- Runwayが2026年5月、ChatGPT・Claudeなどから直接動画生成できる「Runway MCP」を公開
- Gen-4.5、Veo 3.1、Kling 3.0、Seedance 2.0など主要7モデル以上をチャット内で切替可能
- APIキー不要、Connector登録とログインだけで使える設定の軽さが特徴
- 料金はRunwayクレジット制(Standard $15/月で625クレジット)、サブスク1本で複数モデル横断利用
- 動画AIの主戦場が「単体ツール」から「チャット内ワークフロー」へ移る転換点
「動画生成AI、興味はあるけど専用ツールを覚えるのが面倒」と感じたことはありませんか。その壁が、2026年5月にRunwayが発表した「Runway MCP」で一気に低くなりました。普段使っているChatGPTやClaudeの会話から、そのまま動画を作れるようになったのです。
Runway MCPとは何か
Runway MCPは、動画生成AIの大手Runwayが2026年5月28日に正式公開した新しいコネクタ機能です。MCPは「Model Context Protocol(モデルコンテキストプロトコル)」の略で、AIチャットツールが外部サービスを呼び出すための共通規格を指します。
つまり、ChatGPTやClaudeといったチャットAIから、Runwayの動画生成エンジンを直接たたけるようになりました。
これまで動画AIを使うには、Runwayの公式サイトにログインしてプロンプトを別途入力する必要がありました。
Runway MCPを使えば、その手間が消えます。ChatGPTやClaudeで企画を練りながら、そのまま「これで動画作って」と頼めば、対話の流れの中で動画が生成されるのです。
対応している主なAIクライアント
2026年5月時点で公式に対応が確認されているのは以下のサービスです。
- Claude.ai(Webブラウザ版)
- Claude Desktop(デスクトップアプリ)
- ChatGPT
- Cursor(コードエディタ)
- Replit(オンライン開発環境)
- その他MCP対応のAIエージェント
MCP規格に対応していれば、今後新しいツールでも順次使えるようになる見込みです。「ツールを横断する標準仕様」として広がりつつあることが、業界的にも注目されています。
何が新しい?従来との大きな違い
「動画AIを別タブで開く」だけなら、これまでもブックマーク1つで済む話でした。Runway MCPの本当の価値は、会話の文脈がそのまま動画生成に引き継がれる点にあります。
タブ切り替え不要のシームレス体験
たとえば商品紹介動画を作る場合、これまでの流れはこうでした。
- ChatGPTで商品コンセプトを練る
- 動画の絵コンテをまとめる
- Runwayサイトを開いて、絵コンテをコピペ
- プロンプトを書き直して生成
Runway MCP導入後は、Claudeとの対話のままで「このコンセプトで15秒の動画を作って」と指示するだけです。コンテキストが切れず、修正のキャッチボールも会話で完結します。
複数モデルを1つの会話から呼び出せる
もう1つ大きいのは、Runwayアカウント経由で複数の動画モデルを切り替えて使えることです。「このシーンはVeoの自然な動きで、こっちはKlingのコスパで」といった使い分けが、同じチャット画面から可能になります。
動画AIごとに個別アカウントを持つ必要がなく、Runway1本に統合できるわけです。
対応モデル7種類とできること
Runway MCP経由で利用できる主なモデルは、動画と画像を合わせて7種類以上あります。利用可能なモデルは契約プランによって変わります。
動画生成モデル
- Runway Gen-4.5:Runway自社の最新モデル。物理表現と人物の動きで業界トップ評価
- Veo 3.1:Google製。音声を動画と同時生成できるのが強み
- Kling 3.0:中国Kuaishou製。コスパ重視、複数ショット対応が得意
- Seedance 2.0:ダンスや人物動作の自然さに定評
- Gen-4:Runwayの前世代モデル、軽い用途向け
画像生成モデル
- GPT Image 2:OpenAI製の画像モデル。最大16枚の参照画像と4K出力に対応
- Nano Banana Pro:Google Gemini 3 Pro Imageベース。5,500文字の長いプロンプトを扱える
つまり、画像から動画、動画から複数モデル比較まで制作パイプライン全体がチャット内で完結します。
具体的な活用シーン
身近な使い方を3つ紹介します。
シーン1:個人事業主の商品PR動画
ハンドメイド雑貨をオンライン販売している方が、Claudeに商品URLを貼り付けます。「この商品の魅力が15秒で伝わるInstagram動画を作って」と頼むと、ClaudeがRunwayを呼び出し、商品画像を起点にした動画案を生成します。気に入らなければ「もっと柔らかい光で」と会話で修正できます。
シーン2:マーケ担当者の広告A/Bテスト
SaaS企業のマーケ担当者が、ChatGPTで広告コピーを5パターン作成。そのまま「各コピーに合った10秒動画を作って」と指示すると、ChatGPTがRunwayで5本一気に生成。Veoは音声付き、Klingはコスト重視とモデルを使い分けてA/Bテストの素材をまとめて準備できます。
シーン3:YouTuberの企画準備
動画クリエイターがClaude Desktopで企画台本を書きながら、サムネ用のショート動画も並行制作。台本の修正が動画にもすぐ反映されるので、「企画と素材作り」が一体化します。
始め方とセットアップ手順
意外なほど簡単です。Claudeの場合、必要な手順は3ステップだけです。
- Claudeの「Customize → Connectors」を開く
- カスタムコネクタとして
https://mcp.runwayml.com/mcpを登録 - 表示されるRunwayのログイン画面でアカウント認証
APIキーの取得や設定ファイルの編集は不要です。ChatGPTでも同様で、「Apps」セクションから「Runway」を検索して接続するだけです。
セットアップが終わると、チャット画面で「Runwayで動画を作って」と指示できるようになります。つまづきポイントがほぼないのは、エンジニア以外のユーザーにとって大きな利点です。
料金とクレジット消費の実際
Runway MCPの利用には、Runwayのサブスクリプションが必要です。料金はクレジット制になっています。
主なプラン(2026年5月時点)
- Standard:月額$15(年払いで$12)、625クレジット付与
- Pro:月額$35(年払いで$28)、2,250クレジット付与
- 無料プランや上位のEnterpriseプランも存在
クレジット消費はモデル・解像度・尺によって変わります。たとえば短い動画なら数十クレジット、4K長尺なら数百クレジットと、ガソリン代のように使った分だけ減っていく仕組みです。
注目すべきは、1つのサブスクで複数モデルが使えることです。Runway、Veo、Kling、Seedance、FLUX、Seedreamを個別契約すれば月額数百ドル超えも珍しくありませんが、Runway1本ならそれらを横断利用できます。
日本円での目安
1ドル150円換算で、Standardプランは月額約2,250円、Proで月額約5,250円です。趣味で動画を試したい方ならStandardから始めるのが現実的でしょう。
競合・類似サービス比較
動画生成AIの選択肢は2026年時点で複数あります。Runway MCPのポジションを、主要サービスと比べてみます。
Runway単体(MCPなし)との違い
Runway公式サイトを直接使う場合、動画編集や細かい調整機能が豊富です。MCP経由は「チャットで完結する手軽さ」に振り切っており、編集を詰めたいプロは公式サイト、企画と試作はチャットからという使い分けが現実的です。
Sora(OpenAI)との比較
OpenAIの動画モデルSoraは2026年4月26日にサービス提供を終了しました。現在の選択肢は実質、Runway系・Google Veo・Kling・Lumaの4軸に集約されています。Runway MCPはその4軸を1つのインターフェースから扱える立ち位置です。
他のMCPコネクタとの違い
MCPコネクタは、Photoshop(Adobe)やAirtableなど他分野でも増えています。Runway MCPの独自性は、「動画生成」という重い処理をチャットUIに最初に持ち込んだ事例であることです。生成型AIサービスのワークフロー設計に、今後影響を与える可能性があります。
日本市場・国内クリエイターへの影響
Runway MCPは日本のユーザーにとっても、すぐに使える変化です。
日本語プロンプトでも動作
ClaudeやChatGPTは日本語で会話できるため、日本語で動画指示を出すことが可能です。たとえば「桜が舞う春の通学路で、女子高生が振り返るシーン」と書けば、Runwayが該当動画を生成します。
従来、動画AIは英語プロンプトの方が品質が安定しやすい傾向がありましたが、チャットAIが翻訳と最適化を仲介してくれるため、その差が縮まります。
国内クリエイターのワークフロー変化
すでに日本でも、広告代理店やYouTuberの間で動画AI活用は広がりつつあります。Runway MCPの登場で、「動画AI専任オペレーター」が不要になるシーンが増えるでしょう。
企画者やプランナーが、自分のChatGPT/Claudeから直接素材を試作できるからです。
一方で、商業利用時の著作権配慮は引き続き必要です。Runwayは生成物の利用権をプランで規定しており、企業利用ではエンタープライズプランの検討が安全です。
日本の規制動向との関係
2026年5月には、日本でもAI生成画像・動画への表示義務付け法案が与野党合意に達しています。Runway MCPで生成した動画をSNSに公開する場合、今後は「AI生成」の明示が求められる可能性があります。仕事で使う方は法整備の動きにも注意が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q1:Runway MCPは無料で使えますか?
A:Runwayの無料プランでも基本機能は試せます。ただし生成可能なクレジットは少なく、本格利用にはStandard以上のサブスクリプション(月額$15〜)が必要です。MCP接続自体に追加料金はかかりません。
Q2:プログラミングの知識がなくても使えますか?
A:使えます。設定は「コネクタURL登録」と「ログイン」だけで、コードを書く必要はありません。実際の動画生成も、Claudeに日本語で頼むだけで完結します。
Q3:商用利用は可能ですか?
A:Runwayのサブスクリプションプランによります。Standard以上では商用利用が認められていますが、生成物の権利関係や使用範囲はプラン規約を確認してください。企業案件ではエンタープライズ契約が推奨されます。
Q4:生成された動画はどこに保存されますか?
A:Runwayアカウント内のライブラリに自動保存されます。Claude/ChatGPTのチャット画面でも確認できますが、長期保管や編集はRunway公式サイトから行うのが安全です。
Q5:日本語プロンプトでも品質は出ますか?
A:チャットAIが日本語を解釈してRunwayに最適化指示を渡すため、従来より日本語の弱点が緩和されています。ただし細かいニュアンスは英語の方が安定する場面もあるので、品質を詰めたい場合は英語併記がおすすめです。
まとめ
Runway MCPは、動画AIの使い方を根本から変える可能性を持つ新サービスです。要点を振り返ります。
- 2026年5月28日、Runwayが正式公開したMCPコネクタ
- ChatGPT・Claude・Cursorなどから動画生成を直接呼び出し可能
- Gen-4.5、Veo 3.1、Kling 3.0など主要7モデル以上を切り替え可能
- APIキー不要、Connector登録だけの簡単セットアップ
- 料金はRunwayクレジット制、Standard月額$15から
- 動画AIの主戦場が「単体ツール」から「チャット内ワークフロー」へ移行
まずは普段使いのチャットAIにRunwayコネクタを追加し、短い動画を1本生成してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

