Claudeが7月8日から本人確認|顔と身分証提出へ

伊東雄歩
監修者 伊東 雄歩

株式会社ウォーカー CEO。東北大学卒。MENSA会員、JDLA認定講師、健全AI教育協会理事。生成AI×教育・学習科学を専門とし、2億円超のシステム開発プロジェクトを統括。

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  • Anthropicは2026年7月8日から、Claudeで本人確認を始めます
  • 求められるのは政府発行の身分証、自撮り写真、そして顔の形のデータです
  • 対象は個人向けのFree・Pro・Maxプラン。企業向けや開発者向けは対象外です
  • 全員ではなく「一部の使い方」をする人だけが確認を求められます
  • 身分確認はPersonaという外部企業が担当し、賛否が分かれています

いつも使っているAIに、突然「身分証を見せてください」と言われたら、あなたはどう感じますか。2026年7月8日、ChatGPTと並ぶ人気AI「Claude(クロード)」で、この本人確認が始まります。誰が対象で、何を出すのか。そして日本のユーザーにはどう関係するのか。やさしく整理します。

Anthropicが本人確認を始めるって本当?

本当です。Claudeを開発するAnthropic(アンソロピック)が、新しいプライバシーポリシー(個人情報の取り扱いルール)を発表しました。

このルールは2026年7月8日に正式に効力を持ちます

内容をひとことで言うと、「必要なときは、あなたが本人かどうかを確認します」というものです。

実は、確認方法を説明するヘルプページ自体は、2026年4月15日ごろにはすでに公開されていました。今回、発効日がはっきりしたことで、一気に注目が集まったのです。

何を提出するの?顔・身分証・自撮りの3点

では、具体的に何を求められるのでしょうか。Anthropicが集める可能性があるのは、主に次の3つです。

  • 政府発行の身分証(パスポート、運転免許証、国民IDなど)
  • 自撮り写真や動画(その場で撮るライブセルフィー)
  • 顔の形のデータ(顔の特徴を数値にした「フェイシャルジオメトリ」)

3つめの「顔の形のデータ」は、目や鼻の位置などを数値化したものです。

これは多くの国で生体情報(体の特徴をもとにした個人情報)として、特に慎重な扱いが求められます。

身分証に書かれた生年月日やID番号、そして確認の結果も記録されます。かなり踏み込んだ情報だと言えます。

全員が対象じゃない|誰が求められる?

「自分も顔写真を送らないといけないの?」と不安になった方も多いでしょう。でも、安心してください。全員が対象ではありません。

対象になるプラン

本人確認の対象は、個人向けのFree・Pro・Maxプランです。つまり、私たちが普段ひとりで使っている無料版や月額版が当てはまります。

ただし、これらのプランの人が全員求められるわけではありません。Anthropicは「一部の使い方(a few use cases)に限って導入する」と説明しています。

具体的には、特定の機能を使うとき、不正がないか確認するとき、安全やルール順守のために必要なとき、などです。どの操作が確認のきっかけになるかは、はっきり公表されていません。

対象から外れる人

一方で、はっきり対象外とされているものもあります。

  • Claude Team(チーム向け)
  • Claude Enterprise(大企業向け)
  • Claude Developer Platform(開発者向けのAPI)
  • 個別の商用契約で使っているサービス

仕事でチームや企業として契約している場合や、プログラムからAPI(外部からAIを呼び出す仕組み)で使っている場合は、今回の本人確認の対象外です。

なぜ批判の声が上がっているの?

Anthropicは導入の理由として、不正利用を防ぐため、利用ルールを守らせるため、法律上の義務を果たすためと説明しています。

背景には、子どもを守るための法律の広がりがあります。アメリカでは州レベルで、子どものオンライン被害を防ぐ法律が20以上も作られているのです。

Anthropicは「本人確認のデータをAIの学習には使わない」とも明言しています。

それでも、利用者からは強い反発が出ています。理由は大きく2つです。

1つめは確認を担当する会社への不信です。本人確認は「Persona(ペルソナ)」という外部のKYC企業(本人確認を専門にする会社)が担当します。

このPersonaに出資しているファンドの共同創業者が、Anthropicにも関わる著名投資家ピーター・ティール氏だと指摘され、「身内に任せているのでは」という利益相反(立場が利害でぶつかること)の懸念が出ました。

2つめはデータの保管期間がはっきりしないことです。顔の形や身分証の画像を、いつまで保存するのかが明記されていません。「裏切られた気分だ」という声もSNS上で広がっています。

他のAIはどうなの?OpenAIとの違いを比較

「Claudeだけが特別なの?」と思うかもしれませんが、そうではありません。本人確認はAI業界全体の流れになりつつあります。

ライバルのOpenAI(ChatGPTの開発元)も、年齢確認の仕組みを導入しています。おもしろいことに、確認を担当するのはAnthropicと同じPersonaです。

ただし、扱いには違いがあります。OpenAIの場合、Personaが身分証や自撮りを確認した後、7日以内にそのデータを削除します。

そしてOpenAI本体には、生年月日か「年齢の予測結果」だけが渡る仕組みです。本体が身分証そのものを受け取らない設計になっています。

主な違いを整理すると、次のようになります。

  • Claude(Anthropic):個人向けで本人確認を導入。保管期間は明示なし
  • ChatGPT(OpenAI):年齢確認が中心。Personaが7日でデータ削除
  • Character.AI:18歳未満向けに利用制限(エイジゲート)を導入

このように、どのサービスも「年齢」や「本人」を確かめる方向に進んでいます。Claudeの動きは、その大きな波の一部だと考えると分かりやすいです。

日本のユーザーにどう関係する?

では、日本に住む私たちにはどう影響するのでしょうか。

まず、Claudeは日本でも人気です。特にプログラミングを助ける「Claude Code」は、エンジニアの間で広く使われています。

今回の本人確認は個人向けのPro・Maxプランが対象なので、日本の個人ユーザーも条件によっては求められる可能性があります。

提出する身分証は、日本ならパスポートや運転免許証が使えると考えられます。

ここで気になるのが顔の形のデータです。日本の個人情報保護法では、顔の特徴データは「個人識別符号」として慎重な扱いが必要とされています。

海外の会社に顔データを預けることに、不安を感じる人もいるでしょう。

一方で、仕事でClaudeを使う企業は安心できる面もあります。企業向けや開発者向けは対象外なので、業務での利用には大きな影響が出にくいからです。個人で使うか、組織で使うかで対応が変わってくる、と覚えておくとよいでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 7月8日から、Claudeを使うたびに身分証が必要になりますか?
いいえ。全員・毎回ではありません。「一部の使い方」をしたときだけ、確認を求められる仕組みです。

Q2. 無料プランでも対象になりますか?
はい。Free・Pro・Maxの個人向けプランが対象です。ただし、必ず求められるわけではありません。

Q3. 顔のデータはAIの学習に使われますか?
Anthropicは「本人確認のデータをモデルの学習には使わない」と明言しています。確認のためだけに使うとしています。

Q4. 会社でClaudeを契約していますが、影響はありますか?
基本的にありません。Team・Enterprise・開発者向けAPIは、今回の本人確認の対象外です。

Q5. 身分証を出したくない場合はどうなりますか?
確認が求められる機能では、本人確認をしないと利用できない可能性があります。どうしても避けたい場合は、対象外のプランや使い方を検討することになります。

まとめ

今回のポイントを振り返ります。

  • Claudeは2026年7月8日から本人確認を導入する
  • 求められるのは身分証・自撮り・顔の形のデータの3点
  • 対象は個人向けのFree・Pro・Max。企業や開発者向けは対象外
  • 全員ではなく「一部の使い方」をする人だけが確認される
  • 確認を担うPersonaやデータ保管をめぐり、賛否が分かれている

まずは7月8日以降、自分が使う機能で確認を求められるかどうかを落ち着いて見極めることが、最初の一歩になります。

参考文献

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