- GPT-5.6が2026年7月に一般公開。Sol・Terra・Lunaの3モデル構成です
- 最上位のSolは、料金がClaude Fable 5の半額(100万トークンで入力5ドル)
- 性能は「Agents’ Last Exam」でFable 5を13.1点上回る一方、コーディングの一部では負けています
- 米政府の審査を経てから公開された、異例のモデルです
- ChatGPTやAPIですぐ使え、日本のユーザーにも大きく関係します
「またOpenAIが新しいモデルを出したの?」と思った方も多いはずです。
今回のGPT-5.6は、ただのバージョンアップではありません。価格を大きく下げながら、トップ級の性能に迫ったのがポイントです。
この記事を読めば、3つのモデルの違い、料金、ライバルとの実力差、そして日本のあなたにどう関係するかが5分でわかります。
GPT-5.6とは?何が発表されたのか
GPT-5.6は、OpenAIが2026年7月9日(米国時間)に一般公開した最新のAIモデルです。
ChatGPTを動かしている「頭脳」の新しい世代、と考えるとわかりやすいです。
今回の目玉は2つあります。
1つ目は、1つの名前で3種類のモデルをそろえたこと。用途や予算に合わせて選べるようになりました。
2つ目は、性能を上げながら料金を下げたことです。これまでは「高性能=高価格」が当たり前でした。
ちなみに、このモデルはChatGPT・Codex(プログラミング支援ツール)・API(外部アプリから使う仕組み)のすべてで同時に使えるようになっています。
Sol・Terra・Lunaの3モデルの違い
GPT-5.6は、太陽・大地・月を意味する3つの名前で分かれています。
それぞれ役割がはっきり分かれているので、順番に見ていきます。
Sol(ソル)=最上位モデル
Solは今回のフラッグシップ(看板モデル)です。
プログラミングやセキュリティ研究、科学分野など、難しい仕事で最高水準の性能を出します。
「一番かしこいAIが欲しい」という人向けです。
Terra(テラ)=バランス型
Terraは、性能と価格のバランスがよい中位モデルです。
OpenAIは「前世代のGPT-5.5と同じくらいの実力を、半額で使える」と説明しています。
社内の業務アシスタントなど、日常的にたくさん使う場面に向いています。
Luna(ルナ)=最速・最安
Lunaは3つの中で一番速く、一番安いモデルです。
文章の要約や、決まった形の作業を大量にこなすのが得意です。
「そこまで賢くなくていいから、安く大量に処理したい」という用途にぴったりです。
気になる料金はいくら?
AIの料金は「トークン」という単位で決まります。トークンとは、文章を細かく区切ったかたまりのことです。
100万トークンあたりの料金(入力/出力)は、次のようになっています。
- Sol:入力5ドル/出力30ドル(約775円/約4,650円)
- Terra:入力2.5ドル/出力15ドル(約388円/約2,325円)
- Luna:入力1ドル/出力6ドル(約155円/約930円)
注目したいのは、ライバルとの差です。
後で紹介するAnthropic社の「Claude Fable 5」は、入力10ドル/出力50ドル。
つまり最上位のSolでも、Fable 5のちょうど半額で使える計算になります。
さらに、一度使った内容を再利用する「キャッシュ」を使うと、料金が最大90%オフになります。同じ資料を何度も参照する使い方だと、コストはさらに下がります。
性能はどこまで上がった?ライバルとの比較
ここが一番気になるところですよね。実際の実力を、ライバルと比べて見てみます。
比較の相手は、いま最強クラスと言われるAnthropic社のClaude Fable 5です。
得意なところ:長時間の実務でリード
「Agents’ Last Exam」というテストがあります。55の専門分野で、長い時間がかかる実務をこなせるかを測るものです。
ここでSolは53.6点を記録し、Fable 5を13.1点も上回りました。
長い作業を最後までやり切る力では、Solが一歩リードした形です。
苦手なところ:一部のコーディングで負け
一方で、すべてで勝っているわけではありません。
プログラム修正の実力を測る「SWE-Bench Pro」では、Solが64.6%、Fable 5が80%。ここはFable 5がはっきり上でした。
総合的な賢さを示す「Intelligence Index」でも、Solは58.9点、Fable 5は59.9点と、わずか1点差で惜しくも及びませんでした。
ただしOpenAIは、この1点差について「所要時間は61%短く、コストは半分程度」と説明しています。「ほぼ同じ実力を、はるかに安く速く」というのが今回の狙いです。
ちなみに、この1週間はGrok 4.5(xAI社)やFable 5も相次いで登場し、AI地図が一気に塗り替わりました。値下げ競争は今後さらに激しくなりそうです。
なぜ公開が遅れた?米政府の審査
実はGPT-5.6には、少し変わった裏話があります。
完成してからすぐ全員が使えたわけではなく、約12日間、一部の信頼できるパートナーだけの限定公開にとどまっていました。
理由は、米政府による審査です。
トランプ大統領が2026年6月に署名したAIの大統領令により、強力なAIは公開前に政府が能力を確認する流れになりました。
今回は商務省の専門機関(CAISI)が評価を担当。OpenAIは技術者をワシントンに送り、質問に対応したと報じられています。
強力すぎるAIが悪用されないか、政府が事前にチェックする時代に入った、ということです。
日本のユーザーへの影響は?
「アメリカの話でしょ?」と感じるかもしれませんが、日本にも直接関係します。
GPT-5.6は、日本でもChatGPTやAPIを通じてすぐに使えます。日本経済新聞やITmediaなど、国内の主要メディアも一斉に報じました。
特に大きいのは、企業のコスト削減です。
ある会社が、これまでGPT-5.5で動かしていた社内チャットを考えてみましょう。同じ性能を出せるTerraに乗り換えるだけで、料金は約半分になります。試算では月51万円のコスト削減も可能とされています。
個人にも恩恵があります。無料や安いプランでも、賢いモデルに触れやすくなるからです。
プラン別の割り当ては「Pro向けはSol、Plus向けはTerraやLuna」との見通しが報じられていますが、これは今後正式に決まる段階です。
知識のカットオフ(学習データの締め日)は2026年2月16日、扱える文章量は最大100万トークンとされています。長い資料もまとめて読み込めます。
よくある質問(FAQ)
Q1. GPT-5.6は無料で使えますか?
ChatGPTの各プランで順次使えるようになる見通しです。無料枠での具体的な制限は、まだ公式に発表されていません。安く試したい場合は、API経由でLunaを使うのが最も低コストです。
Q2. Sol・Terra・Lunaはどれを選べばいい?
最高の賢さが必要ならSol、日常業務のバランス重視ならTerra、安く大量処理したいならLunaです。まずはTerraから試すのがおすすめです。
Q3. Claude Fable 5とどちらが優秀ですか?
用途によります。長時間の実務ならSol、細かいコード修正ならFable 5が有利です。ただし料金はSolが半額なので、コスト重視ならSolの魅力が大きいです。
Q4. 安いLunaは危なくないの?
「安い=安全」ではありません。TerraやLunaも、生物・化学・サイバーの分野では「High(高リスク)」に分類されています。安いモデルでも慎重な使い方が必要です。
Q5. なぜ3つに分けたのですか?
用途や予算に合わせて選べるようにするためです。すべてを最上位モデルで動かすとコストが高くなります。作業の重さに応じて使い分けることで、無駄を減らせます。
まとめ
今回のポイントを振り返ります。
- GPT-5.6は2026年7月に一般公開。Sol・Terra・Lunaの3モデル構成です
- 最上位Solの料金は、Claude Fable 5の半額です
- 長時間の実務ではFable 5を上回り、一部のコーディングでは負けています
- 米政府の審査を経て公開された、異例のモデルです
- 日本の企業にとっては、大きなコスト削減のチャンスです
まずはChatGPTで新しいGPT-5.6を選び、あなたの仕事でどれだけ速く・安くなるかを試してみましょう。
参考文献
- ITmedia AI+「OpenAI『GPT-5.6』一般公開 最上位モデルは『コスト半分で一部Fable 5超え』うたう」
- OpenAI「GPT-5.6: Frontier intelligence that scales with your ambition」
- the decoder「GPT-5.6 Sol nearly matches Fable 5 on aggregated benchmarks at one-third the cost」
- CNBC「OpenAI to publicly release GPT-5.6, rolls out conversational AI models」
- 日本経済新聞「OpenAI、最新『GPT-5.6』を9日一般公開 米政府が承認」


