2026年2月4日、Googleの親会社Alphabet(アルファベット)がとんでもない発表をしました。「2026年のAI関連の設備投資を最大1850億ドル(約28兆円)にする」というのです。これは2025年の投資額(約914億ドル)のなんと2倍以上。この記事では、なぜこんな巨額を使うのか、私たちにどんな影響があるのかをわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- Alphabetが28兆円をAIに投資する理由
- 巨額のお金は具体的に何に使われるのか
- 他のBig Tech企業との投資額の比較
- 株式市場やアナリストの反応
- 日本への影響と私たちの生活への関わり
Alphabetの28兆円投資とは?基本をおさらい
Alphabetは2026年2月4日の決算発表で、2026年の設備投資(CapEx)を1750億〜1850億ドル(約26〜28兆円)にすると発表しました。
この金額がどれくらいすごいか、イメージしてみましょう。
- 2024年のAlphabetの設備投資は525億ドル(約8兆円)でした
- 2025年は914億ドル(約14兆円)に増えました
- そして2026年は最大1850億ドル(約28兆円)と、わずか2年で3倍以上に
28兆円といえば、スウェーデン1国の経済規模に匹敵する金額です。たった1社がこれだけの金額をAIに使おうとしているのです。
28兆円の使い道は?サーバーとデータセンター
では、この巨額のお金は具体的に何に使われるのでしょうか。Alphabetの発表によると、内訳はこうなっています。
約60%:AIサーバーの購入
全体の約6割、つまり1050〜1110億ドル(約16〜17兆円)がAI用のサーバーに使われます。サーバーとは、AIが計算するための「超高性能なコンピュータ」のことです。とくにGPU(画像処理にも使われる高速チップ)が大量に必要です。
約40%:データセンターとネットワーク
残りの約4割、700〜740億ドル(約11兆円)はデータセンター(AIサーバーを置く巨大な建物)の建設やネットワーク機器に使われます。ちなみに2025年末には、データセンター会社のIntersectを47.5億ドルで買収しています。
何のためにここまで投資するのか
大きく分けると3つの目的があります。
- Google DeepMindのAI研究・開発のための計算能力
- Google Cloudの顧客から急増するAI需要への対応
- Google検索や広告サービスのAI機能強化
CEO(最高経営責任者)のサンダー・ピチャイ氏は「これだけ投資してもまだ足りないかもしれない」と語っています。AIの需要がそれほど爆発的に伸びているのです。
他のBig Techも巨額投資!合計は約100兆円
実は、巨額のAI投資をしているのはAlphabetだけではありません。主要4社の2026年の設備投資計画を比べてみましょう。
- Amazon:約2000億ドル(約30兆円)— 最大の投資額
- Alphabet(Google):最大1850億ドル(約28兆円)
- Microsoft:約1450億ドル(約22兆円)
- Meta(Facebook):1150〜1350億ドル(約17〜20兆円)
4社合計で約6350〜6650億ドル(約95〜100兆円)です。2025年の合計が約3810億ドルだったので、たった1年で67〜74%も増えた計算になります。
これらの投資のほとんどが、AIチップ、サーバー、データセンターなどのAIインフラに使われます。まさに「AI軍拡競争」と呼ばれる状況です。
株価はどう動いた?市場の反応
これだけの巨額投資の発表に、株式市場はどう反応したのでしょうか。
Alphabetの株価は、発表直後の時間外取引で大きく乱高下しました。投資家たちは「こんなにお金を使って大丈夫なのか」と心配したのです。翌日の取引では、売上高や利益が予想を上回ったにもかかわらず、株価はほぼ横ばいで終わりました。
アナリストの意見は真っ二つ
ポジティブな意見:
- バークレイズのアナリストは「クラウドの成長がすさまじい。この投資は正当化できる」と評価
- RBCキャピタルのアナリストは「GeminiアプリとGoogle Cloudの成長が、この投資を裏付けている」と発言
慎重な意見:
- ドイツ銀行のアナリストは「世界を驚かせた投資額だが、これが良いことなのか悪いことなのかまだわからない」とコメント
とくに注目されているのが、Metaについて「2027年・2028年のフリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)がマイナスになる」という予測が出ている点です。巨額投資がいつ回収できるのかは、業界全体の大きな課題です。
日本への影響は?データセンター建設ラッシュ
Alphabetの巨額投資は、日本にも大きな影響を与えています。
日本政府はOracle、Google、Microsoftを公式クラウドプロバイダーに選定し、大手IT企業は日本国内に約280億ドル(約4兆円)のインフラ投資を進めています。
Google Cloudはすでに千葉県印西市に日本初の自社データセンターを建設済みです。今後さらに、日本各地でデータセンターの建設ラッシュが続くと見られています。
日本のデータセンター市場は、2025年の約110億ドルから2031年には約177億ドルに成長する見込みです。一方で、データセンターの電力消費量は2034年までに現在の3倍以上になる予測もあり、電力供給が課題になっています。
まとめ
この記事のポイントを振り返りましょう。
- Alphabetは2026年のAI設備投資を最大1850億ドル(約28兆円)に設定。前年の2倍以上
- 投資先はAIサーバー(60%)とデータセンター・ネットワーク(40%)
- Big Tech 4社合計では約6500億ドル(約100兆円)規模のAI投資競争が進行中
- 株式市場の反応は慎重で、巨額投資の回収可能性が注目されている
- 日本でもデータセンター建設が加速しており、AI需要が国内経済にも波及
テック企業のAI投資は「まだ足りない」と言われるほどの需要があります。しかし、これだけの巨額投資がいつ利益につながるのかは、投資家にとって最大の関心事です。AIの進化を支える裏側で、とてつもない規模のお金が動いていることを知っておきましょう。
参考文献
- CNBC「Alphabet resets the bar for AI infrastructure spending」
- Fortune「Alphabet plans record $185 billion AI spending—but CEO says it still won’t be enough」
- Yahoo Finance「Alphabet stock sinks after Google parent announces $180 billion spending plan」
- CNBC「Tech AI spending approaches $700 billion in 2026」
- CNBC「Alphabet shares close flat after earnings beat」


