ChatGPTシェア54.7%へ後退|Gemini急成長の理由

伊東雄歩
監修者 伊東 雄歩

株式会社ウォーカー CEO。東北大学卒。MENSA会員、JDLA認定講師、健全AI教育協会理事。生成AI×教育・学習科学を専門とし、2億円超のシステム開発プロジェクトを統括。

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  • ChatGPTの世界シェアは54.7%まで低下し、半年で減少傾向にあります
  • Geminiは半年で約104%伸び、シェア27.4%でChatGPTを猛追しています
  • Geminiが伸びた最大の理由は「モデルの賢さ」より「配信力」です
  • Claudeは半年で約357%成長し、企業向けでは強い存在感を示します
  • 日本でもGeminiが急伸し、AndroidスマホがAI普及の入口になっています

「AIといえばChatGPT」。そう思っていませんか。実はその常識が、いま静かに崩れ始めています。2026年4月の最新データでは、ChatGPTの世界シェアは54.7%まで下がりました。代わりに急上昇しているのがGoogleのGemini(ジェミニ)です。この記事を読むと、AIチャットボットの勢力図がどう変わったのか、そしてその裏にある「本当の理由」がわかります。

何が起きた?AIチャットボットの勢力図が動いた

調査会社Momenticが、世界の主要なAIチャットボット7つのアクセス数を分析しました。データの元になっているのはSimilarweb(サイトの訪問数を測る調査会社)です。

結果は、多くの人の予想を裏切るものでした。

ChatGPTのシェアは、2025年2月の約76.5%から、2026年4月には54.7%まで下がっていたのです。約1年で20ポイント以上も減った計算になります。

一方で、GoogleのGeminiが猛烈な勢いで追い上げています。崩壊というより「じわじわ削られている」という表現がぴったりの変化です。

数字で見る最新シェア(2026年4月)

まずは具体的な数字を見てみましょう。世界の主要7サービスのアクセス数シェアです。

  • ChatGPT:54.7%(訪問数 約55億回/半年で −6%)
  • Gemini:27.4%(約27.6億回/半年で +104%)
  • Claude:8.2%(約8.2億回/半年で +357%)
  • DeepSeek:4.1%(約4.1億回/+19%)
  • Grok:2.8%(約2.8億回/+19%)
  • Perplexity:1.5%(約1.5億回/−18%)
  • Microsoft Copilot:1.3%(約1.3億回/+23%)

注目すべきは伸び率です。Geminiは半年で2倍以上、Claudeにいたっては約4.5倍に増えています。

ちなみにアメリカ国内だけで見ると、ChatGPTは58.9%とまだ強く、Geminiは19.2%、Claudeは12.5%です。国によって勢力図が違うのも面白いところです。

なぜGeminiは半年で2倍に伸びたのか

ここがこの記事のいちばん大事なポイントです。

Geminiが伸びた理由は、「AIが急に賢くなったから」だけではありません。本当の主役は「配信力」、つまり「どれだけ多くの人の目に触れる場所に置けるか」という力です。

GoogleはGeminiを、自社のあらゆるサービスの入口に組み込みました。Google検索、Googleアプリ、Androidスマホ、仕事用のWorkspace。どこを使っても、自然とGeminiに出会うようになっています。

特にAndroidスマホの影響は大きいです。アメリカの調査では、専用アプリよりも、スマホのOSに最初から入っているGeminiを使う人のほうが2倍も多いという結果が出ました。

新しいアプリをわざわざ探してインストールする手間がいりません。スマホを買った瞬間から、もうそこにAIがいる。この「入口の差」が、利用者数を大きく押し上げたのです。

なぜChatGPTはシェアを落としたのか

ChatGPTが弱くなったわけではありません。利用者数そのものはむしろ増えており、週8億人が使い続けています。

では、なぜシェアが下がったのでしょうか。理由は2つあります。

1つめは、ライバルが賢くなったことです。2025年を通してGoogleが新モデルを次々と出し、性能の差がほぼなくなりました。「ChatGPTじゃないと困る」という理由が薄れたのです。

2つめは、配信力の差です。OpenAIは検索エンジンもスマホOSも持っていません。自分から探しに来てもらう必要があります。一方Googleは、何もしなくても人が集まる場所を山ほど持っています。この差がじわじわ効いてきました。

主要AIチャットボット比較:強みはどこにある?

4つの主要サービスを、それぞれの強みで比べてみましょう。

  • ChatGPT(OpenAI):知名度No.1。世界シェア54.7%で依然トップ。幅広い用途に強く、迷ったらこれ、という安心感があります
  • Gemini(Google):配信力No.1。検索・Android・Gmailとの連携が圧倒的。Googleサービスを使う人ほど便利です
  • Claude(Anthropic):企業向けNo.1。一般シェアは8.2%ですが、企業のAIアシスタント市場では約29%。企業案件ではOpenAIに約7割勝つとも言われます
  • Microsoft Copilot:仕事ツール特化。WordやExcelなどOffice製品に組み込まれ、ビジネス現場で着実に浸透しています

つまり「どれが一番か」は、使う場面によって答えが変わります。普段使いならGemini、仕事の文書作成ならClaudeやCopilot、という選び方も賢い方法です。

この数字には「ワナ」がある

ここで注意したいことがあります。今回のシェアは、あくまで「ウェブサイトへの訪問数」だけを数えた数字だということです。

スマホの専用アプリからの利用、ほかのサービスに埋め込まれた形での利用、開発者がプログラム経由で使う分は、この数字に含まれていません。

これは見方によっては不公平です。Geminiは検索やAndroidの入口からの流入が多いため、数字が大きく出やすい面があります。逆にChatGPTはアプリ利用も多く、ウェブ訪問数だけでは実力を測りきれません。

シェアの数字は便利ですが、「何を数えた数字なのか」を確かめる目を持つことが大切です。

日本市場への影響

この流れは、日本でも同じように起きています。

ICT総研が2026年2月に行った調査では、過去1年に生成AIを使った人の割合は54.7%まで伸びました。日本でもAIが一気に身近になっています。

サービス別の利用率は、ChatGPTが36.2%でトップ。次いでGeminiが25.0%、Copilotが13.3%、Claudeが4.3%と続きます。前回調査からGeminiは16.1ポイントも増え、ChatGPTを猛追しています。

日本でもAndroidスマホは広く使われています。スマホに最初からGeminiが入っている強みは、日本市場でもそのまま効いてくるでしょう。

満足度の調査では、ChatGPTが76.2点、Geminiが75.9点とほぼ互角でした。もはや「賢さ」で大きな差はつきません。これからは「どれだけ自然に手元にあるか」が、選ばれる決め手になりそうです。

よくある質問(FAQ)

Q1. もうChatGPTは使わないほうがいいですか?
いいえ。ChatGPTは今も世界シェア1位で、利用者も増え続けています。シェアが下がったのは「ライバルが伸びた」結果であり、ChatGPT自体の質が落ちたわけではありません。

Q2. Geminiはどこで使えますか?
Androidスマホには最初から入っていることが多いです。iPhoneやパソコンでも、Geminiのアプリやウェブサイトから無料で使えます。Googleアカウントがあればすぐ始められます。

Q3. Claudeは伸びているのに、なぜシェアは低いのですか?
Claudeは個人より企業での利用が中心だからです。企業向け市場では約29%と高いシェアを持ちます。一般向けのウェブ訪問数では、まだ8.2%にとどまっています。

Q4. シェアが高いサービスを選べば間違いないですか?
必ずしもそうではありません。普段使い、仕事、開発など、用途によって得意なAIは変わります。複数を試して、自分の使い方に合うものを選ぶのがおすすめです。

まとめ

今回のポイントを振り返ります。

  • ChatGPTの世界シェアは54.7%まで低下し、トップながら勢いは鈍化
  • Geminiは半年で約104%成長し、シェア27.4%で猛追
  • Gemini急伸の最大の理由は「モデルの賢さ」より「配信力」
  • Claudeは半年で約357%成長し、企業向けで強い存在感
  • 日本でもGeminiが急伸、Androidスマホが普及の入口に
  • シェアの数字は「何を数えたか」を確認して読むことが大切

これを機に、いま使っているAI以外も一度試してみてはいかがでしょうか。使い比べることで、自分にいちばん合う「相棒」がきっと見つかります。

参考文献

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