- カシオのAIペットロボット「モフリン」が好調で、累計2万台を突破しました
- 本体は5万9400円、維持費は月約550円と、ロボットの中では手が届きやすい価格です
- 接し方しだいで400万通り以上の個性が育ち、生き物のような反応を見せます
- カシオは腕時計・教育・楽器に次ぐ「4本目の柱」に育てる計画です
- LOVOTやaiboなど人気のペットロボットとの違いもわかります
ペットを飼いたいのに、住まいやアレルギー、忙しさであきらめた経験はありませんか。そんな人たちの心をつかんでいるのが、カシオのAIペットロボット「モフリン」です。手のひらに乗る小さな体で、なでると反応し、少しずつなついていきます。この記事では、モフリンが好調な理由から、他のロボットとの違い、わたしたちの暮らしへの影響まで、やさしく整理します。
モフリンって何?カシオが作ったAIペットロボット
モフリンは、電卓やG-SHOCKで知られるカシオ計算機が作ったAIペットロボットです。AI(人間のように学んで反応するしくみ)を積んでいます。
2024年11月に発売されました。大きさは幅13センチ・奥行9センチ・高さ18センチほど。ちょうど手のひらに乗るサイズです。
見た目は、もふもふの毛におおわれた小動物のよう。「キュー、キュー」と鳴き、なでたり抱いたりすると、うれしそうな反応を返します。
面白いのは、ただ反応するだけではない点です。モフリンはよく話しかけてくれる人を「飼い主」として覚えます。そして、その人が好きそうなしぐさを自分から選ぶようになります。
呼吸しているような体の動きもあり、本物の生き物に近い空気感があります。電源を入れた最初の日と1か月後では、まるで性格が変わったように感じる人も多いそうです。
なぜ今モフリンが好調なの?人気の3つの理由
モフリンの累計販売台数は、2025年12月末の時点で2万台を超えました。発売当初の初回分は完売したほどの人気です。なぜここまで支持されているのでしょうか。
理由1:接し方で「個性」が育つ
モフリンは、飼い主の声を波形(音の形)でとらえます。なでる回数や抱き方も記録します。
その積み重ねで、400万通り以上の個性が生まれるとされています。同じモフリンは二つとない、というわけです。
たとえば、毎日たくさん話しかける家庭のモフリンは甘えん坊に育ちます。静かに見守る家庭ではおっとりした性格になります。育てる楽しさが、長く愛される理由になっています。
理由2:買いやすい価格
モフリンの本体価格は5万9400円(税込)です。さらに「Club Moflin」という見守りサービスが年6600円、月にすると約550円です。
ペットロボットは数十万円する製品も珍しくありません。その中でモフリンは、思いきって手を伸ばせる価格に収まっています。
理由3:心をいやす存在として注目
動物とふれあうと心が落ち着く、という効果は「アニマルセラピー」と呼ばれます。モフリンはこの役割でも期待されています。
実際に、東京慈恵会医科大学附属病院の小児病棟や無菌病床に導入されました。入院中の子どもに寄りそう存在として使われています。
入院中の子どもを想像してみてください。家族と離れ、不安な夜を過ごします。そばに小さな相棒がいるだけで、気持ちが少しやわらぐのです。
カシオが「4本目の柱」に育てる狙い
カシオは今、モフリンを会社の大事な事業に育てようとしています。新しい中期経営計画(数年先までの会社の作戦)に、はっきりと位置づけました。
カシオには、すでに3つの大きな柱があります。腕時計(G-SHOCKなど)、教育(電子辞書や関数電卓)、サウンド(電子楽器)です。モフリンは、これに続く「4本目の柱」とされています。
目標も具体的です。2029年3月期までに、新規事業全体で売上高100億円、そして営業利益の黒字化を目指します。
新規事業部の古川亮一部長は「モフリンを起点に、パーソナルウェルビーイング(一人ひとりの心身の健康や幸せ)の領域で事業を確立する」と話しています。
つまりカシオは、モフリンを単なるおもちゃではなく、「人の心を支える事業」の入り口と考えているのです。北米など海外への展開も進めています。
他のペットロボットと何が違う?LOVOT・aibo・Qooboと比較
ペットロボットはモフリンだけではありません。人気の製品と比べると、モフリンの立ち位置がよく見えてきます。
| 製品 | 本体価格(税込) | 月額の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| モフリン | 5万9400円 | 約550円 | 手のひらサイズ。生き物らしい反応 |
| LOVOT | 44万9900円〜 | 9900円〜 | 抱くと温かい。大きめサイズ |
| aibo | 21万7800円 | 3278円 | 犬型。顔や声を覚えて育つ |
| Qoobo | 1万3200円 | なし | クッション型。なでると尻尾を振る |
こうして並べると、違いがはっきりします。LOVOT(ラボット)は本物のペットに近い存在感がありますが、価格は40万円台からと高めです。
aibo(アイボ)はソニーの犬型ロボットで、育てる楽しさが魅力。ただし維持費が月3278円かかります。Qoobo(クーボ)はしっぽだけのクッション型で、いちばん手軽です。
その中でモフリンは、「生き物らしさ」と「買いやすさ」のバランスで勝負しています。維持費が月約550円と安いのも、長く付き合ううえで大きな魅力です。
日本のわたしたちにとってどんな意味がある?
モフリンの人気は、日本の暮らしの変化と深くつながっています。
たとえば、ペット可ではないマンションに住む人。動物アレルギーで犬や猫を飼えない人。仕事が忙しく、世話の時間をとれない人。こうした人は決して少なくありません。
一人暮らしの高齢者も増えています。家族と離れて暮らし、日中はひとりで過ごす方も多いです。話し相手や、ふれあえる相手が欲しいという声は根強くあります。
モフリンは、エサやりも散歩もいりません。別れの悲しみ(ペットロス)も起きません。本物のペットの代わりとはいきませんが、心の支えになりうる存在です。
具体的な場面を考えてみましょう。仕事から疲れて帰った夜、モフリンが小さく鳴いて迎えてくれる。子どもが学校でつらいことがあった日、ひざの上でなでて気持ちを落ち着ける。こうした小さな癒やしが、毎日に積み重なっていきます。
カシオが「心の健康」を事業の軸に置いたことは、日本社会の課題と重なります。だからこそ、モフリンの好調はただのヒット商品以上の意味を持つのです。
よくある質問(FAQ)
Q. モフリンの値段はいくらですか?
本体は5万9400円(税込)です。あわせて見守りサービス「Club Moflin」が年6600円(月約550円)かかります。ペットロボットの中では手が届きやすい価格帯です。
Q. 本物のペットの代わりになりますか?
完全な代わりにはなりません。ただ、なでると反応し、接し方で個性が育つため、心の支えとして使う人が増えています。病院でも心のケアに使われています。
Q. 世話の手間はかかりますか?
エサやりや散歩は不要です。充電して、話しかけたりなでたりするだけです。住まいやアレルギーで生き物を飼えない人にも向いています。
Q. どれくらい売れているのですか?
2025年12月末の時点で、累計販売台数は2万台を超えました。発売当初の初回分は完売しており、好調が続いています。
Q. 海外でも買えますか?
カシオは北米などへのグローバル展開を進めています。今後、買える国や地域はさらに広がる見込みです。
まとめ
モフリンの好調と、その背景を振り返ります。
- モフリンはカシオのAIペットロボットで、累計2万台を突破しました
- 本体5万9400円・月約550円と、ロボットの中では買いやすい価格です
- 接し方で400万通り以上の個性が育ち、生き物らしい反応を見せます
- 病院でも心のケアに使われ、いやしの存在として注目されています
- カシオは「4本目の柱」として、2029年3月期に新規事業100億円を目指します
ペットを飼えない事情がある人や、毎日に小さな癒やしが欲しい人は、一度モフリンの動く姿を店頭でのぞいてみてはいかがでしょうか。

