- Appleが6月8日のWWDC 2026で、Google「Gemini」を頭脳にした新Siriを発表する見込み
- Appleは自社AIをあきらめ、Googleに年間およそ1500億円を支払う契約を結んだ
- 使うのは専用設計の1.2兆パラメータモデル。今のAppleのクラウドAIの約8倍の規模
- 新Siriは画面を見て理解し、アプリをまたいで複数の作業を代わりにこなせるようになる
- プライバシーを守る仕組みや、日本語でいつ使えるかも本記事でわかります
「Siri、もうちょっと賢くなってよ」と思ったことはありませんか?その願いが、ついにかないそうです。
Appleが、ライバルであるGoogleのAI「Gemini(ジェミニ)」を新しいSiriの頭脳に採用します。この記事を読めば、何が変わるのか、なぜそうなったのか、そして私たち日本のユーザーにどう関係するのかがわかります。
WWDC 2026で何が発表されるの?
WWDC(ダブリュー・ダブリュー・ディー・シー)とは、Appleが毎年開く開発者向けの発表会です。
2026年は6月8日(日本時間では6月9日の早朝)に始まります。
今年いちばんの注目は、生まれ変わる新しいSiriです。これまで何度も「賢くなる」と予告されながら、延期が続いていました。
今回ようやく、本格的なアップデートがお披露目される見込みです。あわせて、写真アプリの画像加工や、カメラの「ビジュアルインテリジェンス」機能なども強化されると言われています。
なぜAppleは自社AIをやめてGeminiを選んだの?
いちばん驚かれているのが、Appleが自社製AIだけでSiriを動かす道をあきらめたことです。
かわりに選んだのが、検索大手Googleの最新AI「Gemini」でした。AppleとGoogleはスマホ市場でずっと競い合ってきた間柄です。
その2社が手を組むのは、まさに業界の地図を塗り替えるニュースです。
背景には、AppleのAI開発が思うように進まなかった事情があります。自前で最高水準のAIを作るより、すでに完成度の高いGeminiを借りるほうが早い、という判断です。
この提携は2026年1月12日に正式発表されました。WWDCは、その具体的な中身がわかる場になります。
年1500億円の「専用モデル」とは
報道によると、Appleはこの契約でGoogleに年間およそ10億ドル(日本円で約1500億円)を支払うとされています。
ただのGeminiを借りるのではありません。Apple向けに特別あつらえした1.2兆パラメータの専用モデルを使います。
パラメータとは、AIの賢さを支える「脳のシナプス(つなぎ目)」のようなものです。数が多いほど、複雑なことを考えられます。
この専用モデルは、今Appleがクラウドで使っているAIの約8倍の規模だと言われています。それだけ大きく賢いSiriになる、というわけです。
どこで動くの?プライベートクラウドの裏側
当初Appleは、この巨大AIを自社の「Private Cloud Compute(プライベートクラウドコンピュート)」だけで動かす計画でした。
これは、ユーザーの情報を守りながらクラウドでAIを動かす、Apple独自の安全な仕組みです。
ところが、テストでは処理が遅すぎて実用にならなかったと報じられています。
そこで、GoogleのクラウドにあるNVIDIAの最新チップ「B200」も使う方針に変わったようです。データは暗号化したまま処理し、中身がGoogle側に見えないようにする、とされています。
新Siriで何ができるようになる?
新しいSiriのいちばんの進化は、「画面を見て、自分で動く」ようになる点です。具体的なシーンで想像してみましょう。
たとえば、友だちから届いたメッセージに「来週の金曜、空いてる?」とあったとします。新Siriは画面の文面を読み取り、カレンダーを確認して、そのまま予定を入れるところまで手伝ってくれます。
旅行の計画ならどうでしょう。「この前の出張で泊まったホテル、もう一回予約して」と話しかけるだけで、メールや履歴から探し出して予約画面まで進めてくれる、という世界です。
料理中に手がふさがっているときも便利です。「さっきのレシピの分量を2人分にして」と言えば、アプリをまたいで計算し直してくれます。
さらに、ChatGPTのように単独のチャットアプリとしても使えるようになる見込みです。会話を30日後・1年後・無期限のどれで消すか選べる機能も用意されると言われています。
ChatGPTやAlexaと何が違う?
「結局、ChatGPTと同じでは?」と思うかもしれません。新Siriならではの強みを比べてみます。
- 従来のSiri:天気やアラームなど、決まった命令だけ。会話は苦手でした。
- ChatGPT・Claude:会話や文章作成は得意。ただしiPhoneの操作そのものを代行するのは限定的です。
- Amazon Alexa+:生成AIで進化した音声アシスタント。ただし主役はスマートスピーカーや家電です。
- 新Siri:iPhoneの中身(画面・アプリ・個人の予定)を理解し、操作まで代わりに行える点が最大の違いです。
つまり新Siriは、賢い会話力に「あなたのiPhoneを操作する権限」が加わった存在です。さらにApple Intelligenceでは、GeminiだけでなくChatGPTやClaudeなど使うAIを選べる仕組みも検討されています。
プライバシーは本当に大丈夫?
ライバルのGoogleにデータを渡して平気なの、と心配になりますよね。
Appleは、Googleとの契約で「Siriへの質問をGeminiの学習に使わせない」と取り決めたと報じられています。
つまり、あなたの会話がGoogleのAIを育てる材料になることはない、という約束です。
加えて、処理中もデータは暗号化されたままで、Googleの広いクラウドに中身がそのまま見える状態にはならない設計だとされています。とはいえ、最終的な仕組みの詳細はWWDCでの正式説明を待つ必要があります。
日本のユーザーにはいつ来る?
日本のiPhoneユーザーにとって、気になるのは「日本語でいつ使えるか」です。
Apple Intelligenceの日本語対応は、すでに2025年3月に始まっています。
Gemini自体も多言語に強いAIなので、新Siriの日本語の自然さは大きく向上すると期待されています。
ただし注意点もあります。これまでApple Intelligenceの日本語対応は、英語版から約9か月ほど遅れて登場しました。
そのため、新Siriの高度な機能も、日本では英語圏より少し遅れて使えるようになる可能性があります。正確な時期はWWDC以降の発表で明らかになる見込みです。
よくある質問(FAQ)
Q. 新しいSiriはいつから使えますか?
A. 一部機能はiOS 26系のアップデートで2026年内に、本格的な機能はiOS 27(2026年秋ごろ予定)で順次提供される見込みです。
Q. 古いiPhoneでも使えますか?
A. 高度なAI機能は比較的新しい機種が対象になる傾向があります。対応機種はWWDCで発表される見込みです。
Q. 料金はかかりますか?
A. AppleがGoogleに支払う費用の話であり、ユーザーが追加料金を払う形になるかは現時点で未発表です。
Q. これまでのSiriの設定や使い方は変わりますか?
A. 基本の呼び出し方は大きく変わらない見込みですが、できることが大幅に増えます。会話の保存期間なども選べるようになるとされています。
まとめ
今回のポイントを振り返ります。
- Appleが6月8日のWWDC 2026で、Gemini基盤の新Siriを発表する見込み
- Appleは自社AIをあきらめ、Googleに年約1500億円を支払う契約を結んだ
- 使うのは専用の1.2兆パラメータモデルで、今の約8倍の規模
- 新Siriは画面を理解し、アプリをまたいで作業を代行できるようになる
- 日本語対応は英語版より少し遅れる可能性があり、続報に注目
まずは6月8日(日本時間9日早朝)のWWDC基調講演で、新Siriの実演をチェックしてみましょう。


