この記事でわかること
- OpenAIがいつ株式上場(IPO)するのか
- 評価額83兆円の根拠と意味
- 日本のAI市場や投資家への影響
- 赤字でも高評価される理由
OpenAIのIPO計画が正式始動
ChatGPT(チャットGPT)を作った会社として世界的に有名なOpenAI(オープンエーアイ)が、ついに株式市場への上場準備を始めました。複数の米国メディアが2026年5月20日、OpenAIが数日〜数週間以内に米国証券取引委員会(SEC)へ機密申請を行うと報じています。
つまり、私たちが証券会社を通じてOpenAI株を買える日が現実味を帯びてきたということです。上場の目標時期は2026年9月とされており、AI業界史上最大級のIPO(新規株式公開)になる見込みです。
評価額83兆円の衝撃
OpenAIの企業価値は約8300億ドル(日本円で約83兆円)と推定されています。これは、トヨタ自動車の時価総額の約2倍に相当する規模です。まだ上場すらしていない企業がこれほどの評価を受けるのは異例中の異例といえます。
なぜここまで高いのでしょうか。理由は3つあります。第一に、ChatGPTが世界中で爆発的に使われていること。第二に、企業向けのAIサービスで安定した収益を上げ始めていること。第三に、今後もAI市場が成長し続けると投資家が確信していることです。
一部の報道では、IPO時の評価額が1兆ドル(約100兆円)を超える可能性すら指摘されています。これが実現すれば、史上最大のIPOになるでしょう。
いつ上場するのか?
目標は2026年9月です。ただし、OpenAIのCFO(最高財務責任者)であるサラ・フライアー氏は「2026年末までに準備が整わない可能性がある」と慎重な姿勢を示しています。実際の上場は2027年にずれ込むかもしれません。
IPOには膨大な書類作成や監査が必要です。特にOpenAIのような巨大企業の場合、財務情報の開示や企業統治(ガバナンス)の整備に時間がかかります。急いで進めると投資家の信頼を損なうリスクもあるため、慎重なスケジュールが組まれているのです。
誰が支えるのか
今回のIPOを支えるのは、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーという世界トップクラスの投資銀行です。この2社が「主幹事」として、株式の販売や価格設定をサポートします。
また、日本からはソフトバンクグループが間接的に関わっています。ソフトバンクは過去の資金調達ラウンドでOpenAIに巨額投資しており、IPO後も大株主として影響力を持つ見込みです。つまり、日本の投資家にとってもOpenAIの成功は無関係ではありません。
赤字なのになぜ高評価?
実はOpenAIは巨額の赤字を抱えています。2026年だけで約140億ドル(約1兆4000億円)の赤字が見込まれ、2029年までの累計赤字は440億ドル(約4兆4000億円)に達する予測もあります。
それでも高評価される理由は、売上の成長スピードです。ChatGPTの有料プランや企業向けサービスが急拡大しており、将来的には黒字化が確実視されています。投資家は「今は赤字でも、数年後には巨大な利益を生む」と判断しているのです。
これはAmazonやUberが上場した時と似た状況です。どちらも当初は赤字でしたが、長期的な成長性を評価されて株価が上昇しました。OpenAIも同じ道をたどると期待されています。
日本市場への影響
OpenAIのIPOは、日本のAI業界にも大きな影響を与えます。まず、AIエンジニアやAI導入コンサルタントの需要が急増するでしょう。企業がAIを導入する際、OpenAIの技術を活用するケースが増えるためです。
また、機関投資家(年金基金や保険会社など)にとって、OpenAIは初めて投資できる本格的なAI企業になります。これまでAI関連の投資はNVIDIAやMicrosoftなど間接的なものが中心でしたが、OpenAI上場により「AIそのもの」に投資できるようになります。
さらに、日本企業がOpenAIと提携したり、日本市場向けのサービスを共同開発したりする動きも加速するでしょう。すでにソフトバンクが深く関わっていることからも、日本市場での展開が強化される可能性があります。
マスク提訴との関係
興味深いのは、IPO計画が発表されたタイミングです。2026年5月18日、テスラCEOのイーロン・マスク氏がOpenAIを相手取った訴訟で敗訴しました。マスク氏はOpenAIの創業メンバーでしたが、後に対立し、独自のAI企業xAI(エックスエーアイ)を設立しています。
訴訟ではOpenAIの企業統治や資金の使い方が争点になっていましたが、裁判所はマスク氏の主張を退けました。この敗訴により、OpenAIのIPOに法的な障害がなくなったとも言えます。タイミング的には、OpenAIにとって追い風になったと見られています。
まとめ
- OpenAIは2026年9月のIPOを目標に準備中(ずれ込む可能性あり)
- 評価額は約83兆円、史上最大級のIPOになる見込み
- ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーが主幹事
- 現在は赤字だが、将来の成長性が高く評価されている
- 日本ではAI人材の需要増加や投資機会の拡大が期待される
- マスク氏の訴訟敗訴でIPOへの障害が解消
OpenAIのIPOは、AI業界の歴史的な転換点になるでしょう。私たちの生活に深く関わるAI技術を作る企業が、どのように株式市場で評価されるのか。2026年後半から2027年にかけて、世界中が注目することになります。

