- 開発支援AI「Devin(デビン)」の国内ユーザー数が、2025年比で1582%も増えました。
- Devinは「コードを一緒に書く」のではなく、作業を丸ごと任せられる自律型AIエンジニアです。
- 日本はアメリカに次ぐ世界2位の利用国になり、過去30日で6000人を超えました。
- DeNAでは約3000人が使い、半年かかる予定の改修を約1カ月で終えました。
- 料金は月20ドルからで、クレジットカードを登録すればその日から使えます。
「AIにプログラミングを丸ごと任せられたら…」と思ったことはありませんか。その理想に一番近いと言われるAIが、いま日本で爆発的に伸びています。国内の利用者は1年で約16倍。この記事では、Devinが何者で、なぜ日本でここまで広がったのかを、やさしく解説します。
Devinの国内利用が1582%増えた──何が起きたのか
2026年6月24日、ある発表が話題になりました。
米Cognition AI(コグニション・エーアイ)の日本法人が、事業戦略を説明する会を開きました。
そこで語られたのが、「日本国内のDevin利用者が、2025年と比べて1582%増えた」という数字です。
これは2026年5月時点のデータです。1582%増とは、ざっくり言うと約16倍ということです。
導入した企業の数も、前年の140%に増えました。
さらに共同創業者のラッセル・カプラン氏によると、日本の直近30日のアクティブ利用者は6000人を超えました。
これはアメリカに次ぐ世界2位の規模です。日本がいかに注目されているかがわかります。
そもそもDevinとは?「丸投げできるAIエンジニア」
Devinは、Cognition AIが開発した自律型のAIソフトウェアエンジニアです。
自律型(じりつがた)とは、人があれこれ指示しなくても、自分で考えて作業を進められるという意味です。
ふつうのAIコーディングツールは、人が書くコードを横で手伝う「相棒」のような存在です。
でもDevinは違います。「このアプリを作って」とお願いすると、計画づくりから実装、テスト、修正までを自分で回します。
イメージとしては、優秀な新人エンジニアに仕事をまるごと任せる感覚に近いです。
この仕組みを支えるのが「MicroVM(マイクロブイエム)」という技術です。
これは、AIエージェントが一人ひとり独立した作業部屋を持ち、最後まで自己完結で仕事を終えられるようにする技術です。
なぜ日本でこれほど伸びたのか
日本でDevinが急に広がった背景には、いくつかの理由があります。
エンジニア不足とレガシーシステム問題
日本の多くの企業は、古いシステム(レガシーシステム)を使い続けています。
これを新しく作り直すには、たくさんのエンジニアと長い時間が必要です。
しかし、日本はITエンジニアが足りていません。
そこで、人の代わりに開発を進めてくれるDevinに、大きな期待が集まったのです。
日本法人の設立で導入しやすくなった
Cognition AIは、2026年4月に日本法人をつくりました。これはアジアで初めての拠点です。
日本法人の代表は正井拓己(まさい たくみ)氏です。
正井氏は、企業向け(エンタープライズ)事業に力を入れると語りました。
具体的には、社内のAI活用やDX推進の支援、システム開発会社(SIer)の生産性向上などです。
日本語でのサポート体制が整ったことで、企業が安心して導入できるようになりました。
DeNAなどの導入事例と具体的な成果
言葉だけでは、すごさが伝わりにくいかもしれません。実際の事例を見てみましょう。
ゲームやエンタメで有名なディー・エヌ・エー(DeNA)では、約3000人の従業員がDevinを使っています。
DeNAは、古いシステムを新しくする作業にDevinを活用しました。
本来なら半年ほどかかると見込まれていたプロジェクトを、約1カ月で終えたといいます。
金融分野でも導入が進み、みずほ証券が日本の大手金融機関として早期に取り入れました。
海外でも実績は豊富です。
たとえば自動車大手のメルセデス・ベンツは、8カ月かかる予定だった改修を、わずか8日に縮めたと報告しています。
顧客にはゴールドマン・サックスやNASA、米軍の部署まで名を連ねています。
競合との違い(GitHub Copilot・Cursorとの比較)
「ほかのAIコーディングツールと何が違うの?」と気になる人も多いはずです。
代表的なツールと比べてみましょう。
- GitHub Copilot(ギットハブ・コパイロット):人が書くコードを補完してくれる「相棒型」。エンジニアの作業を横で助けます。
- Cursor(カーソル):AIと対話しながらコードを書ける「AIネイティブなエディタ」。やはり人が主役です。
- Devin(デビン):タスクを丸ごと任せられる「丸投げ型」。人が見ていなくても作業を進めます。
つまり、CopilotやCursorは「一緒に書く」道具です。
一方のDevinは「代わりに作る」存在だと考えるとわかりやすいです。
実際の現場では、この3つを使い分ける形が2026年時点での最適解とも言われています。
ちなみにCognition AI自身も、自社コードの約9割をDevinに書かせているそうです。開発元が本気で使っている点は説得力があります。
料金はいくら?Coreプランの仕組み
気になる料金も見ておきましょう。
Devinには月20ドルから使える「Coreプラン」があります。クレジットカードを登録すれば、その日から使い始められます。
課金の単位は「ACU(エーシーユー)」という独自のものです。
1ACUは、Devinが実際に作業する約15分ぶんに相当します。
20ドルでおよそ9ACU、つまり2時間15分ほどの作業を任せられる計算です。
使った分だけ払う従量課金なので、まず小さく試してみたい個人や企業にも向いています。
よくある質問(FAQ)
Q1. Devinはプログラミングの知識がなくても使えますか?
基本的な開発の知識はあったほうが安心です。Devinの作った成果物を確認したり、指示を出したりする場面があるためです。ただし作業の多くは自動なので、少人数のチームでも大きな成果を出せます。
Q2. 日本語で指示を出せますか?
はい、日本語での指示に対応しています。日本法人ができたことで、サポートも日本語で受けやすくなりました。
Q3. GitHub CopilotやCursorから乗り換えるべきですか?
必ずしも乗り換える必要はありません。役割が違うため、補完型のCopilotやCursorと、丸投げ型のDevinを併用する企業が多いです。
Q4. セキュリティは大丈夫ですか?
DevinはMicroVMという技術で、作業を独立した環境に分けています。すでに金融機関や政府機関でも導入されており、企業利用を意識したつくりになっています。
まとめ
今回のポイントを振り返ります。
- Devinの国内ユーザー数は、2025年比で1582%(約16倍)に急増しました。
- Devinは作業を丸ごと任せられる、自律型のAIエンジニアです。
- 日本はアメリカに次ぐ世界2位の利用国になりました。
- DeNAでは半年想定の改修を約1カ月で完了するなど、成果が出ています。
- 料金は月20ドルからの従量課金で、すぐに試せます。
まずは公式サイトで小さなタスクを1つ任せてみて、その実力を自分の目で確かめてみましょう。
参考文献
- 国内ユーザー数「前年比1582%増」――AI開発支援「Devin」は競合と何が違う?(ITmedia AI+)
- Cognition establishes Japan entity in first expansion into Asia(CRN Asia)
- AI coding startup Cognition raises $1B at $25B pre-money valuation(TechCrunch)
- Funding, growth, and the next frontier of AI coding agents(Cognition公式ブログ)
- 【2026】Devin AI料金は月$20〜|自律型AIエンジニアの使い方・5プラン徹底比較(AIPICKS)

