Claude Codeへの指示7つの方法|公式の使い分け

伊東雄歩
監修者 伊東 雄歩

株式会社ウォーカー CEO。東北大学卒。MENSA会員、JDLA認定講師、健全AI教育協会理事。生成AI×教育・学習科学を専門とし、2億円超のシステム開発プロジェクトを統括。

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  • Anthropicが2026年6月18日に公開した、Claude Codeへの指示の出し方「7つの方法」を解説します
  • CLAUDE.md・Rules・Skills・Subagents・Hooks・Output styles・システムプロンプト追記の違いがわかります
  • 「いつ読み込まれるか」「何に向いているか」で7つを正しく使い分けるコツを紹介します
  • CursorやGitHub Copilotとの考え方の違いも比較します
  • 日本のエンジニアやチームが今日から実践できる具体例も載せています

「Claude Codeに同じ注意を毎回タイプしている」「指示したはずのルールを無視される」と感じたことはありませんか。実はその悩み、指示の置き場所が合っていないだけかもしれません。Anthropicは2026年6月18日、Claude Codeを思いどおりに動かすための7つの仕組みと使い分けを公式に解説しました。この記事を読めば、どの指示をどこに書けばいいかが一気にクリアになります。

そもそもClaude Codeとは?なぜ「指示の出し方」が重要なのか

Claude Codeとは、Anthropicが提供するAIコーディング支援ツールです。ターミナル(黒い画面のコマンド入力環境)から、コードを読んで書いて実行までしてくれます。

ただ、AIに「いい感じにやって」とお願いするだけでは、思った成果は出ません。何を大事にしてほしいのか、どんなルールを守ってほしいのかを、きちんと伝える必要があります。

ここで多くの人がつまずきます。指示をチャット欄に毎回打ち込むのは面倒ですし、長い注意書きを入れると今度はAIが肝心な部分を見落とします。

そこでAnthropicは、指示の「置き場所」を7種類用意しました。正しい場所に正しい指示を置くこと。これがClaude Codeを使いこなす最大のコツです。

最近はこの考え方を「コンテキストエンジニアリング(AIに渡す情報全体を設計する技術)」と呼びます。今回の公式解説は、その実践ガイドだと言えます。

指示を出す「7つの方法」を一気に把握する

まずは全体像です。Anthropicが挙げた7つの方法は次のとおりです。

  • CLAUDE.md:プロジェクトの基本情報をまとめるメモ
  • Rules:必ず守らせたい細かい制約
  • Skills:手順や作業フローのまとめ
  • Subagents:別作業を任せる分身
  • Hooks:自動で必ず実行する処理
  • Output styles:AIの役割そのものを変える設定
  • システムプロンプト追記:起動時に足す追加指示

名前だけ見ても違いはわかりにくいですよね。ポイントは2つの軸で整理することです。1つは「いつ読み込まれるか」、もう1つは「何に向いているか」です。

この2つを意識すると、7つの役割がスッと頭に入ります。次の章から1つずつ見ていきましょう。

①CLAUDE.md:プロジェクトの「案内図」を渡す

CLAUDE.mdは、プロジェクトの基本情報を書いておくメモファイルです。Claude Codeはセッション(作業の開始から終了まで)が始まると、これを自動で読み込みます。

書く内容は、ビルドの方法、フォルダの構成、コーディングの決まりごとなど。新しく入った人に渡す「案内図」のようなものです。

例えば、ある開発チームの新メンバーが配属された場面を想像してください。最初に「うちはこういう構成で、テストはこう動かす」と教えますよね。それをファイルにしたものがCLAUDE.mdです。

ただし注意点があります。Anthropicは200行以内に保つことを推奨しています。長すぎると、AIが指示を無視する確率が上がるからです。

つまり、毎回必要になる「広く浅い情報」だけを置くのが正解です。特定の場面でしか使わない細かい話は、後で紹介するRulesやSkillsに分けます。

②Rules:絶対に守らせたい「制約」を固定する

Rulesは、`.claude/rules/`というフォルダに置くファイルです。セッション開始時に毎回読み込まれ、会話が長くなって情報が圧縮されても再び差し込まれます。

ここに書くのは「特定の制約や慣例」です。たとえば「APIの入力は必ずZod(入力チェック用の道具)で検証する」といった、守らせたいルールを記します。

便利なのがパス指定の機能です。ファイルの先頭に対象フォルダを書くと、そのフォルダの作業中だけルールが効きます。

たとえば「データベースの変更ファイルは追記だけにする」というルールは、該当フォルダにだけ適用したいですよね。Rulesならそれができます。

CLAUDE.mdが「案内図」なら、Rulesは「現場の安全ルール」です。破られると困る一線を、ここでしっかり固定します。

③Skills:作業の「手順書」を必要なときだけ開く

Skillsは、デプロイの手順やレビューの流れといった「作業フロー」をまとめたものです。`.claude/skills/`フォルダに置きます。

面白いのは読み込み方です。セッション開始時には名前と説明だけを読み、実際に使うときに初めて本体を読み込みます。

これにより、使わない手順書でメモリ(AIが一度に扱える情報量)を圧迫しません。スラッシュコマンド(`/code-review`のような呼び出し)や、作業内容の自動マッチングで起動します。

料理に例えるなら、Skillsはレシピ本です。毎回全レシピを暗記する必要はなく、その料理を作るときだけ該当ページを開けばいい、という発想です。

「手順がある作業」はSkillsに、と覚えておけば迷いません。リリースチェックリストや定型レビューが代表例です。

④Subagents:重い調べものを「分身」に任せる

Subagentsは、副次的なタスクを別のAIに任せる仕組みです。`.claude/agents/`に置きます。

大きな特徴は、別のコンテキストウィンドウ(独立した作業スペース)で動くことです。調べものや分析をそこで完結させ、結果だけを本体の会話に返します。

たとえば「50個のファイルを調べて」と頼むと、本体の会話が調査ログで埋まってしまいます。でもSubagentに任せれば、重い作業は別スペースで進み、手元の会話はきれいに保たれます。

深い検索、ログ分析、依存関係の監査などに向いています。最大5段階までネスト(入れ子)できるので、複雑な調査も分担できます。

会話を散らかしたくない「裏方の調べもの」は、Subagentに丸投げする。これが集中力を保つコツです。

⑤Hooks:「必ず実行する処理」を自動化する

Hooksは、決まったタイミングで確実に動く自動処理です。ファイル編集後やツール呼び出し時など、ライフサイクルイベント(作業の節目)に合わせて発火します。

ここまでの6つと決定的に違う点があります。HooksはAIの判断に頼りません。プログラムとして必ず実行されます。

具体例を挙げます。編集後にリンター(コードの体裁チェック)を自動で走らせる。作業完了時にSlackへ通知する。危険なコマンドをブロックする。こうした「絶対にやってほしいこと」に最適です。

AIに「忘れずにやってね」とお願いするのは不安が残ります。でもHooksなら、判断ミスの余地がありません。だからガードレール(安全装置)として強力なのです。

しかもコンテキストのコストが低いのも利点です。AIの思考枠を消費せず、裏で淡々と動いてくれます。

⑥Output styles:AIの「役割」そのものを変える

Output stylesは、Claude Codeの役割を大きく変えたいときに使います。`.claude/output-styles/`に置き、システムプロンプト(AIの土台となる指示)に直接組み込まれます。

たとえば「コードを書く助手」から「学習をサポートする先生」へ。こうした大きな方針転換に向いています。

ただしAnthropicは、自作スタイルはめったに必要ないとしています。あらかじめ用意された3種類(Proactive、Explanatory、Learning)で、多くのニーズをカバーできるからです。

言いかえると、これは上級者向けの調整つまみです。まずは標準スタイルで十分、と考えておきましょう。

⑦システムプロンプト追記:起動時に「ひと言」足す

7つ目は、起動時に追加指示を足す方法です。`–append-system-prompt`というフラグで、コマンドから渡します。

ここに書くのは、詳しいコーディング標準、出力の形式、その分野ならではの知識などです。セッション開始時に一度だけ適用され、キャッシュ(一時保存)されます。

Output stylesとの違いはわかりにくいですが、ポイントは役割を変えないことです。デフォルトの働き方は保ったまま、追加の注意だけを乗せるイメージです。

「役割ごと変えたい」ならOutput styles、「ちょっと足したい」ならシステムプロンプト追記。この線引きで使い分けます。

結局どれを使う?迷わないための選び方フロー

7つを覚えたら、最後は選び方です。Anthropicが示した判断フローを、やさしく整理しました。

  • 常に効かせたい基本情報 → CLAUDE.md(ルート)
  • 特定フォルダだけに適用 → サブのCLAUDE.md、またはパス指定のRules
  • 呼び出したときに実行する手順 → Skills
  • 独立した裏方の調べもの → Subagents
  • 必ず実行する自動処理 → Hooks
  • 大きな役割の転換 → Output styles
  • 補助的なトーンや形式 → システムプロンプト追記

迷ったら、まず2つだけ自問してください。「これは毎回必要か、たまにか」。そして「AIに判断させたいか、確実に実行したいか」。この2問で、ほとんどの指示は置き場所が決まります。

CursorやGitHub Copilotと何が違う?

AIコーディングツールはClaude Codeだけではありません。代表格のCursorGitHub Copilotと比べると、Claude Codeの個性が見えてきます。

GitHub Copilotは、月額10ドル前後で始めやすいのが魅力です。エディタに溶け込み、今書いているファイル周辺を見て補完します。気軽な相棒という位置づけです。

Cursorは、AIを組み込んだ専用エディタです。プロジェクト全体を見渡し、視覚的に複数ファイルを編集できます。日々のコーディング体験の快適さで支持されています。

対してClaude Codeは、ターミナルから自律的に動くエージェント型です。広い文脈を保ちながら、複数ファイルにまたがる複雑な作業を任せられる点が強みとされます。

そして今回の「7つの方法」は、まさにこの自律性を制御する仕組みです。AIに大きく任せるからこそ、指示の置き場所を細かく設計できる。ここがClaude Codeらしさだと言えます。

実際、現場では「日々の編集はCursor、複雑な作業はClaude Code」のように組み合わせる使い方も広がっています。どれか1つだけが正解、というわけではありません。

日本のエンジニア・チームへの影響

この話は海外だけの流行ではありません。日本のエンジニアやチームにも、すぐ役立つ内容です。

たとえば、日本語のコーディング規約をチームで共有したい場合。CLAUDE.mdに概要を書き、細かい命名規則はRulesに分ければ、メンバー全員のClaude Codeが同じ基準で動きます。

属人化(特定の人しかわからない状態)に悩むチームにも効果的です。ベテランの作業手順をSkillsにまとめれば、新人でも同じ品質で作業を進められます。

また、レビュー前のテスト実行をHooksで自動化すれば、「テストし忘れて壊れた」という事故を防げます。日本企業が重視する品質管理とも相性が良いはずです。

一方で、日本語ドキュメントの整備はまだ発展途上の面もあります。公式解説はすでに日本語版が用意されていますが、社内ルールの作り込みは各チームの工夫が必要です。

裏を返せば、今この仕組みを整えたチームは一歩リードできる、ということでもあります。

よくある質問(FAQ)

Q1. CLAUDE.mdとRulesは何が違うのですか?

CLAUDE.mdは「広く浅い案内図」、Rulesは「必ず守らせる制約」です。どちらも起動時に読み込まれますが、Rulesはパス指定で特定フォルダだけに効かせられる点が異なります。

Q2. SkillsとSubagentsの使い分けがわかりません。

Skillsは「手順書」、Subagentsは「別作業を任せる分身」です。決まった作業フローを実行したいならSkills、重い調べものを別スペースで進めたいならSubagentsを使います。

Q3. 初心者はどれから手をつければいいですか?

まずはCLAUDE.mdです。プロジェクトの基本情報を200行以内でまとめるだけで、Claude Codeの動きが安定します。慣れてきたらRulesやSkillsに広げましょう。

Q4. Output stylesは作らないとダメですか?

いいえ。Anthropicも自作はめったに必要ないとしています。標準の3スタイルで多くの場面に対応できるので、最初は触らなくて大丈夫です。

Q5. これらは無料で使えますか?

7つの仕組み自体はClaude Codeの機能なので、追加費用はかかりません。ただしClaude Code本体の利用には、プランに応じた料金が発生します。

まとめ

今回のポイントを振り返ります。

  • Anthropicが2026年6月18日、Claude Codeへの指示「7つの方法」を公式解説した
  • 7つはCLAUDE.md・Rules・Skills・Subagents・Hooks・Output styles・システムプロンプト追記
  • 「いつ読み込まれるか」「何に向いているか」で使い分けるのがコツ
  • 毎回必要かどうか、確実に実行したいかどうかの2問で置き場所が決まる
  • 日本のチームでも、規約共有・属人化対策・品質管理にすぐ活かせる

まずは自分のプロジェクトにCLAUDE.mdを1枚用意することから始めてみてください。それだけで、Claude Codeとの対話がぐっと快適になります。

参考文献

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