Fable 5で動画制作|25分の実力と意外な弱点

伊東雄歩
監修者 伊東 雄歩

株式会社ウォーカー CEO。東北大学卒。MENSA会員、JDLA認定講師、健全AI教育協会理事。生成AI×教育・学習科学を専門とし、2億円超のシステム開発プロジェクトを統括。

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  • Anthropicの最新AI「Fable 5」で、YouTube用の動画が約25分で作れたという検証結果がわかります
  • 動画づくりに使うのは「Claude Design」という機能で、URLを渡すだけで下準備が進みます
  • 120秒の動画を作るとレート制限に届くなど、見えてきた弱点も具体的に紹介します
  • SoraやVeoのような実写系の動画AIとは「何が違うのか」を整理します
  • 6月22日まで無料で試せる期間があり、日本のユーザーにも関係する話だとわかります

「AIで動画を作る」と聞くと、むずかしそうに感じませんか。でも今、テキストAIの最上位モデルが、解説動画づくりまでこなし始めています。この記事を読むと、最新AI「Fable 5」でYouTube動画がどこまで作れて、どこでつまずくのかが具体的にわかります。

最新AI「Fable 5」で本当に動画が作れたの?

結論から言うと、作れました。

テックメディアITmediaの記者が、Fable 5を使ってYouTube用の動画を実際に制作しました。テーマは「フィッシング詐欺(にせサイトで情報をだまし取る手口)の対策」です。

できあがったのは、15秒〜120秒ほどのアニメーション付き解説動画でした。

ここで意外なのは、Fable 5が本来「文章を書くAI」だという点です。映像専用のAIではありません。それなのに、動画の形にまとめてくれたのです。

Fable 5は2026年6月10日にAnthropic(アンソロピック社)が公開した最上位モデルです。「Mythos(ミトス)クラス」という、これまで一般には出していなかった高性能なAIが、初めて誰でも使える形になりました。

どうやって動画を作るの?手順をやさしく解説

動画づくりに使ったのは「Claude Design(クロード・デザイン)」という機能です。これはスライドやWebページを、アニメーション付きで作れる機能です。

手順はとてもシンプルでした。

  • 1. 参考にしたいWebページのURLを渡す——AIがその内容を読み取って分析します
  • 2. イメージを伝える——アスペクト比(画面の縦横比)や、動画のトーン、メインテーマを指定します
  • 3. AIの質問に答える——AI側から「ここはどうしますか?」と聞かれるので答えるだけです

この流れで、約15〜25分で1本の動画が完成しました。

面白いのは、背景画像や装飾用の素材をこちらから渡していない点です。それでも、AIが自分で見栄えのする画面を組み立ててくれました。しかも、最上位の「Opus」モデルを使わなくても、この出来栄えだったといいます。

実際の出来栄え——驚いた3つのポイント

検証で「想像以上」と評価されたポイントを整理します。

1つ目は、素材なしでも形になることです。普通、動画を作るには画像やイラストを用意します。Fable 5は、その手間を肩代わりしてくれました。

2つ目は、指示が短くても伝わることです。90秒以内の動画なら、ざっくりした指示でもスムーズに作れたといいます。

3つ目は、スピードです。動画編集ソフトを開いて、素材を並べて、と作業すれば数時間かかることもあります。それが25分で形になるのは大きな差です。

たとえば、社内向けに「フィッシング詐欺に気をつけよう」という啓発動画を作りたい担当者を想像してみてください。これまでは外注したり、編集ソフトと格闘したりしていました。その下準備が、ぐっと軽くなる可能性があります。

見えてきた大きな弱点とは

もちろん、いいことばかりではありません。今回の検証では、はっきりした弱点も見えました。

最大の弱点は「レート制限(一定時間で使える量の上限)」です。Proプランで120秒の動画を作ろうとすると、「5時間ごとの利用上限」に届いてしまったといいます。長い動画ほど、AIをたくさん使うためです。

これは、Fable 5がOpus 4.8のおよそ2倍のペースで利用枠を消費するからです。同じ作業でも、月の上限に早く届いてしまいます。

もうひとつは、複雑な指示が苦手なことです。たとえば「特定の背景を入れて」「MP4ファイルで書き出して」といった細かい要望には、うまく応えられない場面がありました。

つまり、短くてシンプルな解説動画は得意でも、凝った映像づくりはまだ難しい段階だといえます。

Sora・Veoとどう違う?動画AIとの比較

ここで気になるのが、「専用の動画AIと何が違うの?」という点です。

実は、作っているものがまったく別物です。

SoraやVeoのような動画AIは、実写のような映像をゼロから生成します。人が歩いたり、海の波が動いたりする「本物っぽい映像」を作るのが得意です。

一方のFable 5は、文字・図・アニメーションを組み合わせた「解説スライド風」の動画を作ります。プレゼン資料が動き出すイメージに近いです。

2026年6月時点の主な動画AIと、ざっくり比べてみます。

  • Runway Gen-4.5——月15ドル。実写品質の高さで評価されています
  • Veo 3.1——Google AI Proで月19.99ドル。映像と音声をまとめて作れます
  • Seedance 2.0——月9.6ドルから。コスト重視で人気です
  • Fable 5(Claude Design)——テキストAIの機能の一部。解説・説明系の動画に向きます

どちらが優れているという話ではありません。「実写映像がほしいならSoraやVeo、説明動画ならFable 5」と、用途で選ぶのが現実的です。

日本のユーザーにどう関係するの?

「海外の話でしょう?」と思うかもしれません。でも、日本のユーザーにも直接関係します。

Fable 5は日本語にも対応しており、ClaudeのProやMaxプランから使えます。さらに大きいのが、2026年6月22日まで、Pro・Max・Team・Enterpriseの加入者は追加料金なしで使い放題という期間限定の措置です。

6月23日からは、使った分だけ支払う従量課金に切り替わります。価格は100万トークンあたり入力10ドル・出力50ドルで、Opus 4.8のおよそ2倍です。

たとえば、YouTubeで副業を始めたい会社員の方を考えてみましょう。これまで動画編集に二の足を踏んでいた人でも、無料期間に「解説動画がどこまで作れるか」を試す価値はあります。

また、安全面の設計も日本のビジネス利用では安心材料です。サイバー攻撃や危険物に関する高リスクな要求は、AIが自動でブロックし、通常モデルへ切り替える仕組みになっています。その発動はセッション全体の平均5%未満とされ、普段使いの邪魔にはなりにくい設計です。

よくある質問(FAQ)

Q1. Fable 5は無料で使えますか?

2026年6月22日までは、Pro・Max・Team・Enterpriseの加入者が追加料金なしで使えます。6月23日からは従量課金に切り替わります。

Q2. 動画は何秒くらいまで作れますか?

検証では15秒〜120秒ほどの動画が作られました。ただし120秒だとレート制限に届きやすく、90秒以内が現実的とされています。

Q3. SoraやVeoの代わりになりますか?

用途によります。実写のような映像はSoraやVeoが得意です。Fable 5は図やアニメーション中心の解説動画に向いています。

Q4. 動画づくりにプログラミングの知識は必要ですか?

不要です。URLを渡してイメージを伝え、AIの質問に答えるだけで進みます。専門知識がなくても扱えます。

まとめ

今回の検証でわかったことを振り返ります。

  • テキストAI「Fable 5」が、約25分でYouTube用の解説動画を作れた
  • 「Claude Design」機能を使い、URLを渡すだけで下準備が進む
  • 素材なしでも見栄えする一方、120秒の動画はレート制限に届きやすい
  • SoraやVeoは実写向け、Fable 5は解説動画向けと用途が分かれる
  • 6月22日まで無料で試せるので、興味があるなら今がチャンス

まずは無料期間のうちに、短い解説動画を1本だけ作ってみることをおすすめします。

参考文献

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