事録要約以外にも Phi を活用できます。例えば「この議事録から TODO リストを抽出してください」と指示すれば、タスク管理に便利な箇条書きリストが作れます。また「この内容をメールで報告する文章にしてください」と頼めば、そのまま送信できるビジネスメールの下書きが完成します。さらに、Phi-4-multimodal(マルチモーダル版)を使えば、会議で使ったスライド画像や図表も一緒に読み込んで要約できます。プログラミングができる方は、Python スクリプトで Phi を呼び出し、複数の議事録を一括処理する自動化システムも構築可能です。Phi はオープンソースなので、カスタマイズの自由度が高いのです。
まとめ
この記事では、Microsoft の小型 AI「Phi(ファイ)」を使って議事録要約を自動化する方法を 3 ステップで解説しました。
- Phi は軽量・高速で、長文の議事録を数秒で要約できる
- Ollama を使えば無料で自分のパソコンに導入できる
- プロンプトの工夫で要約の形式を自由にカスタマイズ可能
- つまずきポイントを押さえておけば初心者でも安心
- 議事録以外にメール作成やタスク抽出にも応用できる
2026 年には Phi-4 シリーズが登場し、音声・画像にも対応するなど進化が続いています。ぜひ今日から Phi を使って、会議後の作業時間を大幅に短縮してみてください。

