- Campfireは37signals(Basecamp開発元)が提供する無料・オープンソースのセルフホスト型グループチャット
- サブスクリプション不要。自分のサーバーにインストールするだけで、チーム全員が無料で使える
- チャットルーム、DM、メンション、検索、モバイル対応など基本機能を網羅
- データが自社サーバーに残るため、機密情報を扱う環境でも安心して導入可能
- Docker対応で導入も簡単。2025年9月に無料化され、GitHubでオープンソース公開中
Slackの無料プランは90日でメッセージが消える。
Teamsは Microsoft 365の契約が必要。
「もっとシンプルで、お金もかからないチャットツールはないの?」——そんな声に応えるのが、Campfireです。
Basecamp(ベースキャンプ)の開発元として知られる37signalsが作った、サブスクリプション完全不要のセルフホスト型グループチャット。
2025年9月に無料化・オープンソース化され、誰でも自分のサーバーに導入できるようになりました。
Campfireとは?|37signalsが作ったシンプルチャット
Campfireは、37signalsが開発したセルフホスト型のグループチャットアプリケーションです。
- 完全無料・オープンソース — GitHubでソースコード公開。月額料金、ユーザー数制限なし
- セルフホスト — 自分のサーバーにインストールして運用。データは自社管理
- シンプル設計 — チャットルーム、DM、メンション、検索、ファイル共有など基本機能に特化
- Ruby on Rails製 — 37signalsの主力フレームワークで構築。コードの学習教材としても人気
たとえるなら、Campfireは「自分で建てる集会所」。SlackやTeamsが「毎月家賃を払うレンタルオフィス」だとすれば、Campfireは一度建てたらずっと無料で使える、自分たちだけの空間です。
なぜ無料に?|ONCEモデルからオープンソースへ
- ONCE(ワンス)モデル — 37signalsが提唱した「一度買い切り」型のソフトウェア販売。Campfireはその第1弾として有料販売されていた
- 2025年9月に無料化 — 有料版を購入した一部エンジニアはRuby on Railsのコード学習目的で購入していたほど、コード品質が高い
- オープンソース公開 — GitHubの
basecamp/once-campfireリポジトリで誰でもアクセス可能 - 37signalsの哲学 — 「SaaSのサブスクリプション疲れ」に対するアンチテーゼとして、自分でホストする自由を重視
たとえるなら、最初は「設計図付きのDIYキット」として販売していたものが、設計図を無料公開して誰でも作れるようにした——という流れです。
主な機能
- チャットルーム — 話題ごとに部屋を作成。プロジェクト別、部署別など自由に整理
- ダイレクトメッセージ — 1対1の個別チャット。プライベートな会話に最適
- メンション(@通知) — 特定のメンバーに通知を送信。見逃し防止
- 全文検索 — 過去のメッセージを検索可能。Slackの無料プランと違い期間制限なし
- ファイル共有 — 画像やドキュメントをドラッグ&ドロップで送信
- モバイル対応 — スマートフォンのブラウザからもアクセス可能
- マルチプラットフォーム — Windows、Mac、Linux、スマホすべてに対応(Webブラウザで動作)
導入方法|Dockerで簡単セットアップ
- 必要環境 — DockerとDocker Composeが動作するサーバー(VPS、AWS、Google Cloud等)
- 手順1 — GitHubからリポジトリをクローン:
git clone https://github.com/basecamp/once-campfire - 手順2 —
.envファイルを作成し、ドメイン名やセキュリティキーなどの環境変数を設定 - 手順3 —
docker compose up -dでサーバーを起動 - 手順4 — ブラウザからアクセスし、管理者アカウントを作成。招待リンクを発行してメンバーを追加
- 所要時間 — サーバーの準備があれば30分〜1時間で運用開始可能
セルフホストのメリットと注意点
メリット
- データ主権 — 会話データが自社サーバーに残る。第三者に情報が渡らない
- コスト削減 — ユーザー数が増えても追加料金なし。Slackの有料プラン(1人あたり月額$8.75〜)と比較すると大幅に節約
- メッセージ保存期間の制限なし — Slackの無料プランのような90日制限がない
- カスタマイズ自由 — オープンソースのため、コードを修正して独自機能を追加可能
注意点
- サーバー管理 — OSのアップデート、セキュリティパッチ、バックアップなどの運用が必要
- TLS/SSL設定 — HTTPS化のための証明書設定が必要(Let’s Encrypt等で無料対応可能)
- スケーリング — 大規模チーム(数百人以上)での運用実績は限定的
競合ツールとの比較
- Slack — 機能は豊富だが、無料プランは90日でメッセージ消失。有料プランは1人月額$8.75〜。大企業向け
- Microsoft Teams — Microsoft 365契約が前提。Office連携が強みだが、単体チャットとしては重い
- Mattermost — オープンソースのSlack代替。機能はSlack並みだが、設定・運用が複雑
- Rocket.Chat — 多機能なオープンソースチャット。ビデオ通話も内蔵だが、リソース消費が大きい
- Campfire — シンプルさが最大の武器。小〜中規模チームに最適。37signalsの品質保証付きコードベース
よくある質問(FAQ)
Q. エンジニアがいなくても導入できますか?
Docker Composeの基本操作が必要なため、完全な非エンジニアには難しい場合があります。ただし、DigitalOceanなどのクラウドサービスではワンクリックデプロイが提供されており、手順を大幅に簡略化できます。
Q. Slackからの移行は簡単ですか?
Campfireにはインポート機能がないため、過去のメッセージの移行は困難です。新規チャットとして始め、必要な情報は手動でピン留めする運用がおすすめです。
Q. ビデオ通話やボット機能はありますか?
Campfireはテキストチャットに特化しており、ビデオ通話やボット連携は標準搭載されていません。シンプルさを重視した設計のため、必要な場合は別ツール(Zoom等)との併用が推奨されます。
Q. セキュリティは大丈夫ですか?
37signalsのプロダクション品質のコードがベースであり、基本的なセキュリティは確保されています。
ただし、セルフホストのためサーバーのセキュリティ管理は運用者の責任。
TLS設定、定期アップデート、ファイアウォール設定が重要です。
まとめ
この記事のポイントを振り返りましょう。
- Campfireは37signalsが開発した無料・オープンソースのセルフホスト型チャット
- サブスクリプション不要。ユーザー数制限もメッセージ保存期間制限もなし
- チャットルーム、DM、メンション、検索など基本機能を網羅
- Docker対応で30分〜1時間で導入可能
- データが自社サーバーに残るためプライバシーに強い
Campfireは、「チャットツールにそこまでの機能は要らない」と感じているチームにとって最適な選択肢です。
37signalsが20年以上培ってきた「シンプルで使いやすいソフトウェア」の哲学が、そのまま形になったツール。
サブスクリプション疲れから解放されたい方は、ぜひ試してみてください。
参考文献
- 37signals. (2025). ONCE — Campfire. ONCE
- 37signals. (2026). basecamp/once-campfire. GitHub
- GIGAZINE. (2026). Campfire is a super simple, free group chat application. GIGAZINE
- DigitalOcean. (2026). Campfire | Marketplace. DigitalOcean
- SaaS Group. (2026). Building Campfire with Jason Fried @37signals. SaaS Group


