この記事でわかること
- GPT-5.2がどんなAIモデルなのか
- 40万トークンの巨大コンテキストウィンドウで何ができるのか
- ハルシネーション(AIのウソ)が30%減った仕組み
- 3つのモデルタイプ(Instant・Thinking・Pro)の違い
- 他のAIモデル(Claude・Gemini)との比較
- 日本での活用シーンと今後の展望
2025年12月、OpenAIが新しいAIモデル「GPT-5.2」を発表しました。いちばんの注目ポイントは、40万トークンという巨大なコンテキストウィンドウと、ハルシネーション(AIが事実と違うことを言ってしまう現象)の30%削減です。この記事では、GPT-5.2の進化ポイントをやさしく解説します。
GPT-5.2ってどんなモデル?
GPT-5.2は、OpenAIが2025年12月11日にリリースした最新のAIモデルです。ChatGPTの頭脳にあたる部分がパワーアップしたと考えてください。
たとえば、これまでのGPT-5.1と比べると、こんな進化がありました。
- コンテキストウィンドウ(一度に読める文章量)が40万トークンに拡大
- ハルシネーション(AIのウソ)が30%減少
- 出力トークンが最大12万8000トークンに対応
- 数学の難問テスト「AIME 2025」で正答率100%を達成
つまり、「たくさん読めて、ウソが減って、たくさん書ける」ようになったのです。ちなみに、知識のカットオフ(学習データの期限)は2025年8月までとなっています。
40万トークンのコンテキストウィンドウとは
「コンテキストウィンドウ」とは、AIが一度に読み込める文章の量のことです。40万トークンは、日本語にすると約20万文字にあたります。
これがどのくらいかというと、一般的なビジネス書や小説がまるまる1冊分です。たとえば、会社の業務マニュアルを丸ごと読み込ませて「この手順で合ってる?」と質問できるようになります。
プログラマーにとっても大きな進化です。数十万行のプログラムコードをまるごとAIに読ませて、バグの原因を探してもらうことが可能になりました。
さらに注目なのが、256Kトークンの文章から特定の事実を見つける正確さがほぼ100%だということ。長い文章の最初の方に書いてあった内容も、忘れずに覚えていてくれるのです。
ハルシネーションが30%も減った理由
ハルシネーションとは、AIがもっともらしいウソをついてしまう現象のことです。たとえば、存在しない論文を引用したり、間違った数字を自信満々に答えたりすることがあります。
GPT-5.2では、このハルシネーション率が6.2%まで下がりました。以前のGPT-4oと比べると、約65%も改善されています。
これが実現できた背景には、いくつかの工夫があります。
- 大きなコンテキストウィンドウ:必要な情報を全部読み込めるので、文脈の見落としによるミスが減る
- 学習データの改善:より正確なデータで訓練されている
- 推論能力の向上:答えを出す前に、しっかり考える力がアップした
たとえば、法律の分野では、裁判の資料を丸ごと読み込ませることで、文脈の抜け落ちによるミスが大幅に減ったと報告されています。
3つのモデルタイプを使い分けよう
GPT-5.2には、用途に合わせて3つのタイプが用意されています。
GPT-5.2 Instant(インスタント)
日常的な質問や翻訳、文章の要約など、スピード重視の作業に向いています。ちょっとした調べ物や、メールの下書きを作るときにぴったりです。
GPT-5.2 Thinking(シンキング)
プログラミングや数学の問題など、じっくり考える必要がある作業に最適です。長い文書の要約やデータ分析にも強く、専門家レベルの仕事で人間の専門家に勝てる場面が70.9%もあります。
GPT-5.2 Pro(プロ)
もっとも高精度なモデルです。ミスが許されない重要な仕事や、複雑なプログラミングに向いています。SWE-Bench Verified(プログラミングの実力テスト)で80%というスコアを記録しました。
他のAIモデルとの比較
GPT-5.2は強力ですが、ライバルも負けていません。2026年現在、主要なAIモデルの特徴を比べてみましょう。
| モデル | 得意なこと | コンテキスト |
|---|---|---|
| GPT-5.2 | 推論・数学・マルチタスク | 40万トークン |
| Claude Opus 4.5 | コーディング(SWE-bench 80.9%) | 20万トークン |
| Gemini 3 Pro | マルチモーダル・大規模コンテキスト | 100万トークン以上 |
つまり、GPT-5.2は推論力とバランスの良さが強みです。一方、コーディングだけならClaude Opus 4.5が一歩リードしており、超長文の処理ならGemini 3 Proが得意です。用途に応じて使い分けるのがベストと言えるでしょう。
日本での活用シーンと今後の展望
日本でもGPT-5.2の活用が広がり始めています。
- ビジネス文書の作成:報告書やプレゼン資料を、AIがたたき台を作ってくれる
- プログラム開発:大規模なコードベースをまるごと読ませて、バグ修正や機能追加を依頼できる
- カスタマーサポート:お客様からの問い合わせに、より正確に回答できるチャットボットが作れる
- 法務・契約書チェック:長い契約書を一度に読み込ませて、リスクのある条項を見つけてもらう
ただし、API利用料金には注意が必要です。GPT-5.2の料金は入力が100万トークンあたり1.75ドル、出力が14.00ドルで、GPT-5.1と比べて約40%値上がりしています。高性能になった分、コストも上がっているのです。
今後は、2026年1月にリリースされたGPT-5.2-Codex(プログラミング特化モデル)のように、さらに専門分野に特化したモデルが増えていくと予想されます。
まとめ
この記事のポイントを振り返りましょう。
- GPT-5.2は2025年12月にリリースされたOpenAIの最新モデル
- コンテキストウィンドウが40万トークン(日本語約20万文字)に拡大し、本1冊分を一度に読める
- ハルシネーション(AIのウソ)が30%削減され、信頼性が大幅アップ
- Instant・Thinking・Proの3タイプで用途に合わせて選べる
- 推論力ではトップクラスだが、コーディングはClaude、超長文はGeminiも強い
- 日本でもビジネス文書、開発、カスタマーサポートなどで活用が広がっている
- API料金は約40%値上がりしているので、コスト計算は慎重に
AIの進化はとても速いですが、大切なのは「自分の目的に合ったモデルを選ぶこと」です。GPT-5.2の強みを理解して、上手に活用していきましょう。

