クレカ不要でアプリ2本公開|Google新無料枠

伊東雄歩
監修者 伊東 雄歩

株式会社ウォーカー CEO。東北大学卒。MENSA会員、JDLA認定講師、健全AI教育協会理事。生成AI×教育・学習科学を専門とし、2億円超のシステム開発プロジェクトを統括。

taolis.net X note Voicy YouTube
  • Googleが2026年6月、AI Studioに無料枠「Starter Tier」を追加しました
  • クレジットカードや支払い設定なしで、作ったアプリを最大2本まで公開できます
  • 必要なのはGoogleアカウントだけ。プロンプトから公開URLまで一気に進めます
  • コンテナ1台まで・データベースの共有上限など、3つの制限があります
  • 個人開発者や学生、AIを試したい日本のユーザーにとって大きな追い風です

「AIでアプリを作ってみたいけど、クレジットカードの登録が面倒…」と感じたことはありませんか?2026年6月22日、Googleがその悩みを一気に解決する発表をしました。支払い方法を登録しなくても、作ったアプリをそのままネットに公開できる無料枠です。この記事を読めば、何が無料で、どこまでできて、日本の私たちにどう関係するのかがすべてわかります。

Google AI Studioの「Starter Tier」とは?

Google AI Studio(グーグル・エーアイ・スタジオ)は、文章で指示するだけでAIがアプリを作ってくれるGoogleの開発ツールです。

これまでは、作ったアプリを公開(インターネット上で誰でも使える状態にすること)するには、Google Cloudという有料サービスにクレジットカードを登録する必要がありました。

今回追加された「Starter Tier(スターター・ティア=入門用の無料枠)」を使えば、その登録がいりません。

必要なのはGoogleアカウントひとつだけです。普段Gmailを使っている人なら、もう持っています。

つまり、思いついたアイデアを文章で打ち込み、そのまま公開URL(みんながアクセスできるアドレス)まで、お金もカードもなしでたどり着けるようになりました。

クレカ不要で何ができる?無料枠の中身

Starter Tierでは、本格的なWebアプリを動かすための部品が、最初からセットで用意されています。

具体的には、次のようなGoogle Cloudの機能が無料で使えます。

  • Cloud Run:作ったアプリを動かす「土台」となるサービス
  • Cloud Firestore:ユーザーの情報などを保存する「データベース」
  • Cloud SQL for PostgreSQL:表形式でデータを扱う別タイプのデータベース
  • Firebase Authentication:ログイン機能(会員登録やサインイン)を簡単に追加する仕組み

これらを組み合わせると、ログイン機能つきのアプリまで作れます。

公開できるアプリの数は、1つのGoogleアカウントにつき同時に2本までです。

ちなみに、後で「もっと大きく使いたい」と思ったら、その場でカードを登録して有料版に切り替えられます。そのときアプリは止まらず、データも公開URLもそのまま引き継がれます。

知っておきたい3つの制限

無料で便利な一方、いくつか覚えておきたい制限があります。「思っていたのと違った」とならないよう、先に確認しておきましょう。

1. 動かせるサーバーは1台まで

Starter Tierでは、アプリを動かす「コンテナ」と呼ばれる箱が1台に固定されています。

少人数で使う分には十分ですが、一度に大勢のアクセスが集中すると、表示が遅くなることがあります。

2. データベースの利用量に上限がある

無料枠で作ったデータベースは、すべて「共有の枠」の中で動きます。

たとえば1日あたりの読み取り回数が上限(目安として5万回)に達すると、そこで一旦止まり、翌日に再開します。

3. すでに有料アカウントを持つ人は対象外

過去や現在にGoogle Cloudの支払いアカウントを持っている人は、この無料枠を使えません

また、会社や学校のGoogle Workspaceアカウントも、管理者の設定によっては利用できない場合があります。あくまで「これから始める個人」向けの枠です。

他の無料サービスと何が違う?

「AIでアプリを作って公開する」サービスは、実はGoogleだけではありません。最近は「バイブコーディング(会話するように作る開発スタイル)」と呼ばれ、人気が高まっています。

代表的なライバルと比べてみましょう。

  • v0(Vercel):公開の手軽さはトップクラス。無料枠ありで、上位プランは月20ドル
  • Replit:ブラウザだけで完結。AIエージェントが作成からテストまで担当。使った分だけ課金
  • Bolt.new:オープンソースで無料。自分でAIモデルを差し替えられる自由度が魅力

これらと比べたGoogle Starter Tierの強みは、カード登録なしで「データベース」と「ログイン機能」まで無料で揃う点です。

多くのサービスは、本格的な保存機能を使おうとすると支払い登録が必要になります。そこを最初から無料でカバーしているのが、今回の大きな違いです。

日本のユーザー・企業への影響

この発表は、日本のユーザーにとっても見逃せません。

Google AI Studioは日本からも利用でき、日本語での指示にも対応しています。だから、英語が苦手な人でも気軽に試せます。

特に恩恵を受けそうなのが、次のような人たちです。

たとえば、プログラミングを学び始めた学生。これまでは公開の手前で「カード登録」という壁にぶつかっていました。今後は、作った成果物をそのまま友だちや先生に見せられます。

また、社内の小さな業務改善ツールを試したい中小企業の担当者。コストをかけずに「まず動くもの」を作って、上司に提案できます。

一方で注意点もあります。利用量の上限があるため、本格的なサービスとして多くの人に使ってもらう段階になったら、有料版への切り替えが前提になります。「試す」のは無料、「本格運用」は有料、と切り分けて考えるのが現実的です。

実際にどう使う?身近な活用シーン

では、Starter Tierは具体的にどんな場面で役立つのでしょうか。イメージしやすい例を3つ紹介します。

1つめは、地域のお店の常連さん向けポイントアプリ。カフェの店主が「来店ごとにスタンプがたまる仕組み」を文章で指示し、ログイン機能つきで公開。常連客にURLを配るだけで使ってもらえます。

2つめは、サークルの出欠管理ツール。大学生が「練習日に参加するか答えるフォーム」を作成。データベースに回答が貯まるので、幹事がまとめて確認できます。

3つめは、個人の家計簿アプリ。「使った金額を記録して、月ごとに合計を表示する」アプリを自分用に作成。市販アプリに不満がある人でも、自分好みにカスタマイズできます。

どれも、これまでなら公開のたびに支払い設定が必要でした。その手間が消えるだけで、「ちょっと作ってみよう」のハードルが大きく下がります。

よくある質問(FAQ)

Q. 本当に無料で、後から請求は来ませんか?

A. Starter Tierの範囲で使う限り、料金は発生しません。自分でカードを登録して有料版に切り替えない限り、勝手に課金されることはありません。

Q. 日本語でアプリを作れますか?

A. はい。Google AI Studioは日本語での指示に対応しているので、日本語で「こんなアプリを作って」と打ち込めます。

Q. 公開したアプリは誰でも見られますか?

A. はい。公開すると専用のURLが発行され、そのアドレスを知っている人ならアクセスできます。ログイン機能を付ければ、会員だけが使える形にもできます。

Q. 無料枠を超えそうになったらどうなりますか?

A. データベースの利用量が上限に達すると一時的に止まり、翌日に再開します。本格的に使うなら、有料版へ切り替えれば上限を引き上げられます。

Q. すでにGoogle Cloudを使っていますが利用できますか?

A. 過去や現在に支払いアカウントを持っている場合、この無料枠は対象外です。これから始める個人向けの仕組みだからです。

まとめ

今回のポイントを振り返ります。

  • Googleが2026年6月、AI Studioに無料枠「Starter Tier」を追加
  • クレカ・支払い設定なしで、アプリを最大2本まで公開できる
  • Cloud Runやデータベース、ログイン機能まで無料でセット
  • 制限はサーバー1台・データ利用量の上限・有料利用歴がある人は対象外
  • 日本語対応で、学生や中小企業の「お試し開発」に最適

まずはGoogleアカウントでAI Studioにログインし、小さなアプリを1本公開するところから試してみましょう。

参考文献

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です