この記事でわかること

  • OpenAIが個人アカウントでカスタムGPT作成を停止した理由
  • 12月11日の完全廃止までのタイムライン
  • Pluginsへの移行方法と注意点
  • GPT Storeで収益化できなかった個人クリエイターへの影響
  • 日本のユーザーが今すぐ取るべき対応

OpenAIが個人向けカスタムGPT作成を停止

OpenAIは2026年8月16日から、個人プラン(Free、Go、Plus、Pro)でのカスタムGPT新規作成とGPT Storeへの公開を停止しました。この変更は9月19日に公式ヘルプセンターで正式にアナウンスされています。

カスタムGPTとは、ChatGPTをベースに自分だけの専用アシスタントを作れる機能です。たとえば「プログラミングの先生」や「英語添削ボット」など、特定の用途に特化したAIを誰でも作れる仕組みでした。

今回の停止により、個人ユーザーは新しいGPTを作ることも、GPT Storeに公開することもできなくなりました。つまり、これまで自由に使えた「自分だけのAI」を作る機能が、個人向けには終了したことになります。

いつから何が使えなくなるのか

段階的な廃止スケジュールが発表されています。まず、個人プラン(Free、Go、Plus、Pro)では、すでに8月16日から新規作成が停止されています。ただし、これまでに作ったGPTは引き続き使えます。

次に、Enterpriseワークスペース(企業向けプラン)では、9月25日に新規作成が終了します。そして12月11日には、すべてのカスタムGPTが完全に動作を停止する予定です。

つまり、2026年12月11日以降は、どのプランでもカスタムGPTは使えなくなります。これは2023年11月に華々しく発表された「誰でもAIを作れる時代」が、わずか3年で終わることを意味します。

Pluginsへの移行とは何か

OpenAIは、カスタムGPTの代わりに「Plugins(プラグイン)」への移行を推奨しています。Pluginsとは、ChatGPTに外部アプリを接続して機能を拡張する仕組みです。

移行作業では、GPTの「指示文(Instructions)」が「Skill(スキル)」という形式に自動変換されます。また、接続していたアプリもそのまま引き継がれます。ただし、注意点があります。

カスタムアクション(独自に作ったAPI連携機能)は自動移行されません。これらは手動で再構築する必要があります。つまり、高度な機能を使っていた人ほど、移行に時間がかかります。

OpenAIの公式ヘルプセンターでは、「依存しているGPTを特定し、12月11日までに代替手段をテストする時間を確保してください」と呼びかけています。早めの準備が必要です。

個人クリエイターへの影響

この変更で最も打撃を受けるのは、GPT Storeで自作のGPTを公開していた個人クリエイターです。GPT Storeには現在36,000以上のカスタムGPTが登録されていますが、その大半は個人が作ったものでした。

GPT Store立ち上げ時、OpenAIのCEOサム・アルトマンは「クリエイターに収益を分配する」と約束していました。しかし、実際には選ばれた一部の開発者だけがパイロットプログラムに招待され、大多数は収益化できませんでした。

さらに深刻なのは、利用状況のデータすら見られなかったことです。分析機能が不十分で、自分のGPTが何人に使われているか、どんな使われ方をしているかが分からない状態でした。

調査によれば、GPTの95%は1日あたり1~2人のユーザーしか獲得できていません。150~500人の日次アクティブユーザーを持つGPTは、わずか5%にとどまります。つまり、大半のクリエイターは努力が報われないまま、終了を迎えることになります。

GPT Storeの収益化は実現しなかった

2024年1月にGPT Storeが公開されたとき、OpenAIは「App Storeのようなエコシステム」を目指すと宣言しました。個人開発者が作ったAIツールで収益を得られる、新しい市場の誕生が期待されていました。

しかし現実は厳しいものでした。収益分配の具体的なルールは発表されず、アナリティクス(分析機能)も不十分でした。新しいクリエイターは注目を集めることが難しく、GPT Storeのカテゴリページには OpenAI公式の推奨GPTしか表示されませんでした。

一部のクリエイターは、GPTの説明文にアフィリエイトリンクや広告を埋め込むという苦肉の策を取りました。しかし、これも公式には認められていない方法です。結局、「クリエイターエコノミー」は育たないまま、わずか2年半で幕を閉じることになります。

OpenAIの戦略転換の背景

今回の決定は、OpenAIの戦略が大きく転換したことを示しています。個人向けの「誰でもAIを作れる」ツールから、企業向けの有料サービスへと軸足を移しています。

新規作成が許されるのは、Business、Enterprise、Eduワークスペース(いずれも企業・教育機関向け)のみです。つまり、OpenAIは個人クリエイターよりも、法人顧客からの安定収益を優先する判断をしたと言えます。

この背景には、AI開発コストの高騰があります。最新モデルの学習には数百億円規模の費用がかかります。無料や低価格プランのユーザーを支えるためには、企業向けビジネスでしっかり利益を確保する必要があるのです。

また、ベンダーロックイン(特定サービスに縛られるリスク)への懸念も指摘されています。GPTを作り込んだユーザーほど、OpenAIから離れにくくなります。しかし、突然のサービス終了は、その信頼関係を揺るがす出来事です。

日本のユーザーへの影響

日本でも、カスタムGPTを活用する個人ユーザーや中小企業が増えていました。たとえば「社内マニュアルを学習させたGPT」や「専門用語を説明してくれるGPT」など、業務効率化に使われていたケースが多くあります。

これらのユーザーは、12月11日までに代替手段を用意する必要があります。選択肢は主に3つです。1つ目は、Pluginsへの移行です。OpenAIが用意する移行ツールを使えば、ある程度は自動で引き継げます。

2つ目は、Business以上のプランへのアップグレードです。月額料金は高くなりますが、引き続きカスタムGPTを作成できます。3つ目は、他のAIサービスへの乗り換えです。たとえばClaudeやGeminiなど、競合サービスも同様の機能を提供しています。

いずれにせよ、「何もしなければ12月11日に使えなくなる」という事実を認識し、早めに行動することが重要です。特にビジネスで利用している場合は、業務への影響を最小限に抑えるための準備期間が必要です。

まとめ

  • OpenAIは8月16日から個人プランでのカスタムGPT新規作成を停止した
  • 12月11日にはすべてのカスタムGPTが完全廃止される
  • Pluginsへの移行が推奨されているが、カスタムアクションは手動再構築が必要
  • GPT Storeの収益化は実現せず、36,000のGPTの95%は利用者が少ない
  • OpenAIの戦略は個人向けから企業向けへと転換している
  • 日本のユーザーは12月11日までに移行、アップグレード、乗り換えのいずれかを選ぶ必要がある