Scanopy完全解説|ネットワーク構成図を自動生成・自動更新するオープンソースツール

伊東雄歩
監修者 伊東 雄歩

株式会社ウォーカー CEO。東北大学卒。MENSA会員、JDLA認定講師、健全AI教育協会理事。生成AI×教育・学習科学を専門とし、2億円超のシステム開発プロジェクトを統括。

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  • Scanopyはネットワーク構成図を自動生成・自動更新するオープンソースツール(AGPL-3.0)
  • SNMP、LLDP、CDP、ARPを使ってホスト・サービス・サブネットを自動検出。手動での図面作成が不要に
  • 1ホストあたり230以上のサービスをフィンガープリント。全65,536ポートをスキャン
  • Rust + Svelte + TypeScriptで構築。SVG、Mermaid、Confluence形式でのエクスポートに対応
  • Docker検出機能も搭載。コンテナ環境の可視化にも対応

「ネットワーク構成図を描いてください」——この依頼ほど面倒な作業はありません。

手作業でVisioやdraw.ioに機器を並べ、線をつなぎ、IPアドレスを入力。

しかも、機器が追加されるたびに更新が必要です。

Scanopyは、その苦痛から解放してくれるツールです。

ネットワークをスキャンしてホスト・サービス・接続関係を自動検出し、構成図を自動生成。

しかもオープンソース・無料のCommunity Editionが提供されています。

Scanopyとは?|自動更新されるネットワーク構成図

Scanopyは、ネットワークの構成を自動で検出し、リアルタイムに更新されるトポロジーマップを生成するツールです。

  • 自動検出 — SNMP、LLDP、CDP、ARPプロトコルを使ってホスト・サービス・サブネットを自動発見
  • 自動図面生成 — 検出結果からネットワーク構成図を自動で描画。手動での作成は一切不要
  • 自動更新 — ネットワークの変更を定期スキャンで検出し、図面を自動で最新状態に維持
  • オープンソース — Community EditionはAGPL-3.0ライセンスで無料利用可能
  • v0.15.2 — 2026年3月リリースの最新版。スキャンの信頼性が向上

たとえるなら、従来のネットワーク管理が「毎回カメラで写真を撮って地図を手書きする」方式だとすれば、Scanopyは「ドローンが自動で飛んで、リアルタイムの航空写真を更新し続ける」方式。一度設定すれば、あとは放っておいても構成図が最新に保たれます。

スキャン機能|何を検出できるのか

  • ARP検出 — ポートが開いていないホストもARPスキャンで発見。隠れたデバイスも見逃さない
  • 全ポートスキャン — 応答があるホストに対して全65,536ポートをスキャン
  • サービスフィンガープリント — 1ホストあたり230以上のサービスを識別(Web、SSH、データベース、メール等)
  • Layer 2/Layer 3マッピング — 物理接続(L2)と論理接続(L3)の両方をマッピング
  • Docker検出 — ホスト上のDockerソケットに接続し、実行中のコンテナを自動検出
  • SNMP/LLDP/CDP — ネットワーク機器間のリンク情報を自動取得。スイッチやルーターの接続関係を正確に把握

エクスポート機能|既存ワークフローとの統合

  • SVGエクスポート — ベクター画像として出力。ドキュメントやプレゼンテーションに挿入
  • Mermaid形式 — テキストベースのダイアグラム記法。GitHubのREADMEやMarkdownドキュメントに直接埋め込み
  • Confluence連携 — Atlassian Confluenceのページにネットワーク図を自動挿入

技術スタック

  • Rust — スキャンエンジンはRustで構築。高速・安全・低メモリ消費
  • Svelte + TypeScript — フロントエンドはSvelteで構築。軽量で高速なUI
  • Docker対応 — Docker Composeで簡単デプロイ。Unraidコミュニティでも対応

競合ツールとの比較

  • Nmap — ネットワークスキャンの定番。スキャン精度は最高水準だが、構成図の自動生成機能はない
  • Nagios / Zabbix — 監視ツールとして実績豊富。アラート・監視は強いが、トポロジー図の自動生成は限定的
  • NetBox — ネットワークのIPAM・DCIM管理ツール。インベントリ管理は優秀だが、自動検出・自動図面生成は弱い
  • draw.io / Visio — 手動での図面作成ツール。デザインの自由度は高いが、自動更新はできない
  • Scanopy — 自動検出+自動図面生成+自動更新の三拍子。IT管理者やMSPの運用効率を劇的に向上

導入方法

  • Docker Compose — 公式リポジトリからcloneし、docker compose up -dで起動
  • Unraid — Community Applicationsからワンクリックインストール
  • 必要権限 — ネットワークスキャンのため、ホストネットワークモードでの実行が推奨
  • 初期設定 — スキャン対象のサブネットを指定し、SNMP Community Stringを設定

よくある質問(FAQ)

Q. 大規模ネットワークでも動作しますか?

Community Editionは中小規模ネットワーク向けに設計されています。数百台規模のホストまでは実用的ですが、数千台以上の場合はスキャン時間とリソース消費に注意が必要です。

Q. セキュリティリスクはありませんか?

ネットワークスキャンは管理者権限で実行する必要があります。

不正なスキャンはネットワークポリシーに違反する可能性があるため、必ず管理者の承認を得てから利用してください。

スキャン結果は暗号化されて保存されます。

Q. Windowsネットワークも検出できますか?

はい。ARP/SNMP/ポートスキャンはOS非依存のため、Windows、Linux、macOS、ネットワーク機器などあらゆるデバイスを検出可能です。

Q. 有料版との違いは何ですか?

Community Edition(無料)は基本的なスキャン・図面生成機能を提供。有料版ではアラート通知、チームコラボレーション、SLAレポートなどの追加機能が利用可能です。

まとめ

この記事のポイントを振り返りましょう。

  • Scanopyはネットワーク構成図を自動生成・自動更新するオープンソースツール
  • SNMP、LLDP、ARP等でホスト・サービス・接続関係を自動検出
  • 1ホスト230以上のサービスを識別。全ポートスキャン+Docker検出対応
  • SVG、Mermaid、Confluence形式でエクスポート可能
  • Rust製の高速スキャンエンジン。Docker Composeで簡単デプロイ

Scanopyは、「ネットワーク構成図は一度描いたら二度と更新されない」という現実を変えるツールです。

自動検出・自動更新により、構成図は常に最新。

ITインフラの可視化が、もう苦痛ではなくなります。

参考文献

  • Scanopy. (2026). Scanopy — Network Diagrams That Update Themselves. Scanopy
  • Scanopy. (2026). scanopy/scanopy. GitHub
  • noted.lol. (2026). Scanopy: Self-Hosted Network Scanner That Builds a Live Topology Map. noted.lol
  • Virtualization Howto. (2025). Stop Drawing Network Diagrams Manually — Scanopy Does It for You. Virtualization Howto
  • Unraid Forums. (2026). Scanopy — Automatically discover and visually document network topology. Unraid

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