• Hobは、PCの中だけでAIを動かせる無料のオープンソースアプリ
  • メモリやGPUを調べて、PCに合うAIモデルを自動で選んでくれる
  • CSVやPDFを渡すと、Pythonで集計やグラフ作成までこなす
  • モデルをダウンロードすれば、ネットを切ってもチャットできる
  • OllamaやLM Studioとの違いと、日本の読者が使うときの注意点

「AIに会社の資料を読ませたいけれど、外部のサーバーに送るのは不安」と思ったことはありませんか?そんな悩みに応える無料アプリ「Hob」が登場しました。この記事では、Hobの機能や使い方、ほかのツールとの違いをやさしく解説します。

Hobとは?ネットなしで使える無料のAIアプリ

Hobは、GitHubで公開されているオープンソースのデスクトップアプリです。開発元はFrigadeで、ライセンスはMIT(自由に使え、改変もできる条件のゆるいライセンス)です。

ClaudeやChatGPTの無料の代わりを目指していて、AIは自分のPCの中で動きます。

このニュースはGIGAZINEが2026年11月6日に紹介しました。対応OSはWindows、Mac、Linuxです。GitHubのReleasesから、Macはarm64向けのDMG、Windowsはx64向けのEXE、Linuxはx86_64向けのAppImageを入手できます。

ちなみに、ローカルAI(自分のPCの中で動くAI)の強みは、文章をインターネットに送らずに済むことです。Hobは、その導入の面倒を減らすことを狙っています。

PCに合うモデルを自動で選ぶ仕組み

初回起動でPCを調べる

ローカルAIで多くの人がつまずくのは、どのモデルを選ぶかです。モデル(AIの頭脳にあたるデータ)は大きいほど賢い反面、メモリをたくさん使います。

Hobは初回起動時に、PCのメモリやGPU(画像処理や計算を速くする部品)を調べます。そのうえで、動かせるモデルの候補を表示します。

好きなモデルを選んでダウンロードすると、チャット画面が開きます。モデルは後から変更できます。

メモリ別の目安

ScriptByAIの紹介記事に、Macの場合の目安が載っています。

  • メモリ8GB:Gemma 4 E4B Compact
  • メモリ16GB:Gemma 4 E4B
  • メモリ24GB以上:Gemma 4 26B
  • 大容量メモリのワークステーション:gpt-oss 120B

対応言語は日本語を含む32言語です。ただし、Temperature(答えのばらつき具合)やコンテキスト長(一度に覚えられる文章量)、GPU使用量といった細かい調整機能はありません。

つまり、設定をいじるのが好きな人より、すぐ使いたい人に向いた作りです。

ファイルを渡すと作業までしてくれる

Hobはチャットだけで終わりません。ファイルを読み込み、Pythonのスクリプトを作って実行します。

GIGAZINEの記事には、CSVを渡して「月別売上を合計して棒グラフを作り、変化を日本語で説明して」と頼む例があります。Hobはスクリプトを作って動かし、グラフと集計結果をチャットに表示しました。

ほかにも、次のような機能があります。

  • PDFの要約や、スキャンされたPDFの読み取り
  • スクリーンショットの内容確認(別途Qwen3-VLという小型モデルをダウンロード)
  • フォルダーをプロジェクトとして登録し、中のファイルをまとめて扱う
  • ローカルで動く音声入力
  • チャット履歴のMarkdown保存
  • 繰り返す作業を「スキル」として保存
  • MCP(外部サービスとAIをつなぐ共通ルール)による連携

フォルダーを変更するときは承認を求められ、作業の取り消しにも対応しています。AIが勝手にファイルを書き換える心配が小さいのは安心です。なお、PDFフォームへの入力はMacのみの対応です。

どんな場面で役立つ?

たとえば、小さな会社の経理担当者が月末に売上CSVをまとめる場面を考えてみましょう。これまでは表計算ソフトで集計し、グラフも手作業で作っていました。Hobなら、CSVを渡して「月別に集計してグラフにして」と頼むだけです。売上データを社外に送らずに済みます。

次に、取引先の契約書PDFを読みたい法務担当者の場合です。外部のAIサービスに契約書を入れることは、社内ルールで禁止されている会社も多いでしょう。ローカルで動くHobなら、要点の整理を手元だけで終えられます。

最後に、飛行機や新幹線の移動中に資料を整えたい人です。モデルをダウンロードしておけば、ネットがつながらない場所でも、チャットや保存済みファイルの処理を続けられます。

OllamaやLM Studioとの違い

ローカルAIを動かすツールは、Hobが初めてではありません。代表的なものにOllamaとLM Studioがあります。

Ollamaの公式サイトでは、月間インストール数が900万以上、GitHubのスター数が18万以上と紹介されています。モデルをローカルでもクラウドでも動かせるツールです。LM Studioの公式サイトでは、文書作成やコーディング、PC操作を手伝うエージェント機能が紹介されています。

Hobは、モデル選びとセットアップを任せたい人向けの位置づけです。ScriptByAIのページにはLM Studioなどが関連リソースとして挙がっていますが、細かい比較は載っていません。性能面の優劣は、今後の検証を待つ必要があります。

日本のユーザーへの影響と注意点

日本語を含む32言語に対応しているので、日本語の資料でも使えます。個人情報や社外秘の資料を扱う日本企業にとって、データを外に出さない選択肢が増えるのは大きな変化です。

ただし、注意点もあります。

GIGAZINEによると、Hacker Newsでは「すぐ使い始められる」という好意的な声がありました。一方で、「モデルがあまり賢くない」という指摘や、18GBのモデルを簡単にアンインストールできないという指摘も出ています。

ローカルのモデルは、クラウドの最新モデルより賢さで劣る場合があります。ディスクの空き容量も必要です。まずは重要なデータを入れずに、動きを確かめてから使いましょう。

プライバシー設定で「Webアクセス」をオフにすると、Web検索やコードからのインターネットアクセスを止められます。MCPで外部サービスにつなぐときは通信が発生する点も覚えておいてください。

よくある質問(FAQ)

Q. Hobは本当に無料ですか?

A. はい。ScriptByAIによると、ローカル利用にアカウントやサブスクリプション、メッセージごとの課金は不要です。ライセンスはMITです。

Q. ネットにつながなくても使えますか?

A. モデルのファイルをダウンロードした後は、チャットや保存済みファイルの処理をオフラインで続けられます。Web検索や外部サービスとの連携には通信が必要です。

Q. どのくらいのスペックが必要ですか?

A. READMEには具体的な数値がありません。ScriptByAIの目安では、Macのメモリ8GBでGemma 4 E4B Compactが推奨されています。速度はRAMやGPUメモリに左右されます。

Q. 画像も読めますか?

A. 読めます。スクリーンショットなどの解析には、別途ダウンロードされるQwen3-VLという小型モデルを使います。

まとめ

  • Hobは、PCの中でAIを動かせる無料のMITライセンスのアプリ
  • PCの性能を調べて、合うモデルを自動で選ぶ
  • CSVやPDFを渡すと、Pythonで集計やグラフ作成まで行う
  • モデルをダウンロードすればオフラインで使える
  • モデルの賢さや容量には注意が必要

まずは重要でないデータで試して、自分のPCでどこまで動くか確かめてみましょう。

参考文献