- xAI(イーロン・マスク氏のAI企業)が、Grokに2つの新機能を追加しました
- 「Grok Voice」は話しかけると声で答えてくれる音声対話機能です
- 「Grok Build」は指示するだけでコードを書いてくれる開発者向けの道具です
- 音声機能は無料でも使え、日本語にも対応しています
- ライバルはChatGPTやClaude Code、GitHub Copilotなどです
AIに「話しかけて会話する」「面倒なプログラミングを任せる」。そんな未来が一気に近づいてきました。イーロン・マスク氏のAI「Grok(グロック)」が、2026年6月に大きく進化したのです。この記事を読むと、新機能の中身と、私たちの生活や仕事にどう関わるのかがわかります。
Grokに何が起きたの?2つの新機能を3行で
まず全体像をつかみましょう。
xAIは2026年5月から6月にかけて、Grokに2つの大きな新機能を追加しました。
1つ目が、声で会話できる「Grok Voice(グロック・ボイス)」です。2026年6月4日に一般提供が始まりました。
2つ目が、プログラムを自動で書く「Grok Build(グロック・ビルド)」です。2026年5月25日にベータ版(試用版)が公開されました。
つまりxAIは、「ふつうの人向けの音声会話」と「開発者向けのコード作成」という、性格の違う2方向に同時に手を伸ばしたのです。
「Grok Voice」って何ができる?
Grok Voiceは、文字を打たずに声でAIと会話できる機能です。
スマホのGrokアプリや、ウェブ版のgrok.comから使えます。質問を声で話すと、Grokも声で答えてくれます。
ハンズフリー(手を使わない操作)なので、料理中や運転中でも使いやすいのが特徴です。
声のキャラクターも選べます。標準の女性ボイス「Aria(アリア)」と、少し低めの男性ボイス「Max(マックス)」が用意されています。
さらに「Hey Grok(ヘイ・グロック)」と呼びかけるだけで起動するウェイクワード機能が、テスラの車向けに確認されています。ボタンを押さずに話しかけられる仕組みです。
運転中のドライバーが信号待ちで「近くの安いガソリンスタンドはどこ?」と声をかける。そんな使い方が想像できますね。
コードを書くAI「Grok Build」とは
もう1つの新機能、Grok Buildは開発者(プログラムを作る人)向けの道具です。
これはCLI(コマンドラインツール、文字で命令を打つ画面)として動きます。自分のプロジェクトのフォルダの中でGrok Buildを立ち上げ、やりたいことを普通の言葉で伝えます。
たとえば「このコードがどう整理されているか説明して」とお願いできます。さらに「このAPIに利用回数の制限を追加して」と頼むこともできます。
するとGrok Buildが自分でプロジェクトを調べ、直すべきファイルを見つけ、変更まで行ってくれます。
あるエンジニアが、見たこともない他人のプログラムを引き継いだ場面を考えてみましょう。今までは数時間かけて構造を読み解いていました。Grok Buildなら、まず全体像を質問し、そのまま修正作業に入れるのです。
性能を測るテスト「SWE-bench(実際のバグ修正課題で正答率を測る指標)」では、Grok Buildの正答率は約70.8%と報告されています。Web開発やデバッグ(不具合の修正)、MCP(外部ツールと連携する仕組み)にも対応しています。
他社サービスと何が違う?
AIの音声会話やコード作成は、すでに激戦区です。Grokの位置づけを整理します。
音声会話ではChatGPTの「Advanced Voice Mode」が強力なライバルです。途中で話をさえぎれたり、感情のこもった自然な話し方ができたりと、完成度が高いと評価されています。ただし利用には有料プランが必要です。
一方Grok Voiceは、基本機能なら無料でも試せるのが強みです。まず気軽に音声AIを体験したい人に向いています。
コード作成では、ライバルはClaude Code(クロードコード)やGitHub Copilot(ギットハブ・コパイロット)、OpenAIの「Codex CLI」などです。
正答率の比較を見てみましょう。報告によると、Codex CLI(GPT-5.5)が88.7%、Claude Code(Opus 4.7)が87.6%、GitHub Copilotが72.5%、そしてGrok Buildが70.8%でした。数字だけ見ると、Grok Buildはまだ追う立場です。
ただしGrok Buildは動作の速さに強みがあると言われています。考え込まず、テンポよく作業を進めるタイプです。じっくり連携重視のClaude Codeとは、性格が違うわけですね。
料金はいくら?無料でも使える?
気になる料金を整理します。為替は1ドル約160円で換算しました。
- 無料プラン:基本の音声会話が使えます(回数に上限あり)
- SuperGrok Lite:月額10ドル(約1,600円)
- SuperGrok:月額30ドル(約4,800円)
- SuperGrok Heavy:月額300ドル(約48,000円)
ここで注意したいのがGrok Buildです。これは最上位の「SuperGrok Heavy」プラン専用で、月額約48,000円かかります。
Claude Codeが月20ドル、GitHub Copilotが月10ドルから使えることを考えると、Grok Buildはかなり強気の価格設定です。
一方でGrok Voiceは無料でも触れます。「まず音声AIを体験したい」人にとっては、入り口が広いと言えます。
日本のユーザーにどう関係する?
日本に住む私たちにも、しっかり関係があります。
まずGrok Voiceは日本語に対応済みです。日本語で話しかければ、日本語の音声で答えが返ってきます。GrokアプリやiOSから使えます。
英語が苦手な人でも、音声AIを身近に試せるようになったわけです。
一方でGrok Buildは、英語で命令する開発者向けの道具です。日本のエンジニアも使えますが、月約48,000円という価格がハードルになりそうです。
日本の現場では、すでにClaude CodeやGitHub Copilotを使うチームが増えています。Grok Buildがそこへ割って入るには、価格に見合う実力を示せるかがカギになります。
よくある質問(FAQ)
Q1. Grok Voiceは日本語で使えますか?
はい、使えます。日本語で話しかけると、日本語の音声で返事をしてくれます。
Q2. Grok Voiceは無料ですか?
基本機能は無料で使えます。ただし利用回数に上限があります。たくさん使うなら有料プランが便利です。
Q3. Grok BuildはプログラミングできなくてもOK?
基本的に開発者向けの道具です。コードの知識がある人が、作業を効率化するために使うものと考えてください。
Q4. ChatGPTやClaudeから乗り換える価値はありますか?
用途しだいです。無料で音声会話を試したいならGrok Voiceは魅力的です。本格的なコード作成なら、まだClaude CodeやCodexが一歩リードしています。
Q5. テスラの車でも使えますか?
「Hey Grok」で起動する機能がテスラ向けに確認されています。正式な提供時期はまだ発表されていません。
まとめ
今回のポイントを振り返ります。
- xAIがGrokに「音声会話(Grok Voice)」と「コード作成(Grok Build)」の2機能を追加した
- Grok Voiceは2026年6月4日に提供開始、無料でも使え日本語にも対応
- Grok Buildは月約48,000円の最上位プラン専用で、価格は強気
- コード性能ではClaude CodeやCodexがまだ先行、Grokは速さで勝負
- 音声AIの入り口が広がり、日本のユーザーも気軽に試せるようになった
まずは無料のGrok Voiceに「今日の天気は?」と話しかけて、音声AIの実力を体験してみてください。
参考文献
- Grok Voice is Live: xAI’s AI Assistant Now Talks Back(Basenor)
- Elon Musk’s xAI Launches ‘Grok Build,’ a Coding Agent(eWeek)
- xAI introduces its coding agent called Grok Build(Engadget)
- Grok Build vs Claude Code vs Codex CLI: Best AI Coding Agent 2026(RejoiceHub)
- Grok Pricing 2026: SuperGrok, X Premium+, Heavy & API Costs(Fello AI)

