• Stable Diffusionは、文章を入力するだけでイラストを作れる画像生成AIです
  • モデルは無料で配布されていて、自分のパソコンなら生成枚数に上限がありません
  • 手順は「準備」「設定」「生成」の3ステップです
  • 真っ黒な画像、日本語が通じない、顔や手の崩れは対策があります
  • 商用利用は年間売上が100万ドル未満の場合に無料です(2026年10月時点)

「イラストを描きたいけれど、絵が苦手で…」と感じたことはありませんか。Stable Diffusion(ステーブルディフュージョン)なら、思い浮かべた絵を英語の文章にするだけで、数十秒で1枚のイラストができます。この記事では、初心者がつまずかずに最初の1枚を作るまでの手順を、3ステップで説明します。

Stable Diffusionとは?無料で何枚も作れる理由

Stable Diffusionは、文章からイラストや画像を作る画像生成AI(絵を自動で描いてくれるAI)です。Stability AI社が開発しました。

Stable Diffusion 3.5は、Stability AIの発表によると2024年10月22日に公開されました。Large(81億パラメータ)、Large Turbo、Medium(25億パラメータ)の3種類があります。

モデルのデータはHugging Faceなどで配布されています。自分のパソコンで動かせば、作れる枚数に上限はありません。

つまり、電気代以外のお金をかけずに、気に入るまで何度でも作り直せます。画像がパソコンの外に出ないので、社内資料用の画像も安心して作れます。

商用利用については、Stability AIのライセンスページに「年間売上が100万ドル未満なら、使うのにお金はかからない」と書かれています。生成した画像の所有権は、使う人のものです。ただし、売上が100万ドルを超える企業は有料のEnterprise Licenseが必要です。

SNSの投稿画像、YouTubeのサムネイル、ブログの挿絵といった使い方なら、個人や小さな会社では問題になりにくいでしょう。心配な場合は、ライセンスの最新版を読んでください。

ステップ1:準備(パソコンと操作画面を用意する)

最初に、Stable Diffusionを動かす操作画面(UI)を選びます。この記事では定番のStable Diffusion web UI(AUTOMATIC1111版)を例にします。ブラウザで操作できる無料ソフトです。

Windowsでは、Python 3.10.6とGit(ファイルを取得する道具)を入れ、webui-user.batを普通のユーザー権限で実行します。もっと簡単に始めたいなら、公式が用意しているsd.webui.zipを解凍して、update.batとrun.batを順に実行する方法もあります。

目安として、NVIDIA製のグラフィックボード(画像処理の専用パーツ)があると快適です。RTX 3060以上、メモリ16GB以上がよく推奨されます。

Macの場合は、Apple Silicon向けの公式インストール手順があります。まずHomebrewというソフトで必要なものを入れ、続けてwebui.shを実行する流れです。ただし、公式の説明にも「GPUを使うとメモリを多く使う」とあるので、余裕のあるMacで試してください。

グラフィックボードがない場合は、Google Colab(Googleが提供するクラウド環境)を使う手もあります。ブラウザだけで動かせます。

2026年10月時点では、ほかの選択肢もあります。ComfyUIには、WindowsとMac向けの公式デスクトップアプリがあり、Stable Diffusion 3.5にも対応しています。線をつないで作業の流れを組む画面なので、慣れるまでは少し難しく感じるかもしれません。

AUTOMATIC1111版のREADMEには、Stable Diffusion 3への対応が書かれていません。3.5を使いたい人は、ComfyUIも候補に入れてください。

初回の起動では、必要なファイルを自動でダウンロードするため、10分ほどかかります。終わるとブラウザに操作画面が開きます。

ステップ2:設定(プロンプトと数値を入れる)

画面が開いたら、上部の「Prompt(プロンプト)」欄に、描いてほしい絵を英語で入力します。例は次のとおりです。

a cute cat sitting on a chair, anime style(椅子に座っているかわいい猫、アニメ風)

具体的に書くほど、思い通りの絵に近づきます。毛の色、背景、画風などを足してみてください。

その下の「Negative Prompt(ネガティブプロンプト)」には、描いてほしくないものを書きます。「low quality, blurry(低品質、ぼやけた)」と入れておくと、荒れた絵が出にくくなります。

次は「Sampling Steps(サンプリングステップ数)」は、20から30が目安です。数字が大きいほど丁寧に描く反面、時間もかかります。

「CFG Scale(シーエフジースケール)」は7のままで大丈夫です。プロンプトにどれだけ忠実に描くかを決める数値で、上げすぎると絵が不自然になることがあります。

ステップ3:実行と検証(生成して確かめる)

設定が終わったら、オレンジ色の「Generate(生成)」ボタンを押します。完成までの時間は、パソコンの性能しだいで30秒から1分ほどです。

生成した画像は、web UIのフォルダ内にある「outputs/txt2img-images」に自動で保存されます。思い通りでなければ、プロンプトを直してもう一度押すだけです。

同じプロンプトでも、Seed(シード値、乱数の種)を変えると別の絵になります。気に入った絵ができたら、画像の下に出る設定情報をコピーしておきましょう。あとで同じ条件を再現できます。

READMEによると、画像には生成時の設定が埋め込まれて保存されます。そのままSNSに投稿しても、画像編集ソフトで加工してもかまいません。

つまずきやすい3つのポイントと対策

真っ黒な画像しか出ない

グラフィックボードのメモリ(VRAM)が足りないことが原因の場合があります。画像サイズを512×512に下げてみてください。

それでも直らなければ、webui-user.batにset COMMANDLINE_ARGS=--medvramと書き足します。公式Wikiによると、速度を少し犠牲にしてメモリ使用量を減らす設定です。

日本語のプロンプトが効かない

Stable Diffusionは英語中心で学習されているため、日本語だと精度が落ちると言われています。DeepLやGoogle翻訳で英語にしてから貼り付けましょう。

顔や手が崩れる

ネガティブプロンプトに「bad anatomy, extra fingers(おかしな体型、余分な指)」を足すと改善することがあります。

顔の崩れには、GFPGANやCodeFormerという顔の修復ツールが使えます。場所はweb UIのExtras(追加機能)タブです。

モデルデータを替えるだけで画質が大きく変わることもあります。Civitaiなどの配布サイトで評価の高いモデルを試してみてください。モデルごとにライセンスが違うので、使う前に確認が必要です。

応用テクニック:LoRA・img2img・ControlNet

基本に慣れたら、3つの機能に挑戦できます。

LoRA(ローラ)は、特定の画風やキャラクターを追加で覚えさせた小さなデータです。入れるだけで、その画風に近づけられます。

img2img(画像から画像へ)は、自分で描いた下書きや写真をもとにAIが仕上げる機能です。ラフスケッチを整った絵にしたり、昼の写真を夜景に変えたりできます。

ControlNet(コントロールネット)は、ポーズや構図を指定できる拡張機能です。棒人間の線画を描くと、そのポーズのキャラクターを描いてくれます。

組み合わせれば構図決めが楽になります。ただし、有名作品の画風をまねたデータは、著作権上の問題が生じる場合があります。使う前に配布元の注意書きを読みましょう。

どんなときに役立つ?活用シーンと他サービスとの違い

たとえば、ブログの挿絵を毎回探す手間が省けます。YouTubeのサムネイルの案出しや、SNSのアイコン作りにも向いています。

ほかの画像生成AIは、ブラウザで手軽に使える一方で、月ごとの生成枚数や料金がサービスごとに決まっています。Stable Diffusionは準備に手間がかかりますが、一度整えれば自分のペースで何枚でも作れます。

デメリットは、パソコンの性能が必要なことと、最初の設定でつまずきやすいことです。手軽さを重視するなら、ブラウザ型のサービスから試すのも手です。

よくある質問(FAQ)

Q. 本当に無料で使えますか?

個人で使うなら無料。商用利用も、年間売上が100万ドル未満なら無料とされています。売上がそれを超える場合は、Stability AIの有料ライセンスが必要です。

Q. Macでも使えますか?

使えます。AUTOMATIC1111版にはApple Silicon向けの手順があり、ComfyUIにはMac用の公式アプリがあります。メモリは多めがおすすめです。

Q. プロンプトは英語でないとだめですか?

日本語でも動く場合はありますが、精度が落ちると言われています。翻訳ツールで英語にするのが安全です。

Q. 生成した画像の著作権はどうなりますか?

Stability AIのライセンスでは、生成物の所有権は使う人にあるとされています。ただし、既存のキャラクターや実在の人物に似た画像は、別の権利を侵すおそれがあります。公開前に確認しましょう。

まとめ

  • Stable Diffusionはモデルが無料で配布されていて、自分のパソコンなら枚数に制限がない
  • web UIを入れれば、プログラミングなしで使える
  • 英語のプロンプトを書いて「Generate」を押すだけで絵が完成する
  • つまずきやすいのはメモリ不足、日本語入力、顔や手の崩れの3点
  • LoRA、img2img、ControlNetで表現の幅が広がる
  • 商用利用は年間売上100万ドル未満なら無料。ライセンスは最新版を確認する

まずは「a cute cat」と入力して、最初の1枚を作ってみてください。

参考文献