韓国大手3社がClaude全社導入|日本への影響は?

伊東雄歩
監修者 伊東 雄歩

株式会社ウォーカー CEO。東北大学卒。MENSA会員、JDLA認定講師、健全AI教育協会理事。生成AI×教育・学習科学を専門とし、2億円超のシステム開発プロジェクトを統括。

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  • Anthropic(クロードを作るAI企業)が2026年6月17日にソウル拠点を開設しました
  • NAVER・Samsung・LGなど韓国を代表する大企業が、Claudeを全社レベルで導入しています
  • NAVERは数千人のエンジニア全員が「Claude Code」を使い始めました
  • 米国の輸出規制が続くなか、業務用モデルは規制対象外で問題なく動いています
  • 同じAI内製化の波は、日本企業にも確実に広がろうとしています

「AIを会社全体で本気で使う」とは、どういう状態なのでしょうか。その答えが、いま韓国で見えてきました。Anthropic(アンソロピック)がソウルに拠点を構え、韓国の超大手が一斉にClaude(クロード)を導入したのです。この記事を読めば、何が起きたのか、そしてそれが日本企業にどう関係するのかがわかります。

ソウルで何が起きたのか

2026年6月17日、Anthropicがソウルにオフィスをオープンしました。

Anthropicは、対話AI「Claude」を開発しているアメリカの会社です。

ソウルは、アジア太平洋で3番目の拠点になります。すでに東京とインドのベンガルールに拠点があり、それに続く形です。

拠点の代表には、KiYoung Choi氏が就任しました。韓国のテクノロジー業界を30年以上リードしてきた人物です。

ただオフィスを開いただけではありません。同時に、韓国の名だたる企業との提携が一気に発表されたのが大きなポイントです。

韓国の超大手がClaudeを全社導入

今回の発表でいちばん驚かれたのは、導入企業の顔ぶれです。韓国経済を支える大企業が並びました。

NAVER:エンジニア全員がClaude Codeへ

NAVER(ネイバー)は、韓国最大の検索・IT企業です。日本ではLINEの親会社としても知られています。

そのNAVERが、エンジニア組織の全体に「Claude Code」を導入しました。

Claude Codeは、AIがプログラムを書いたり直したりしてくれる開発ツールです。数千人のエンジニアが、日々のコーディングに使い始めています。

Samsung・LG:グループ全体へ展開

Samsung(サムスン)では、IT子会社のSamsung SDSがClaudeを展開しています。サムスン電子の社員が、知識作業やソフト開発に使う計画です。

LG(エルジー)も同じ流れです。IT子会社のLG CNSが、数千人の社員にClaudeを配り始めました。今後はLGグループ全体へ広げる方針です。

つまり韓国を代表する財閥が、そろってAIの社内活用に舵を切ったということです。

ゲームや非営利団体にも広がる

導入はIT大手だけではありません。

世界的なゲーム会社Nexon(ネクソン)では、開発チームがClaude Codeでゲームのコードを書いています。何百万人もが遊ぶオンラインゲームの開発現場です。

顧客対応AIの「Channel Talk」を運営するChannel Corpは、Claudeで23万社以上のサポートを支えています。

さらに非営利団体のGood Neighbors Koreaも、事業の分析や事務作業の効率化にClaudeを活用しています。

政府・大学とも手を組む

Anthropicは企業だけでなく、韓国政府や大学とも提携しました。

まず韓国の科学技術情報通信省と覚書(おぼえがき=協力の約束)を結びました。AIの安全性やサイバーセキュリティの分野で協力します。

大学とも連携します。韓国の国立AI研究ラボ(NAIRL)を通じて、60人以上の研究者にClaudeを提供します。

このラボには、KAIST・高麗大学・延世大学・POSTECHといった韓国トップの研究機関が参加しています。

なぜ今、韓国だったのか

じつは、この発表の裏には複雑な事情があります。米国の「輸出規制」です。

2026年6月12日、米商務省はAnthropicに対し、最上位モデルの提供停止を命じました。対象は「Claude Mythos 5」と「Claude Fable 5」です。

これらは外国人ユーザーへの提供が止められました。中国とのつながりが疑われる韓国の通信会社がアクセスしていた、というのが発端と報じられています。

ここで疑問がわきます。規制があるのに、なぜ韓国企業はClaudeを使えているのでしょうか。

答えはシンプルです。業務で使われているのは規制対象外のモデルだからです。

NAVERやSamsungが使うClaude CodeやClaude Coworkは、「Sonnet 4.6」「Opus 4.8」という別のモデルで動いています。これらは今回の規制に含まれていません。

だから韓国のエンジニアたちは、いまもふつうにツールを使えているのです。規制のニュースと大型導入が同時に流れたことで、かえって注目が集まりました。

他のAIと何が違う?

「業務で使うAIなら、ChatGPTでもいいのでは?」と思うかもしれません。ここで簡単に比べてみます。

OpenAIのChatGPTは、世界でいちばん有名な対話AIです。一般ユーザー向けの知名度では圧倒的です。一方Anthropicは、企業向けと安全性に力を入れる戦略をとっています。

GoogleのGemini(ジェミニ)は、検索やGmailなど自社サービスとの連携が強みです。すでにGoogleを使う企業には自然に入り込みます。

そのなかでClaudeが選ばれる理由は、コード生成の評価の高さ安全性重視の姿勢です。NAVERのような開発主体の企業が全社導入したのは、その証といえます。

もう1つの違いは「データの扱い」です。Anthropicは、地域内でデータを処理する仕組み(データ主権)を整えています。大企業が安心して使える理由の1つです。

日本企業にとっての意味

韓国の話だと思って読んでいませんか。じつは日本企業にも深く関係します。

Anthropicのアジア初の拠点は、ソウルではなく東京でした。2026年秋には、日本語版Claudeの提供も予定されています。

すでに日本でも導入が進んでいます。楽天・みずほ・メルカリ・野村総合研究所・パナソニックなどがClaudeを採用しています。

たとえば楽天は、AIによる自動コーディングに活用しています。野村総合研究所では、書類の分析にかかる時間が数時間から数分に短縮されたと報告されています。

日本企業がClaudeを選ぶ大きな理由も、データの扱いです。日本国内だけでデータを処理する仕組みが、信頼につながっています。

韓国の「全社一斉導入」は、日本のAI内製化(社内でAIを使いこなす動き)の近い未来を映す鏡といえるでしょう。アジア太平洋でのAnthropicの売上は、1年で10倍以上に伸びています。

よくある質問(FAQ)

Q1. Claude Codeとは何ですか?

AIがプログラムを書いたり、間違いを直したりしてくれる開発ツールです。エンジニアの作業をぐっと速くします。

Q2. 韓国で導入されたのは具体的にどの会社ですか?

NAVER、Samsung(SDS)、LG(CNS)、Nexon、Hanwha Solutions、Channel Corpなどです。IT大手からゲーム会社まで幅広く並びます。

Q3. 輸出規制でClaudeは使えなくなったのですか?

止まったのは最上位の2モデルだけです。業務用のClaude CodeやClaude Coworkは別モデルで動くため、問題なく使えています。

Q4. 日本でもClaudeを企業導入できますか?

はい。すでに楽天やメルカリなどが導入済みです。2026年秋には日本語版Claudeの提供も予定されています。

Q5. 個人でもClaudeは使えますか?

使えます。Webやアプリから無料プランでも試せます。韓国はClaude.aiの利用が世界でも上位の国の1つです。

まとめ

今回のニュースのポイントを振り返ります。

  • Anthropicが2026年6月17日にソウル拠点を開設(アジア3番目)
  • NAVER・Samsung・LGなど韓国の超大手がClaudeを全社レベルで導入
  • NAVERは数千人のエンジニア全員がClaude Codeを使用
  • 政府・大学とも提携し、60人以上の研究者にClaudeを提供
  • 輸出規制中でも業務用モデルは対象外で正常に稼働
  • 日本でも楽天・メルカリなどが導入済み、秋に日本語版も登場予定

まずは無料プランで一度Claudeに触れ、自分の仕事のどこを任せられるか試してみてはいかがでしょうか。

参考文献

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