この記事でわかること
- ソースネクストがAutoMemo Copilot エージェントを5月24日に提供開始
- Microsoft 365 Copilotと連携し、議事録を組織のナレッジに変える仕組み
- AI議事録市場380億円規模の中で、どんな価値があるのか
- 企業の会議と情報共有がどう変わるか
AutoMemo Copilot エージェントが5月24日に登場
ソースネクストは2026年5月24日、AI音声記録サービス「AutoMemo(オートメモ)」の新機能として「AutoMemo Copilot エージェント」の提供を開始しました。
この新機能は、Microsoft 365 Copilot(マイクロソフト365コパイロット)と連携します。つまり、AutoMemoに蓄積された過去の会議音声を、Copilotから直接検索・要約できるようになります。
これまで議事録AIは「会議をテキスト化する」ことが主な役割でした。しかし今回の発表で、議事録が「組織全体で使える知識の倉庫」へと進化します。
AutoMemo Copilot エージェントとは何か
AutoMemo Copilot エージェントは、AutoMemoで録音・文字起こしした会議データを、Microsoft 365 Copilotから呼び出せるようにする機能です。
たとえば、あなたがWord(ワード)で報告書を書いているとします。このとき「先月の営業会議で決まったことは?」とCopilotに質問すれば、AutoMemoに保存された音声データから自動で抽出してくれます。
具体的な機能は以下の通りです。
- 過去の会議から必要な情報を自動で検索
- 決定事項やアクション、参加者をまとめた会議記録の作成
- ToDoリスト(やることリスト)の自動生成
- Teams(チームズ)との連携で、チャット中に会議内容を参照可能
つまり、議事録を探す手間も、読み返す手間も不要になります。AIが代わりに探して、必要な部分だけ教えてくれるのです。
Microsoft 365 Copilot連携の何がすごいのか
今回の発表で注目すべきは、Microsoft 365 Copilotとの「ネイティブ連携」です。ネイティブ連携とは、別々のサービスを無理やりつなぐのではなく、最初から一体化して動くように設計された連携を指します。
Microsoft 365 Copilotは、WordやExcel、PowerPointなど、多くのビジネスツールに組み込まれたAIアシスタントです。日本でも大企業を中心に導入が進んでいます。
AutoMemoがCopilotと連携することで、以下のような使い方ができます。
- Wordで報告書を書きながら、過去の会議内容をその場で確認
- PowerPointで提案資料を作る際、関連する議論の経緯を自動挿入
- Teamsのチャットで「あの会議で何を決めたっけ?」と質問すると即座に回答
これまでは、議事録を別のツールで探して、コピー&ペーストする必要がありました。しかし今後は、仕事の流れを止めずに、必要な情報がその場で手に入ります。
AI議事録市場の現状|380億円規模に成長
日本のAI議事録ツール市場は、2026年に約380億円(前年比42%増)に達しています。従業員100名以上の企業では、導入率が約35%まで拡大しました。
市場シェアのトップはOtolio(オトリオ、旧スマート書記)で18.8%。次いでNotta(ノッタ)が12.1%、AI GIJIROKUが11.3%と続きます。
ただし、「その他」が約5割を占めており、まだ市場は流動的です。多くのツールが競い合っている状況です。
興味深いのは、市場の方向性です。2026年は「単なる議事録作成」を超えて、「対話データの構造化・AI分析」への需要が急拡大しています。
つまり、企業は「会議を記録する」だけでなく、「会議データを活用して意思決定を助ける」ツールを求めています。AutoMemo Copilot エージェントは、まさにこの方向性に沿った製品と言えます。
ソースネクストの戦略|ポケトークで培ったAI技術
ソースネクストは、AI通訳機「ポケトーク」で知られる企業です。ポケトークは2017年12月に発売され、累計出荷台数は90万台を突破しました。
ポケトーク事業では、70言語を音声・テキストに翻訳する技術を開発してきました。この音声認識とAI処理のノウハウが、AutoMemoにも活かされています。
AutoMemoは、録音した音声を自動でテキスト化し、クラウドに保存します。さらにGPT-4o mini(GPT-4オーミニ、OpenAIが開発した言語モデル)を採用し、要約やToDoリストの生成が可能です。
2026年4月には、クラウド連携機能も大幅に強化されました。SharePoint、Google Drive、OneDrive、Dropboxの4つに対応し、指定フォルダに音声や動画を保存するだけで、自動で文字起こしが始まります。
今回のCopilot連携は、この流れの延長線上にあります。ソースネクストは「AIで言語の壁を超える」ポケトークから、「AIで情報の壁を超える」AutoMemoへと、事業の軸を広げています。
企業の会議と情報共有はどう変わるか
AutoMemo Copilot エージェントの登場で、企業の会議と情報共有は次のように変わります。
1. 議事録作成の自動化が完全に
これまでも議事録の文字起こしは自動化されていました。しかし「誰が何を確認すべきか」を整理する作業は人間が行っていました。今後はこの部分もAIが担います。
2. 過去の会議が資産になる
これまで議事録は「その会議の記録」でした。しかし今後は「組織の知識ベース」として活用されます。新入社員でも、過去の経緯をすぐに理解できます。
3. 情報の探索時間がゼロに近づく
「あの件、どこで決まったっけ?」と議事録を探す時間が削減されます。Copilotに質問すれば、関連する会議をすべて教えてくれます。
4. 意思決定の質が上がる
過去の議論をすぐに参照できるため、「前にも同じ話をした」「あのとき反対意見があった」といった情報を踏まえて判断できます。
ただし、注意点もあります。利用にはMicrosoft 365 Copilotのライセンスが必要です。また、音声データをクラウドに保存するため、セキュリティポリシーの確認も欠かせません。
まとめ|AI議事録が「知識基盤」へ進化
- ソースネクストがAutoMemo Copilot エージェントを5月24日に提供開始
- Microsoft 365 Copilotと連携し、過去の会議を資産として活用可能に
- AI議事録市場は380億円規模で、単なる記録から分析・活用へとシフト中
- ポケトークで培った音声AI技術を、企業の情報共有に応用
- 会議データが組織の知識ベースとなり、意思決定の質が向上
AI議事録は、もはや「記録するだけのツール」ではありません。組織の知識を蓄積し、いつでも引き出せる「第二の脳」へと進化しています。

