AI がコードを書く時代、どのツールを選ぶかで開発効率が大きく変わります。今回は Sourcegraph 製の「Cody(コーディ)」と Microsoft 製の「GitHub Copilot(ギットハブ・コパイロット)」を徹底比較します。
この記事でわかること
- Cody と GitHub Copilot の基本的な違い
- 機能・料金・対応エディタの比較表
- それぞれが得意なプロジェクト規模とチーム構成
- 実際の使用感とコード生成の精度の違い
- あなたのチームに最適なツールの選び方
Cody(コーディ)とGitHub Copilotの基本情報
Cody(コーディ)は Sourcegraph 社が開発した AI コーディングアシスタントです。複数のリポジトリ(コードの保管場所)を同時に理解できる点が最大の特徴で、大規模な企業向けプロジェクトで力を発揮します。2026年4月には Claude Opus 4.7 などの最新 LLM(人間みたいに文章を書ける AI)にも対応し、スマートホバーサマリー機能も追加されました。
一方、GitHub Copilot(ギットハブ・コパイロット)は Microsoft 傘下の GitHub が提供する AI アシスタントです。コード補完(入力中に次のコードを自動提案する機能)の精度が高く、GitHub にコードを保存しているチームならスムーズに導入できます。OpenAI の技術をベースにしており、世界中で最も広く使われている AI コーディングツールの一つです。
両者とも VS Code や JetBrains などの主要エディタに対応していますが、得意分野と想定ユーザーが大きく異なります。
機能比較表
| 機能 | Cody(コーディ) | GitHub Copilot | |||
|---|---|---|---|---|---|
| マルチリポジトリ対応 | ◎ 10個以上を同時検索可能 | △ 単一リポジトリが基本 | |||
| コード補完精度 | ○ 高品質だがやや遅い | ◎ 高速でスムーズ | 対応エディタ | VS Code、JetBrains、Visual Studio、Web | VS Code、Visual Studio、JetBrains、Neovim |
| LLM 選択肢 | ◎ Claude、GPT など複数選択可 | × GPT シリーズのみ | |||
| コンテキスト理解 | ◎ 全コードベースを横断理解 | ○ GitHub ホストのコードに限定 | |||
| セキュリティ機能 | ◎ コンテキストフィルターで機密保護 | ○ 基本的な除外設定 | |||
| チャット機能 | ◎ Deep Search でドメイン特化質問可 | ○ 標準的なチャット | |||
| セルフホスト対応 | ◎ 可能(エンタープライズ) | × クラウドのみ |
料金・プラン比較
GitHub Copilot は個人向けプランが月額 10 ドル、企業向けが月額 19 ドル(ユーザーあたり)です。プランはシンプルで、GitHub アカウントがあればすぐに始められます。学生や OSS(オープンソース・ソフトウェア)開発者には無料プランも提供されています。
Cody は 2025年7月以降、個人向け無料プランを終了し、エンタープライズ専用にシフトしました。現在の価格は月額 59 ドル(ユーザーあたり)からとなっています。一部では月額 9 ドルのプランも言及されていますが、主に大規模企業向けのライセンス体系です。小規模チームや個人開発者には、新しく登場した「Amp」という別製品が推奨されています。
コスト面では GitHub Copilot の方が個人や中小チームに優しい価格設定です。一方、Cody は初期投資は高いものの、複数リポジトリを扱う大規模プロジェクトでは、開発効率の向上で投資回収できる可能性があります。
得意なユースケースの違い
Cody が力を発揮するのは、マイクロサービス(機能ごとに分割された複数のアプリ)やモノレポ(複数プロジェクトを一つのリポジトリで管理する方式)を採用している企業です。たとえば、フロントエンド、バックエンド、API、データベースなど 10 個以上のリポジトリを横断してコードを検索・理解できるため、「あの関数はどこで定義されていたっけ?」という悩みがなくなります。
また、金融機関や医療系など、機密情報を扱う業界では Cody のコンテキストフィルター機能が重要です。特定のファイルやディレクトリを AI に送信しない設定ができるため、個人情報や企業秘密を守りながら AI の恩恵を受けられます。セルフホスト(自社サーバーで運用)も可能なので、外部クラウドにコードを送りたくない企業にも向いています。
一方、GitHub Copilot は個人開発者やスタートアップ、GitHub をメインに使っているチームに最適です。コード補完が非常にスムーズで、よくあるパターン(ループ、API 呼び出し、テストコードなど)を瞬時に提案してくれます。「サクサク書きたい」「まずは試したい」という場合は Copilot の方が導入ハードルが低いでしょう。
実際の使用感の違い
GitHub Copilot の最大の魅力は「待たされない」ことです。コードを書き始めるとすぐにグレーの候補(ゴーストテキスト)が表示され、Tab キーで確定できます。単純な繰り返し作業やボイラープレート(決まり文句のようなコード)を書くときは、まるで頭の中を読まれているかのような体験です。ただし、プロジェクト独自の設計パターンや複雑なビジネスロジックでは、的外れな提案が出ることもあります。
Cody は少し考える時間が必要ですが、その分「文脈を理解した回答」が返ってきます。チャット機能で「このエラーの原因を教えて」と聞くと、関連する複数ファイルを参照して答えてくれます。2026年4月に追加されたスマートホバーサマリー機能では、関数名にカーソルを合わせるだけで「この関数はどこで何回使われているか」が表示されるため、レガシーコード(古いコード)の解読にも役立ちます。
また、Cody は Claude Opus 4.7、GPT-4、Gemini など複数の LLM を切り替えられるため、「このタスクには Claude が向いている」「この質問は GPT が得意」といった使い分けができます。一方 Copilot は OpenAI の GPT シリーズに限定されるため、モデルの選択肢はありません。
結論:あなたが選ぶべきはどっち?
結論として、以下の基準で選ぶとよいでしょう。
GitHub Copilot を選ぶべき人
- 個人開発者、フリーランス、スタートアップメンバー
- GitHub にコードを保存している小〜中規模チーム
- とにかく素早くコードを書きたい、補完精度を重視する
- 月額 10 ドルという手頃な価格で試したい
- 学生や OSS 開発者(無料枠がある)
Cody を選ぶべき人
- マイクロサービスやモノレポを採用している企業
- 10 個以上のリポジトリを横断して開発する大規模チーム
- 金融、医療など機密情報を扱う業界(セキュリティ重視)
- GitHub 以外(GitLab、Bitbucket など)も使っている
- 複数の LLM を使い分けたい、またはセルフホストしたい
どちらも優れたツールですが、プロジェクトの規模とチームの構成によって最適解は変わります。まずは無料トライアルや個人プランで試してみて、チームの開発スタイルに合う方を選びましょう。AI コーディングアシスタントは今後さらに進化するので、定期的に見直すことも大切です。
まとめ
- GitHub Copilot はコード補完が速く、個人〜中小チーム向け(月額10ドル)
- Cody は複数リポジトリ対応で大規模企業向け(月額59ドル〜)
- セキュリティ重視ならCody、手軽さ重視ならCopilot
- Cody は LLM を選べる柔軟性、Copilot は GitHub との連携が強み
- まずは無料トライアルで実際の開発フローを試すのがおすすめ

