この記事でわかること
- Anthropicが2026年9月25日に開設したClaudeプラグインディレクトリの詳細
- すでに2,000件のプラグインが掲載され、月間38万人の開発者が訪問
- MCP 2.0とMCP Apps、Enterprise Managed Authの仕組み
- 日本企業がClaudeを業務に組み込む際のメリット
Claudeプラグインの公式ディレクトリがオープン
Anthropicは2026年9月25日、AIアシスタント「Claude」のプラグインを開発者が投稿できる公式ディレクトリポータルを開設しました。つまり、誰でも自分が作ったClaude向けの拡張機能を公開でき、世界中のユーザーに使ってもらえるようになったのです。
このディレクトリには、すでに2,000件のプラグインが掲載されています。たとえば、SlackやNotion、Figmaなど、仕事でよく使うツールとClaudeをつなぐプラグインが並んでいます。月間38万人の開発者が訪問しており、Claude拡張の市場が急速に育っていることがわかります。
MCP利用は今年110倍に成長
Claudeのプラグインは「MCP(Model Context Protocol、モデル・コンテキスト・プロトコル)」という仕組みで動きます。MCPとは、AIモデルが外部のデータやアプリと通信するための「言語」のようなものです。Anthropicが2024年11月に公開したオープンソース標準で、LLM(人間のように文章を書けるAI)がデータベースやビジネスツールと安全にやり取りできるようにします。
MCP公開時のサーバー数は約100個でしたが、2026年8月時点では公式レジストリだけで9,400以上に急増しました。Anthropicによれば、Claude製品全体でのMCP利用は2026年に110倍成長しています。つまり、開発者や企業が「Claudeに自社のシステムを接続したい」というニーズが爆発的に高まっているのです。
MCP 2.0とMCP Apps で何ができるか
今回のディレクトリは「MCP 2.0」という最新仕様に対応しています。MCP 2.0は2026年7月28日版の仕様で、ステートレスコア(状態を保持しない設計)を採用し、より安全で柔軟な連携を可能にします。
さらに「MCP Apps」という拡張機能を使うと、Claudeのチャット画面内にボタンやフォームなどのインタラクティブなUIを表示できます。たとえば、Claudeに「今日のタスクを一覧で見せて」と頼むと、チャット内に操作可能なタスクリストが表示される、といった体験が実現します。これまでのチャットAIは文字のやり取りが中心でしたが、MCP Appsによって「見て操作できるAI」に進化しているのです。
企業向けの認証機能「Enterprise Managed Auth」
企業がClaudeを業務に導入する際、ネックになるのが「従業員一人ひとりがプラグインを認証する手間」でした。この課題を解決するのが「Enterprise Managed Auth(エンタープライズ管理認証)」です。2026年8月24日に一般提供が始まりました。
この機能を使うと、管理者がOkta(企業向けID管理サービス)経由で組織全体にMCPコネクタを一括でプロビジョニングできます。つまり、社員は初回ログイン時に自動でプラグインへのアクセス権を得られるため、個別に設定する必要がありません。認証はバックグラウンドで完結し、ブラウザのリダイレクトや個別の同意画面も不要です。
現在、Datadog、Notion、Slackに対応しており、近日中にExa、Miro、Zoomも利用可能になります。既存でAsana、Atlassian、Canva、Figma、Granola、Linear、Supabaseにも対応済みです。つまり、日常的に使うビジネスツールのほとんどを、Claudeと手間なくつなげられる環境が整いつつあります。
開発者向けの提出プロセスと分析機能
プラグインを公開したい開発者は、Claudeの有料プランに加入していれば誰でもディレクトリに提出できます。提出方法は2つあります。
- 単一のMCPコネクタ(リモートサーバーへのリンク)
- プラグインバンドル(MCPサーバーとスキルを組み合わせたもの、GitHubリポジトリで提出)
提出すると、自動で安全性スキャンが実行されます。開発者は、レビューの進捗状況、スキャン結果、改善提案をリアルタイムで確認できます。承認後は、開発者自身が公開タイミングを決められます。
公開後は、利用分析と発見分析の2種類のデータを見られます。利用分析では、プロダクトごとやバージョンごとのインストール数がわかります。発見分析では、リストが何回表示されたか、どんな検索キーワードで見つけられたかを追跡できます。Anthropicは「この数字を見て、開発者が修正や新機能の優先順位を決めたり、リストを改善して新しいユーザーに届けやすくしたりできます」と説明しています。
日本企業への影響と今後の展望
国内でも、企業がChatGPTやClaudeを業務に導入する動きが広がっています。しかし「社内システムとどうつなぐか」「セキュリティをどう担保するか」が課題でした。今回のディレクトリとEnterprise Managed Authは、この2つの課題を同時に解決する仕組みです。
たとえば、営業チームがNotionで顧客情報を管理している会社なら、Claudeに「先月の商談リストを要約して」と頼むだけで、Notionから最新データを取得して整理してくれます。管理者がEnterprise Managed Authで一括設定すれば、営業担当者は何もせずに初回ログインでこの機能を使えます。
日本語対応のプラグインはまだ少ないものの、MCPがオープンソース標準であることから、今後は日本企業や開発者による独自プラグインの登場も期待できます。MCP利用が110倍に成長している背景には、「AIを単体で使う時代」から「AIを業務フローに組み込む時代」への転換があります。Claudeプラグインディレクトリは、その橋渡しをする重要なインフラになりそうです。
まとめ
- Anthropicが2026年9月25日にClaudeプラグイン公式ディレクトリを開設
- すでに2,000件掲載、月間38万開発者が訪問
- MCP利用は2026年に110倍成長、公式レジストリで9,400サーバー超
- MCP 2.0とMCP Appsでチャット内にインタラクティブUIを実装可能
- Enterprise Managed AuthでOkta経由の一括認証が可能に
- Datadog、Notion、Slackなど主要ツールに対応、近日Exa、Miro、Zoomも追加
- 開発者は提出後にレビュー進捗と利用分析を確認できる
- 日本企業の業務AI導入を加速する可能性が高い