- Copilot Fusionは、タスクに合わせてAIモデルを自動で選ぶGitHubの新機能
- 3つの実行パターン(Single・Cascade・Critique)で品質とコストを調整する
- GitHubは「Claude Codeに2点差、APIコストは約半分」と主張している
- 有料プランは2026年11月30日までモデル費用が30%割引
- 日本の開発チームが試すときの注意点とFAQも整理
「どのAIモデルを選べばいいのか分からない」「高いモデルばかり使って請求が怖い」と感じたことはありませんか?GitHubが2026年10月28日に正式公開した「Copilot Fusion」は、この悩みに答える新機能です。仕組み、料金、注意点をやさしく解説します。
Copilot Fusionとは?モデルを自動で選ぶ新機能
GitHubは、サンフランシスコで開かれた「GitHub Universe 2026」で、Copilot Fusionの一般提供開始を発表しました。
これまでは、開発者が自分でAIモデルを選んでいました。Fusionでは「Copilot Fusion」を選ぶだけです。タスクごとに、使うモデルと組み合わせ方をCopilotが決めます。
もとになったのは、先行公開されていた「Project HydraFusion」(複数モデルを連携させる実験)と、Copilotの自動モデル選択です。この2つを統合しました。
3つの実行パターンと3つの負荷レベル
Single・Cascade・Critiqueの違い
Fusionは、タスクに必要な能力(推論、コード生成、デバッグ、ツール利用など)を見積もってから、実行パターンを決めます。
Singleは、選んだ1つのモデルがそのまま解決する方法です。
Cascadeは、効率のよいモデルが解決案を作り、品質チェックを通ったものを採用します。足りなければ、より高性能なモデルに引き継ぎます。
Critiqueは、あるモデルが下書きを作り、別のモデルファミリーが独立してレビューする方法です。下書きを作ったモデルは、指摘をもとに1回だけ修正します。
GitHubのAPAC担当VPは、Critiqueを「自分の確定申告を自分で監査しない」ことにたとえています(ITWireの報道)。
Standard・High・Maxの使い分け
ユーザーが選ぶのは「負荷レベル」です。モデル名ではありません。
- Standardは日常のコーディング向けで、コスト、品質、待ち時間のバランスを取ります
- Highは複数ファイルにまたがる変更や、難しいバグ修正向けです
- Maxは深い推論や徹底した分析が必要なタスク向けです
このほか、速さが必要な場面で自動的に選ばれる「Fusion Fast」もあります。こちらはユーザーが指定できません(ITmedia NEWS)。
性能とコストはどれくらい違う?
GitHubが公表した数字は次のとおりです。
Artificial Analysisの「Coding Agent Index」で、Fusion Maxは60点でした。Claude Code(Opus 5.5 Max)との差は2点以内だといいます。
あわせて、1タスクあたりの平均APIコストと使用トークン数は約半分、所要時間は約40%短縮とされています。
ただし、これらはGitHub自身の発表です。独立した第三者が検証した結果ではありません。自分のプロジェクトで試して確かめるのが安心です。
競合・従来手法との比較
今回の発表で、GitHubが直接比べている相手はClaude Codeだけです。ほかのツールとの比較は、確認できた範囲では公表されていません。
そこで、従来の「手動でモデルを選ぶ方法」とFusionの違いを整理します。
- 従来の手動選択では、安全のため高性能モデルを選びがちで、簡単な作業でも費用がかさみます
- Fusionでは、簡単な作業は効率のよいモデルに任せ、難しいときだけ強いモデルに引き継ぎます
たとえば、小さなタイポ修正に最上位モデルを使うのは、もったいない使い方です。Cascadeなら、まず軽いモデルが試し、品質チェックを通れば完了します。
料金と対応プラン
Fusion自体に固定の追加料金はありません。Fusionが使った各モデルの標準料金が、そのまま請求されます。
有料プランの利用者は、Fusion利用時のモデル費用が30%割引になります。ITWireによると、期間は11月末までです。SmartScopeは「2026年11月30日まで」と伝えています。
対応プランについては、情報源によって説明が食い違っています。GitHubの公式発表は「すべてのCopilotプランで利用可能」としています。一方、SmartScopeは、HighとMaxはPro+以上と伝えています。契約前にGitHub Docsで確認してください。
対応クライアントは、Visual Studio Code、GitHub Copilotアプリ、Copilot CLI、JetBrains IDEです。ほかのクライアントは今後追加される予定です。
日本の開発者・企業への影響
確認できた範囲では、日本向けの料金や提供条件は公表されていません。ただし、対応IDEにはVisual Studio CodeとJetBrainsが含まれます。日本の開発現場で広く使われているので、導入のハードルは低めです。
たとえば、受託開発会社の開発リーダーを考えてみましょう。メンバーが各自でモデルを選ぶと、月末のAI利用料がばらつきます。Fusionを既定にすれば、使い方のムラを抑えやすくなります。
企業の管理者向けには、モデルポリシーで有効にしたモデルだけをFusionが使えます。特定のモデルをFusionからだけ外すこともできます。セキュリティ審査があるチームでも扱いやすい仕組みです。
ほかにも、Enterprise managed settingsで、任意の負荷レベルをユーザーの既定モデルに設定できます。
使い始め方と注意点
始め方は簡単です。クライアントを最新版に更新し、モデルピッカーで「Copilot Fusion」を選びます。そして負荷レベルを決めます。
リサーチプレビューで「auto」「HydraFusion」「HydraFusion Max」を使っていた人は、対応するレベルに自動で切り替わります。
注意点もあります。HighやMaxは複数のモデルを組み合わせるため、Standardよりクレジットの消費が増える可能性があります。11月30日以降の割引の扱いも、まだ分かっていません。
個人開発者なら、まずStandardで日常作業を試し、重いタスクだけHighやMaxに上げると、コストを確かめやすいでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q. Copilot Fusionは無料で使えますか?
A. 公式発表では全プランが対象です。ただし、モデルごとの標準料金は発生します。有料プランには11月末まで30%割引があります。
Q. どのモデルが使われるか選べますか?
A. 選ぶのは負荷レベルです。内部でどのモデルが使われるかは、GitHubの発表に具体名がありません。
Q. 性能はClaude Codeと同じですか?
A. GitHubは、Fusion MaxがClaude Code(Opus 5.5 Max)と2点以内だと説明しています。ただしGitHub自身の数字なので、実際の作業で確かめましょう。
Q. 会社で使うとき、モデルを制限できますか?
A. できます。モデルポリシーで有効にしたモデルだけが対象です。Fusionからだけ特定のモデルを外す設定もあります。
まとめ
- Copilot Fusionは、タスクに応じてモデルと組み合わせ方を自動で決める機能
- Single・Cascade・Critiqueの3パターンで、品質とコストを両立させる
- GitHubはClaude Codeと2点差、APIコスト約半分、時間約40%短縮と主張している
- 有料プランは11月30日まで30%割引。対応プランは公式Docsで要確認
まずは普段使っているエディタでStandardを選び、1週間のコストと使い心地を確かめてみてください。