iPhoneでAIを選べる|Apple新機能Extensions

伊東雄歩
監修者 伊東 雄歩

株式会社ウォーカー CEO。東北大学卒。MENSA会員、JDLA認定講師、健全AI教育協会理事。生成AI×教育・学習科学を専門とし、2億円超のシステム開発プロジェクトを統括。

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  • AppleがWWDC 2026で「Extensions(拡張機能)」を発表し、iPhoneのSiriで使うAIを自分で選べるようになります
  • 選べるAIはClaude(クロード)、ChatGPT、Google Gemini(ジェミニ)、Grok(グロック)の4つです
  • これまでChatGPTだけだった連携先が、App Storeの専用コーナーから自由に選べる形に変わります
  • 新Siri・Apple Intelligenceは2026年秋に無料アップデートで配信され、日本語にも対応します
  • 今回はティム・クックCEOにとって最後のWWDC基調講演となりました

「iPhoneのSiri、もっと賢かったらいいのに」と思ったことはありませんか?2026年6月8日、Appleはその答えを出しました。Siriに使うAIを、自分の好きなものに切り替えられる仕組みを発表したのです。しかもClaudeが、iPhoneの正式な選択肢になります。この記事では何が変わるのかをやさしく解説します。

WWDCで何が発表されたのか

AppleはWWDC(毎年6月に開く開発者向けの発表会)で大きな方針転換を見せました。

iPhoneのSiriで使うAIを、ユーザーが自由に選べるようになります

この仕組みの名前が「Extensions(エクステンションズ=拡張機能)」です。

これまでSiriにつながる外部AIはChatGPTだけでした。Appleは1社だけと組むやり方をやめ、複数のAI会社に門戸を開いたのです。

選べるAIは4つ

設定画面から選べるAIは、現時点で次の4つです。

  • Claude(クロード):Anthropic社のAI。文章作成や要約が得意
  • ChatGPT:OpenAI社のAI。これまでもSiriと連携していた
  • Google Gemini(ジェミニ):Google社のAI
  • Grok(グロック):イーロン・マスク氏のxAI社のAI

Appleはまず、ClaudeとGeminiの2つを最初のパートナーとしてテストしています。

なぜ大きなニュースなのか

AppleのiPhoneやiPad、Macは世界で10億台以上使われています。

そこにClaudeやGeminiが直接届くようになります。AI各社にとっては、巨大な入り口が一気に開くことになります。

「Extensions」はどう動くのか

仕組みはとてもシンプルです。難しい操作はいりません。

App Storeに専用コーナーができる

App Storeに「Extensions」という専用コーナーが新しくできます。

そこで使いたいAIのアプリを選びます。各AI会社が、自分のアプリにExtensions対応を追加する形です。

設定で1つ選ぶだけ

あとは設定アプリの「Apple Intelligence と Siri」から、使いたいAIを1つ選ぶだけです。

選んだAIは、iPhone全体で働きます。具体的には次の3つの機能に反映されます。

  • Siri:話しかけたときの応答
  • 作文ツール(Writing Tools):文章の書き直しや要約
  • Image Playground:AIで画像を作る機能

たとえば、メールの返信文をClaudeに考えてもらい、そのままSiriにもClaudeを使う、という一貫した使い方ができます。

新しいSiriは何が賢くなった?

AIを選べることだけが今回の発表ではありません。Siri自体も大きく進化します。

Appleのソフトウェア責任者クレイグ・フェデリギ氏は、新Siriを「はるかに知的で、博識で、有能なSiri」と紹介しました。

あなたのことを理解して動く

新しいSiriは、あなたのメッセージやメール、写真の中身を理解して答えてくれます。

「先週もらった請求書のメール、どこだっけ?」といった質問にも対応できるようになります。

さらに、アプリをまたいだ操作も自動でこなせるようになります。

Siri専用アプリも登場

会話の履歴を残せる、Siri専用アプリも新しく加わります。

過去のやり取りを後から見返せます。履歴はiCloudで端末間に同期され、Appleは「プライベートに保たれる」と説明しています。

プライバシーはどう守られるのか

「AIに自分のメールや写真を見せて大丈夫なの?」と心配になりますよね。Appleはこの点を強く意識しています。

Appleは「AIにおけるプライバシーは譲れない」と明言しました。

2段階で処理する

簡単な依頼はiPhoneの中だけで処理します。データは外に出ません。

複雑な依頼は「Private Cloud Compute(プライベート・クラウド・コンピュート)」というApple独自のサーバーに送られます。

Appleは、このサーバーではデータを保存も共有もしないと説明しています。Apple自身も中身を見られない仕組みだとしています。

外部の専門家がこの約束を検証できる点も、Appleは強調しています。

これまでとの違いを整理する

今回の変更が「従来と何が違うのか」を、表のように整理してみましょう。

連携できるAIの数が変わった

これまではChatGPTの1社のみでした。今後はClaude・ChatGPT・Gemini・Grokから選べます。

1つの会社に縛られない「選べる」形になったのが最大の違いです。

AndroidスマホのAIとの違い

ライバルのAndroid(グーグルのスマホOS)は、Geminiを標準のAIにしています。

つまりGoogleは「自社のAIを推す」やり方です。

一方Appleは「ユーザーに選ばせる」やり方を取りました。AIを乗り換えられる自由度が、iPhoneの新しい強みになります。

日本のユーザーにはどう関係する?

気になるのは「日本でも使えるの?」という点ですよね。

日本語に正式対応

新しいApple Intelligenceは、対応言語に日本語が含まれています。

英語だけでなく、日本語環境でもSiriやAIの新機能が使えます。

配信は2026年秋の予定

正式版は2026年秋に、無料アップデートとして配信される予定です。iPhone 18シリーズと同じ時期になる見込みです。

開発者向けテストは6月8日から、一般向けのベータ版(試用版)は翌月から始まります。

使える端末は限られる

すべてのiPhoneで使えるわけではない点に注意が必要です。

  • iPhone 16以降
  • iPhone 15 Pro / Pro Max
  • M1以降のiPad・Mac、Apple Vision Pro、Apple Watch Series 9以降

なお中国では当初使えず、EU(ヨーロッパ)でも規制対応のため配信が遅れる見込みです。日本は対応言語に入っているため、秋の配信が期待できます。

ティム・クックCEO、最後のWWDC

今回の発表には、もう一つ大きな意味があります。

これはティム・クックCEOにとって最後のWWDC基調講演でした。

クック氏は2026年9月1日にCEOを退き、ジョン・ターナス氏にその座を譲ります。

長くAppleを率いたクック氏が、AI時代への大きな方針転換を発表して幕を引いた形です。象徴的な一日だったと言えます。

よくある質問(FAQ)

Q1. iPhoneでClaudeを使うにはお金がかかりますか?

Apple Intelligenceの新機能自体は無料アップデートで使えます。ただし各AIの高度な機能を使う場合、そのAIアプリ側の有料プランが必要になる可能性があります。詳しい料金は今後の各社の発表を待つ必要があります。

Q2. AIは途中で切り替えられますか?

はい。設定アプリからいつでも別のAIに変更できます。「今月はClaude、来月はGemini」といった使い分けも可能です。1社に縛られないのがExtensionsの利点です。

Q3. 今のiPhoneでも使えますか?

iPhone 16以降、またはiPhone 15 Pro / Pro Maxが必要です。それより前の機種では新しいApple IntelligenceやExtensionsは使えません。お使いの端末を確認してみてください。

Q4. 自分のデータがAIに勝手に使われませんか?

Appleは「データは依頼の実行にだけ使う」と説明しています。簡単な処理は端末内で完結し、複雑な処理もデータを保存しないサーバーで行うとしています。ただし外部AIに送られる情報の扱いは、選んだAI会社のルールにもよるため、各社のプライバシー方針も確認すると安心です。

Q5. いつから日本で使えますか?

2026年秋に正式配信される予定です。新しいApple Intelligenceは日本語に対応しているため、日本のユーザーも秋以降に利用できる見込みです。

まとめ

今回のポイントを振り返ります。

  • AppleがWWDC 2026で「Extensions」を発表し、Siriで使うAIを選べるようになる
  • 選べるのはClaude・ChatGPT・Gemini・Grokの4つ。ChatGPT独占が終わる
  • 選んだAIはSiri・作文ツール・画像生成の全体で働く
  • 新Siriはメールや写真を理解し、アプリをまたいだ操作もこなす
  • 2026年秋に無料配信予定で、日本語にも対応する
  • ティム・クックCEO最後のWWDCという節目でもあった

まずは秋のアップデートに備えて、お使いのiPhoneが対応機種かどうか確認しておきましょう。

参考文献

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