2026年AI予測まとめ|AGI・AIエージェント・フィジカルAIの最前線

伊東雄歩
監修者 伊東 雄歩

株式会社ウォーカー CEO。東北大学卒。MENSA会員、JDLA認定講師、健全AI教育協会理事。生成AI×教育・学習科学を専門とし、2億円超のシステム開発プロジェクトを統括。

taolis.net X note Voicy YouTube

この記事でわかること

  • 2026年に注目される6つのAI予測の全体像
  • AGI(人間レベルのAI)がどこまで近づいているか
  • AIエージェントが企業の仕事をどう変えるか
  • フィジカルAIでロボットがどう進化するか
  • 私たちの生活にどんな影響があるか

ITmediaが2026年2月に公開した記事で、今年注目すべき生成せいせいAIの6つの予測が話題になっています。AIエージェントの一般化、AGIへの接近、フィジカルAIの実用化など、2026年はAI技術が大きく動く年になりそうです。

この記事では、それぞれの予測を中学生でもわかるようにやさしく解説します。

予測①:AIエージェントが会社の仕事を自動でこなす時代へ

まず最初の予測は「AIエージェントの普及ふきゅう」です。AIエージェントとは、人間に言われなくても自分で考えて仕事をこなすAIのことです。

たとえば、今までのAIは「この文章を翻訳して」と頼めば翻訳するだけでした。でもAIエージェントは、メールを読んで、返信を考えて、スケジュールまで調整してくれるイメージです。

そのために大事なのが「MCP(Model Context Protocol)」という新しい技術です。これはAIと会社のシステムをつなぐ「共通のコンセント」のようなもの。MCPのおかげで、AIがデータベースやSlack、Google Workspaceなど、いろいろなツールとかんたんに連携できるようになります。

日経クロステックが選ぶ「ITインフラテクノロジーAWARD 2026」でも、MCPがグランプリに選ばれました。それくらい注目されている技術なのです。

予測②:AGI(人間レベルのAI)に一歩近づく

2つ目の予測は「AGI(Artificial General Intelligence)」への接近です。AGIとは、人間と同じように幅広はばひろい分野で考えたり判断したりできるAIのことです。

今のAIは「文章を書く」「画像を作る」など、得意な分野が決まっています。でもAGIが実現すれば、どんな問題でも人間のように解決できるようになります。

具体的には、PalantirとNVIDIAが協力して開発する「常時じょうじ稼働かどうAI」が注目されています。これは365日24時間、会社のシステムを監視かんし・管理・最適化し続けるAIです。つまり、人間が寝ている間もAIが会社を守ってくれるということです。

2026年にAGIが完全に実現するわけではありませんが、「一部の分野では人間レベルに達する」と予測されています。

予測③:AIエージェントを管理する新しいツールが登場

AIエージェントが増えると、今度は「誰がAIを管理するの?」という問題が出てきます。これが3つ目の予測です。

たとえば、会社で10個のAIエージェントが同時に動いていたら、それぞれ何をしているか把握するのは大変ですよね。そこで登場するのが「Vibe Kanban」のような管理ツールです。

カンバン(看板)方式は、もともとトヨタが考えた仕事の管理方法です。これをAIエージェント版にしたのがVibe Kanbanで、どのAIが何をしているか、うまくいっているかを一目で確認できます。

AIエージェントが増えれば増えるほど、こうした「AIのための管理ツール」の需要は高まりそうです。

予測④:企業がそれぞれ独自のAIエージェントを持つ

4つ目の予測は、「外部の会社との連携」についてです。今後は、取引先やパートナー企業がそれぞれ独自のAIエージェントを開発し、AI同士がやり取りする世界がやってきます。

ちなみに、この「AI同士の会話」を可能にするのが「A2A(Agent to Agent)」というプロトコルです。MCPがAIとツールをつなぐ技術なら、A2AはAIとAIをつなぐ技術です。

さらに、ブラウザにもAI機能が組み込まれ、私たち一人ひとりにパーソナルAIアシスタントがつく時代が近づいています。ネットで買い物するときも、AIが最安値を見つけたり、口コミを分析したりしてくれるようになるかもしれません。

予測⑤:Transformerの限界と新しいAIモデルの登場

5つ目の予測は、AIの「頭脳」にあたる部分の進化です。今のChatGPTなどのAIは「Transformer(トランスフォーマー)」という設計で動いています。しかし、この設計には限界げんかいが見えてきました。

たとえるなら、エンジンの性能を上げ続けても、いつかは物理的な限界にぶつかるのと同じです。そこで注目されているのが2つの新しいアプローチです。

ひとつは「SSM(State Space Model)」という新しい設計です。Transformerより計算が速く、長い文章も効率よく処理できます。IBMのGranite 4.0など、TransformerとSSMを組み合わせた「ハイブリッドモデル」も登場しています。

もうひとつは「推論すいろんモデル」です。OpenAIのgpt-o1のように、答えを出す前にじっくり考えるAIです。計算量は増えますが、より正確な答えを出せます。

予測⑥:フィジカルAIでロボットが現実世界で活躍

最後の予測は「フィジカルAI」の実用化です。フィジカルAIとは、デジタルの世界だけでなく、現実の世界でも動けるAIのことです。つまり、ロボットの脳みそになるAIです。

この分野で特に注目されているのが「VLAモデル(Vision-Language-Action)」です。日本語にすると「見て・理解して・動く」モデル。カメラで周りを見て、言葉で指示を理解して、実際に手や足を動かせるAIです。

Googleが開発した「Gemini Robotics」はその代表例で、2026年2月には開発者向けに公開されました。ロボットの形や大きさに関係なく、複雑な作業をこなせるのが特徴です。

また、NVIDIAの「Omniverse」という仮想かそう空間では、ロボットが現実世界に出る前にシミュレーションで練習できます。安川電機やトヨタなど日本企業もすでに活用しており、ロボット開発のスピードが大幅に上がっています。

フィジカルAI市場は2024年の約40億ドルから、2034年には約65億ドルへと成長すると予測されています。

まとめ:2026年のAIはここが変わる

今回紹介した6つの予測をまとめると、2026年のAIは次のように変わりそうです。

  • AIエージェントがMCPで会社のシステムと連携し、仕事を自動化する
  • AGIが一部の分野で人間レベルに近づき、24時間働くAIが登場する
  • AIエージェントの管理ツール(Vibe Kanbanなど)が必要になる
  • AI同士がA2Aプロトコルでやり取りし、パーソナルAIアシスタントが普及する
  • Transformerに代わるSSMや推論モデルが台頭する
  • フィジカルAIとVLAモデルで、ロボットが現実世界で活躍する

2026年は、AIが「文章を作る」段階から「自分で考えて動く」段階へと大きく進化する年になりそうです。私たちの仕事や生活にも影響が出てくるので、ぜひこれからのニュースにも注目してみてください。

参考文献

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です