• Character.aiの運営会社が2026年10月12日、米連邦破産法11条を申請した
  • Disney傘下の会社が2000万ドルで一部IPのライセンスを得る先行入札者になった
  • アプリは売却手続きの間も使え、有料プランも当面そのまま
  • 背景には10代ユーザーをめぐる訴訟と、18歳未満への制限がある
  • 日本のユーザーはデータの書き出しと、代わりのサービス選びを考えておくと安心

毎日話していたAIキャラが、ある日突然いなくなるかもしれません。人気のAIキャラクターチャット「Character.ai」の運営会社が、破産手続きに入りました。

この記事では、何が起きたのか、Disneyはなぜ名乗りを上げたのか、日本のユーザーはどうすればよいかを順に説明します。

Character.aiが破産申請、いま何が起きている?

運営する米Character Technologiesは、現地時間2026年10月12日に米連邦破産法11条(会社を続けながら立て直したり、売却したりするための手続き)を申請したと発表しました。

申請先はデラウェア州の連邦破産裁判所です。裁判所の監督のもとで、資産の全部またはほぼ全部を売る計画です。

CEOのコリン・アダムス氏は、取締役会が幅広い選択肢を検討した結果、裁判所の監督下での売却が関係者全員にとって価値を最大にする方法だと判断した、と述べています。

破産と聞くと、すぐにサービスが止まるように思えます。ところが今回は、売却が終わるまでサービスを続けると会社は説明している点が特徴です。

売却は、裁判所の承認を前提に2026年11月下旬から12月上旬に完了する見込みと報じられています。

Disneyが2000万ドルで先行入札した中身

先行入札者(ストーキングホース)とは

Walt Disney傘下のDisney Worldwide Servicesが、2000万ドルを支払って先行入札者になりました。

先行入札者は、最初に条件を出して売却の最低ラインを決める役です。もっと良い条件を出す買い手が現れれば、そちらが優先されます。

Disneyが手に入れるもの

対象は、一部の知的財産(IP)と一部の請求権についての、非独占で永続的なライセンスです。会社まるごとの買収ではありません。

非独占なので、Disney以外が同じ権利を得る余地も残っています。さらにDisneyは、移行支援サービスも受け持ちます。Disneyが雇った元Character.ai従業員が、一定期間プラットフォームを安全に動かす役目です。

なお、アプリそのものはDisneyの入札に含まれていません。引き継ぐ買い手が現れなければ、サービスは段階的に閉鎖されます。

なぜ破産に?訴訟と18歳未満の制限

会社は破産の理由として、法的・規制上・運営上の強い逆風を挙げています。

大きな重荷になったのが訴訟です。2024年10月には、14歳の息子の自殺はCharacter.aiへの依存が原因だとして、遺族が同社とGoogleを訴えました。

TNWの報道では、2026年1月に10代の精神的な危機や自殺をめぐる5件の訴訟で和解しました。その後も、家族や米国の州から新たな訴えが出ているといいます。

会社は2025年10月下旬、18歳未満のオープンエンドチャット(話題を決めない自由な会話)を終了すると発表しました。2025年11月下旬から、10代の利用が制限され始めました。

Similarwebのデータでは、米国のウェブ訪問者の52%が18〜24歳でした。ChatGPTのサイトは26%です。若い層が中心のサービスだったことが分かります。

創業からDisney入札までの流れ

流れを整理します。

  • 2021年:元Googleのエンジニアが創業
  • 2024年8月:Googleが技術の非独占ライセンスを取得し、創業者2人がGoogleへ移籍
  • 2024年10月:遺族がCharacter.aiとGoogleを提訴
  • 2025年11月下旬:18歳未満の自由会話を制限
  • 2026年1月:5件の訴訟で和解
  • 2026年9月:Disneyが当時のCEOカランディープ・アナンド氏を初の全社技術責任者に採用
  • 2026年10月12日:破産申請とDisneyの先行入札

面白いのは、Disneyとの因縁です。TNWによると、Disneyは1年前、自社キャラクターをまねたチャットボットを置かないようCharacter.aiに求めていました。

その相手が、いまは先行入札者として並んでいます。申請時の資産と負債は、それぞれ5000万〜1億ドルと見積もられています。

競合サービスと比べると

AIキャラと話せるサービスは、ほかにも複数あります。代表例は、Replikaと、MiniMax社が運営するTalkieです。

ChatGPTのような汎用AIも、キャラクターを演じる使い方ができます。利用時間を見ると差は大きく、Sherwoodが引くSimilarwebのデータでは、Character.aiの若い利用者は月に約26回訪れ、1回あたり約18分使っていました。ChatGPTは月約13回、1回約6分です。

業界全体も慎重になっています。ITmediaによると、米Metaは2026年1月、10代ユーザーへのAIキャラクターとの会話機能の提供停止を発表しました。

日本のユーザーと企業への影響

Character.aiは日本語でも使えるので、日本のユーザーにとっても他人事ではありません。

公式FAQによると、いまはすべてのサービスを使え、有料サブスクリプションも有効で、請求内容も当面変わりません。有料機能に影響する変更は、事前に加入者へ通知するとしています。

運営会社は、データをプライバシーポリシーに基づいて保護すると説明しています。アカウントの削除とデータの書き出しも、アプリやWebサイトから可能です。

日本でヘビーに使っている人は、次の3つを考えておくと安心です。

  • 大切な会話やキャラ設定は、いまのうちに書き出して残す
  • 年払いなど、長期の支払いを新しく増やすのは様子を見る
  • 代わりのサービスを1つ試しておく

企業にとっても学びがあります。アニメやゲームのキャラクターを持つ会社は、AIにキャラを使わせるとき、権利の整理と安全対策を最初から組み込む必要があります。

よくある質問(FAQ)

Q. Character.aiはもう使えませんか?

A. いまはすべてのサービスを使えて、売却手続きの間も運営は続く方針です。ただし、引き継ぐ買い手が現れなければ、段階的に閉鎖されます。

Q. 有料プランは解約したほうがいいですか?

A. 公式FAQでは、有料サブスクリプションは有効で、請求内容も当面変わらないとされています。心配なら、今後の通知を見て判断するとよいでしょう。

Q. 会話データはどうなりますか?

A. 運営会社は、プライバシーポリシーに基づいて保護され、運用方針も変わらないと説明しています。アプリやWebサイトからデータを書き出せるので、残したい人は早めに保存してください。

Q. Disneyは会社を買収したのですか?

A. 買収ではありません。2000万ドルで一部IPなどの非独占ライセンスを得る先行入札者になった段階です。より良い条件の提案があれば、そちらが選ばれます。

まとめ

  • Character.aiの運営会社は2026年10月12日に米連邦破産法11条を申請した
  • Disney傘下の会社が2000万ドルで先行入札者になった
  • サービスは売却の間も続き、有料プランも当面そのまま
  • 背景には10代の利用をめぐる訴訟と制限がある
  • 買い手が現れなければ、段階的に閉鎖される

まずはアプリの設定から、残したい会話やデータの書き出しを確認しておきましょう。

参考文献