- Hubble.mdは、AIエージェントと人間が同じメモを一緒に編集できる無料のオープンソースメモ帳です
- ノートはすべてパソコン内のMarkdownファイルとして保存され、Claude Codeなどのエージェントがそのまま読み書きできます
- 開発者はAstroのコアメンテナとして知られるBen Holmes氏。ライセンスはMITで、商用利用も自由です
- Notion風の書き心地、フォルダ管理、HTMLで自作するビューの3つが主な武器です
- Hacker Newsでは151ポイントを集める一方、「Obsidianと何が違うのか」という厳しい声も上がりました
AIに仕事を手伝ってもらうとき、「毎回同じ説明をするのが面倒」と感じたことはありませんか。自分のメモをAIがそのまま読んでくれたら、話は一気に早くなります。その発想をまるごとアプリにしたのが、2026年8月22日に日本でも紹介されたHubble.mdです。しかも無料で、中身のコードまで公開されています。
Hubble.mdとは?AIと一緒に使う無料のメモ帳
Hubble.mdは、パソコンにインストールして使うメモ帳アプリです。
キャッチコピーは「あなたとあなたのエージェントのための、最高のメモ帳」。つまり使う相手として人間とAIの両方を最初から想定しているのが特徴です。
作ったのはBen Holmes氏。Webフレームワーク「Astro」のコアメンテナで、開発者向けツールを手がけるWarpでDevExリードを務めています。技術解説の動画でも知られる人物です。
ライセンスはMIT License。無料で使えるうえ、改造や商用利用も認められています。GitHubのスターはすでに約1,400個に達しました。
対応するのはmacOS・Windows・Linuxの3つ。デスクトップアプリとして動きます。開発は活発で、最新版のdesktop-v0.1.28は2026年8月19日に公開されたばかりです。
「AIに読ませる前提」という発想の何が新しいのか
ふつうのメモアプリは、データをアプリ独自の形式やクラウドの中に閉じ込めます。
その結果、AIに中身を渡したいときは、コピーして貼り付けるか、専用の連携設定を用意する必要がありました。ここが地味に面倒だったのです。
Hubble.mdは違います。すべてのノートを、パソコンの中の普通のMarkdownファイルとして保存するのです。
Markdown(マークダウン/記号だけで見出しや箇条書きを表現する書き方)は、AIがもっとも得意とする形式のひとつ。だから特別な橋渡しがいりません。
使い方はシンプルです。Claude Codeのようなエージェント(自分で判断して作業を進めるAI)に、ノートの入ったフォルダを指し示すだけ。
あとはAIが自由に読み、必要なら書き換えます。AIが編集すると、Hubble.mdの画面がその場で自動的に更新されます。隣の席の同僚と同じ資料を同時に開いている、あの感覚に近いものです。
front matterがAIの理解を助ける
Hubble.mdでは、ノートの先頭に「front matter」と呼ばれる小さな情報欄を付けられます。
ここにカテゴリー・ステータス・タグなどを書いておくと、AIは「このメモはどの種類で、いまどんな状態なのか」を正確に把握できます。
「書きかけの企画書」なのか「確定した議事録」なのか。人間には一目でわかる違いも、AIには明示してあげたほうが確実です。
主な機能は3つ
1. Notionのような書き心地
Markdownと聞くと身構える人もいるかもしれません。
ですがHubble.mdの操作感は、NotionやApple メモに近いものです。「/」を打つとコマンド一覧が出て、そこから見出しやリストを選べます。
記号を覚えなくても、普通のメモアプリと同じ感覚で書けるわけです。フォルダ単位の整理にも対応しています。
2. エージェントとの共同編集
先ほど触れたライブリロードが効くのがこの部分です。
AIが書き換えた内容がすぐ画面に反映されるので、「AIに下書きさせて、自分が仕上げる」という流れが途切れません。
ターミナル連携やコメント機能など、エージェントと作業するための細かい工夫も入っています。
3. HTMLで自分専用のビューを作れる
ここがHubble.mdでいちばん面白い部分かもしれません。
Hubble.mdはHTMLベースのアプリを表示できます。ノートの集まりを、表・本棚・地図といった好きな見た目に変身させられるのです。
公式サイトのサンプルにも、bookshelf.html(本棚)やmap.html(地図)が並んでいます。
しかも自分でコードを書く必要はありません。「読書メモを本棚みたいに並べて」とコーディングAIに頼めば、AIがそのビューを作ってくれます。「スキル」を追加して機能を拡張することも可能です。
実際、あるユーザーはClaude Codeを使い、図を描画する機能をわずか30分で追加したと報告しています。
ObsidianやNotionとどう違う?
気になるのは既存の人気アプリとの違いでしょう。
Notionは2026年第1四半期にアクティブユーザー約1億人を突破したとされる最大手です。メモ・データベース・タスク管理が1つにまとまっており、AI機能も自社で用意しています。ただしデータは基本的にクラウドの中にあります。
ObsidianはHubble.mdと同じくローカルのMarkdownファイルを扱います。研究者や開発者に根強い人気があり、シェアは8%程度と言われています。Claude Codeと組み合わせる使い方も、すでに日本語の解説記事が多数出ています。
ではHubble.mdの立ち位置はどこか。開発者本人は次の3点を挙げています。
- Obsidianよりシンプルで、Apple メモやNotionに近い書き心地であること
- MarkdownファイルとHTMLページを統合して扱えること
- ターミナル連携やコメントなど、エージェント向けに作り込まれていること
ざっくり言えば、Obsidianが「プラグインで拡張する上級者向けの道具」なのに対し、Hubble.mdは「最初からAIとの共同作業を前提に組み直した軽量版」という位置づけです。
こんな場面で役に立つ
抽象的な説明より、実際の使い道を見たほうが早いはずです。
ある個人開発者が新しいサービスを作っているとします。仕様のメモ、参考にしたサイトのURL、やることリストがHubble.mdの中にある。開発中にClaude Codeへ「仕様メモの通りに実装して」と頼めば、AIはそのフォルダを読んで作業を始めます。仕様が変われば、AIがメモ側も一緒に直してくれます。
次に、月に20冊読む読書家の例です。1冊ごとに感想メモを書き、front matterに著者名と読了日を入れておきます。あとは「今年読んだ本を本棚のビューにして」と頼むだけ。バラバラのメモが、背表紙の並んだ一覧に変わります。
3つ目は、取材で全国を回るライターの場合。訪問先のメモに地名を書き添えておけば、地図のビューを作って「どこを取材済みか」を一目で確認できます。表計算ソフトに転記する手間が消えるわけです。
日本のユーザーが知っておきたいポイントと注意点
日本から使ううえで、いくつか押さえておきたい点があります。
まず費用はかかりません。無料かつオープンソースなので、円安による海外サブスクの値上がりを気にせず試せます。月額数百円〜千円台のメモアプリが並ぶなか、これは小さくない差です。
そしてデータが手元に残る点も重要です。ノートは自分のパソコンの中のファイルなので、社内規定でクラウド保存が難しい職場でも検討しやすくなります。
一方で、慎重に見ておきたい点もあります。
アプリの画面は英語が中心で、日本語UIは用意されていません。日本語の文章そのものは問題なく書けますが、メニューは英語のままです。
バージョンはまだ0.1系。開発途上の段階であり、仕様が変わる可能性は十分あります。大切なデータはバックアップを取っておくのが安全です。
インストール時にも注意が必要です。macOS版は署名・公証済みですが、WindowsとLinux版は未署名。OSの警告が出る場合があります。
評価も手放しの絶賛ばかりではありません。Hacker Newsでは151ポイント・81件のコメントを集めて注目されましたが、「Obsidianとの違いが明確でない」「結局ローカルの.mdファイルにすぎない」といった厳しい指摘も出ました。「紹介ページの説明が足りない」という声もあります。
なお開発者は、クラウド同期・Web版・モバイルアプリ・自動化基盤といった構想にも言及しています。ただし現時点では予告の段階と受け止めておくのがよさそうです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 本当に無料ですか?
はい。MIT Licenseのオープンソースソフトウェアとして無料公開されています。有料プランや機能制限は今のところありません。
Q2. プログラミングの知識がないと使えませんか?
メモを書くだけなら不要です。「/」コマンドで書けるので、Notionを触ったことがあれば戸惑わないはずです。ただしHTMLビューの作成や、ソースコードからのインストールには技術的な知識が要ります。
Q3. Claude Code以外のAIでも使えますか?
使えます。ノートは普通のMarkdownファイルなので、パソコン内のファイルを読み書きできるAIエージェントであれば連携できます。特定のサービス専用ではありません。
Q4. Obsidianから乗り換えるべきですか?
急ぐ必要はありません。ObsidianもローカルのMarkdownを扱うため、AIエージェントとの連携は可能です。Hubble.mdが向くのは「もっと軽くて、AIとの共同編集に寄せた道具がほしい」人でしょう。両方のノートはMarkdownなので、試しに使ってみるハードルは低めです。
Q5. スマートフォンでも使えますか?
現時点ではデスクトップアプリのみです。モバイル版は開発者が構想として挙げていますが、まだ提供されていません。
まとめ
- Hubble.mdは、人間とAIエージェントが同じノートを共同編集できる無料のメモ帳アプリ
- ノートはローカルのMarkdownファイルなので、Claude Codeなどがそのまま読み書きできる
- 開発者はAstroコアメンテナのBen Holmes氏。MITライセンスでGitHubスターは約1,400
- Notion風の書き心地、front matterによる情報整理、HTMLで作る自由なビューが主な特徴
- 日本語UIは未対応で、バージョンはまだ0.1系。データのバックアップは忘れずに
AIに毎回同じ説明を繰り返している人ほど、恩恵は大きいはずです。まずは公式のリリースページから自分のOS向けのファイルをダウンロードし、手持ちのメモを1つ置いてAIに読ませてみるところから始めてみてください。


