Google Lyria 3 Pro完全解説|最大3分のフルレングス楽曲をAIで自動生成

伊東雄歩
監修者 伊東 雄歩

株式会社ウォーカー CEO。東北大学卒。MENSA会員、JDLA認定講師、健全AI教育協会理事。生成AI×教育・学習科学を専門とし、2億円超のシステム開発プロジェクトを統括。

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  • Google Lyria 3 Proは最大約3分のフルレングス楽曲をAIで生成できる音楽モデル
  • イントロ・ヴァース・コーラス・ブリッジなど楽曲構造を理解し、プロ品質のトラックを自動作成
  • Gemini API、Google AI Studio、Vertex AI、Gemini App、Google Vidsなど多数のプラットフォームで利用可能
  • テンポ、歌詞、画像からのインスピレーションなど細かいカスタマイズに対応
  • デジタル透かし(SynthID)を自動付与。著作権透明性を確保した設計

「AIで音楽を作る」と聞くと、まだBGM程度の短いループを想像するかもしれません。

しかし、Googleが2026年3月に発表したLyria 3 Proは、イントロからコーラス、ブリッジ、アウトロまで——最大約3分のフルレングス楽曲をAIだけで生成できるモデルです。

テキストで「アップテンポなJ-POPバラード」と指示するだけで、プロ品質の楽曲構造を持つトラックが数分で完成します。

Lyria 3 Proとは?|AI音楽生成の最前線

Lyria 3 Proは、Google DeepMindが開発したフルレングス楽曲生成に特化したAI音楽モデルです。

  • 最大約3分の楽曲生成 — 従来の短いクリップではなく、フルレングスの楽曲を1回のプロンプトで作成
  • 楽曲構造の理解 — イントロ、ヴァース(Aメロ)、コーラス(サビ)、ブリッジ(Cメロ)など、楽曲のセクション構造を自動で構築
  • Lyria 3 Clip — 短い高品質クリップ向けの軽量版も同時提供
  • 2026年3月25日に開発者向けパブリックプレビュー開始

たとえるなら、従来のAI音楽ツールが「楽器の音を出せるおもちゃ」だとすれば、Lyria 3 Proは「作曲・編曲・ミキシングまでこなすスタジオミュージシャン」。セクション構造を理解しているため、「聴いていて飽きない」楽曲を生成できます。

プロンプトで音楽を操る|カスタマイズ機能

  • テキストプロンプト — 「明るいポップスで、テンポ120BPM」のように自然言語で指示
  • テンポ指定 — BPM(1分あたりの拍数)を細かく指定可能
  • 歌詞入力 — 歌詞テキストを渡すと、それに合わせた楽曲を生成
  • 画像インスピレーション — 写真や画像をアップロードすると、そのイメージに合った音楽を生成
  • セクション指定 — 「コーラスを2回繰り返す」「ブリッジの後にギターソロを入れる」といった構造指示も可能

たとえるなら、「音楽に詳しい友人に、こういう曲作ってと頼む」感覚。音楽理論の知識がなくても、イメージを言葉にするだけで楽曲が生まれます。

利用可能なプラットフォーム

  • Gemini API — 開発者がアプリケーションに音楽生成機能を組み込むためのAPI
  • Google AI Studio — ブラウザ上で手軽にプロンプトを入力して音楽生成を体験
  • Vertex AI — エンタープライズ向けのGoogle Cloudプラットフォームで大規模利用
  • Gemini App — 一般ユーザー向けGeminiアプリから直接音楽生成
  • Google Vids — 動画作成ツールでBGMとして自動生成
  • ProducerAI — 音楽制作に特化したプラットフォームとの連携

安全性と著作権への配慮

  • SynthID透かし — 生成されたすべてのトラックにデジタル透かしを自動付与。AI生成コンテンツであることを識別可能
  • 学習データの透明性 — Googleのパートナーおよび許諾されたYouTubeデータを使用して学習
  • 商用利用 — API経由で生成した楽曲の商用利用条件はGoogleの利用規約に準拠
  • アーティスト保護 — 特定のアーティストの声や楽曲スタイルの模倣を制限するフィルタリング機能

たとえるなら、SynthIDは「楽曲のパスポート」。どこで生まれた(AI生成か人間作曲か)が常に確認できるため、著作権トラブルの防止に役立ちます。

競合AI音楽ツールとの比較

  • Suno — 人気のAI作曲サービス。ボーカル付き楽曲生成に強いが、楽曲構造のカスタマイズ性はLyria 3 Proが優位
  • Udio — 高品質な音楽生成で知られる。音質では高評価だが、Googleエコシステムとの統合はなし
  • AIVA — クラシック・映画音楽に特化。作曲理論に基づく生成が強みだが、ポップスは苦手
  • Lyria 3 Pro — Googleエコシステム統合+API提供+3分フルレングスが独自の強み。開発者が自社アプリに組み込める点で他を圧倒

活用シーン

  • YouTube動画のBGM — 著作権フリーのBGMを自分のイメージ通りに生成。フリー素材サイトで探す手間が不要に
  • ゲーム・アプリ開発 — シーンに合わせた音楽をAPIで動的に生成。プレイヤーの行動に応じてBGMが変化する体験も可能
  • 広告・プロモーション — 短いCMジングルからプロモーション動画のBGMまで、ブランドイメージに合った音楽を即座に作成
  • 個人の創作活動 — 楽器が弾けない人でも、イメージを言葉にするだけでオリジナル楽曲を制作

よくある質問(FAQ)

Q. 生成された楽曲を商用利用できますか?

Gemini APIの利用規約に基づき、商用利用が可能です。

ただし、SynthIDの透かしが埋め込まれるため、AI生成であることは識別可能です。

詳細はGoogleの最新の利用規約を確認してください。

Q. ボーカル(歌声)付きの楽曲は作れますか?

歌詞を入力してボーカル付き楽曲を生成する機能があります。ただし、現時点では英語が主要対応言語で、日本語歌詞の品質は発展途上です。

Q. 音楽の知識がなくても使えますか?

はい。

「明るい感じの曲」「落ち着いたジャズ」のような日常的な表現で指示できます。

BPMやコード進行などの専門知識は不要ですが、指定すればより細かくコントロール可能です。

Q. 既存の曲に似た楽曲を作れますか?

特定のアーティストや楽曲の模倣はフィルタリングで制限されています。「ジャズ風」「ロック調」などのジャンル指定は可能ですが、「〇〇っぽい曲」という指示は意図的に制限されています。

まとめ

この記事のポイントを振り返りましょう。

  • Lyria 3 Proは最大約3分のフルレングス楽曲をAIで生成できるGoogleの最新モデル
  • イントロ・ヴァース・コーラス・ブリッジなど楽曲構造を理解した自動作曲
  • テンポ、歌詞、画像など多彩なカスタマイズに対応
  • Gemini API・Vertex AI・Google Vids等Googleエコシステム全体で利用可能
  • SynthID透かしによる著作権透明性の確保

Lyria 3 Proが切り拓くのは、「音楽制作の民主化」です。

楽器が弾けなくても、音楽理論を知らなくても、頭の中のイメージを言葉にするだけでオリジナル楽曲が生まれる。

プロのミュージシャンにとっても、アイデアの高速プロトタイピングツールとして価値があります。

参考文献

  • Google. (2026). Lyria 3 Pro: Create longer tracks in more Google products. Google Blog
  • Google. (2026). How developers can use Lyria 3 for AI music generation. Google Blog
  • TechCrunch. (2026). Google launches Lyria 3 Pro music generation model. TechCrunch
  • Google AI for Developers. (2026). Generate music with Lyria 3. Google AI
  • Digital Music News. (2026). Google Announces Lyria 3 Pro Just a Month After Lyria 3. Digital Music News

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